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(探偵、笹川と助手の二ノ宮が暇そうにしている)
笹川「……っ! そうだ、俺は探偵だ!」(いきなり立ち上がる)
二ノ宮「な、なんですか急に…」
笹川「ここは探偵事務所なのに、何故仕事が来ないっ?」
二ノ宮「それは世間が平和だからですよ」(興味がなく、適当に返す)
笹川「平和だって? こんなに悪事が蔓延っているような世の中が、平和なわけあるものか! 絶対どこかに迷える子羊がいるんだ…! 平和だなんて認めない!」
二ノ宮「なら、所長が無能だからでしょう?」(ぼそっ)
笹川「ん? なんか言ったか?」
二ノ宮「いいえ?(にっこりと誤魔化す) まあ、確かにそろそろ仕事が欲しいですね。来るのは飼い犬、飼い猫探し。たまーに、たっまーに浮気調査。しかも報酬は雀の涙ほど」
笹川「なにが言いたい?」(キョトンとして尋ねる)
二ノ宮「ウチの事務所は赤字続きです」(キパッ)
笹川「いやいや、そんなのは知っているのだよ、二ノ宮くん。だから毎朝新聞配達のバイトを…」
二ノ宮「探偵として働いてください!」
笹川「しかしだな。顔良し、性格良し、頭良し! ついでにスタイル良しの俺の探偵事務所に客が来ないのは、客の見る眼がないのであって…」
二ノ宮「そんな言い訳が通じますかっ! 大体、所長の顔とスタイルが良いのは認めますが、あとの二つは全力否定させていただきます!」
笹川「そんな〜…三拍子だから気分良く言えたのに、顔良し、スタイル良し! …じゃ、間抜けではないか! やっぱり頭良しを…」
二ノ宮「所長は馬鹿です、アホです、間抜けです!ぜぇったいに頭はよくありません!」
笹川「に、二ノ宮ちゃん…ひどいよ…。笹川くん、落ち込んじゃうぞ☆」
二ノ宮「ご勝手にどうぞ」(さらり)
笹川「う…流石に今のは致命傷…。ひどいよ、ひどいよ! 二ノ宮くんのバァーッカ!」
二ノ宮「なんとでも吠えてください。少なくとも世間一般的に見たら、どう見ても所長のほうが馬鹿です」
笹川「そ、そんなことはない…っ」(涙目)
二ノ宮「大体、馬鹿については置いておいて、ここの生計を立てているのは私ですし? 所長がいくら頑張って新聞を早朝に配っていようと、私がモデルとして働いている方が稼いでますから、経済的にも私の方が勝っております」
笹川「そ…そ、そ、それは…っ。それは、言わない約束だろーッ? 大体なんだ、俺をいじってばっかで…。そんなに俺が嫌いかっ? 嫌いなのかっ? 嫌いなんだなっ? す、すねぐれてやるーッ!」(勢い良く飛び出す)
二ノ宮「ハァ…。完全なアホ、ですね」
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