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逆転のち逆転
【S】誤算(1)
俊希さんと一緒に帰り始めてしばらくたったころ。

今日は土曜日で、部活は午後2時で終了。

部活からの帰り道、隣を歩く俊希さんにこんな提案を持ちかけた。

「俊希さん、今日俺の家寄って行きませんか」

「はぁ?絶対寄らねぇ」

即座に拒否されたけれども。

「いいじゃないですか」

今日は親がいないんだ。
こんな絶好のチャンスはないだろう。

「アイスあげます」

「………寄る」

「っ、」

くそっ、可愛いっ!

一瞬呼吸ができなかった。








俺のベッドに腰かけて俊希さんがアイスをペロペロ舐めている。

もう秋だというのに、なんでそんな美味しそうに食べられるんだ。
俊希さんだからか、そうなのか。
ていうかエロい。
俺は俊希さんを舐めたい。

「ん、はずれか」

食べ終わったアイスの棒を見て、俊希さんが呟く。

普通誰も当たりなんて期待しないのに、あなたはガキか、可愛いな、もう。

棒をゴミ箱に捨てた俊希さんはなぜか腰を上げた。

「よし、じゃあ俺帰る」

「いやいやいや!」

まさかアイスを食べるためだけに寄ったなんて言わせない。

立ち上がった俊希さんを部屋から出させまいと、俺は俊希さんの前に立ち塞がった。

「どけよ」

「俊希さん、」

ガバッと、正面から抱き締める。

「おまっ、何すんだっ!」

「もう俺、我慢できません」

俊希さんの耳元に顔を寄せ、そっと囁く。


「気持ちよくしてあげますよ…」


「っ、」


次の瞬間、俺はベッドに押し倒されていた。

いや待て、どうして。

俺の上に乗り上げた俊希さんが、余裕の無さそうな顔で唸った。

「誘ったのは、お前だからな、」

違う、確かに誘ったけど、違う。
主に位置が。

まぁこの位置でもできなくはないが、それはまだハードルが高いだろ。
ノーマルなのから入っていきましょうよ。
だって、いや、そんな、

「俊希さん、待ってくださ、んっ、」

首筋をベロっと舐められて、からだが震えた。
アイスのせいか、俊希さんの舌、すごく冷たい。

なんとか抵抗しようと肩を押し返すが、右手だけで俺の両手を一纏めに拘束してしまう俊希さんは、馬鹿力としか言いようがない。
俊希さんは空いている左手で俺の体をまさぐり始めた。
身を捩って逃げ出そうと試みるが、俊希さんの手の拘束はビクともしない。

くそ、なんで力だけは強いんだ。
サッカー下手なのに。

「あばれんなよ、秋一…痛くしねぇから…」

吐息混じりで囁かれ、さすがにクラっと来るだろ、こんなの。
抵抗する気力を一気に削がれてしまった。

「は、いい子…」

至近距離で微笑まれ、腰がズクンと疼く。
目に、毒。

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あきゅろす。
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