北の使いっ走り……
心も迷子になりそうでした。
いつもお世話になってます。
ヤマナカ コウスケです。
今回はついこの前あったばかりの、完璧にパシリな1日を語ってみようと思います。
《グレイシアが欲しい。リーフィアもセットで》
「え、また何をいきなり……」
《あ、進化の石的なヤツの近くで進化させてねー。一週間後にはシュンのトコに届けといて。以上》
ちょっと待ってくださいと言う間もなく、電話は無慈悲にプツリと切れた。
アカリさんからの電話はいつもこんな感じだ。
かかってくるのも一方的、内容も一方的、切れるのも一方的。
なんで僕がやらなきゃなんないんだとか思っても、図ってか今日は日曜日。
断る理由も見つからず、結局僕はやることになった。
まずは預かりシステムから二匹のイーブイを引き取る。
以前、イーブイの進化系だけでも全て揃えようと思った際に、タマゴから孵した子たちだ。
イーブイの進化系はもう揃ったし、イーブイの状態でも十分かわいいからそのままにしておいたのだが、シュン君にあげるならいいか。
そうして僕はハクタイの森に入った。
まではよかった。
「進化の石って……どの辺にあったっけ……」
ハクタイの森で下手に迷うと命取りだ。
だから常に入ってきた方角を把握しながら進んでいたのだが、おかげで退路は分かっても進路がわからない。
……諦めよ。
そのためにレーラーを連れてきたんじゃないか。
僕は退路確保を諦めて、目的物を探すことにした。
モンスターボールから、レントラーのレーラーを出して、レントラーの持つ透視能力で目的物を探してもらおうと……
「きゅうお〜ん♪」
思ったが本人(ポケ?)はしばらくやってくれそうもない。
僕の服に頬ずりなんてして幸せそうな顔してる。
最古参二匹に次ぐ長い付き合いであるレーラーは、どうにも甘えたがりのようで、最近特に、ボールから出すと必ずのように僕にくっついてくる。
まあそれはそれでかわいいからいいんだけど。
ようやく頬ずりをやめたレーラーに頼んで、やっとの思いで石近くに到着。
アカリさん、研究っていうよりはたぶんただの興味なんだろうな。
リーフィアに関してはその後、イーブイに学習装置を持たせてそのまま進化。
アカリさんがレベル指定してこない時は、基本レベルは気にしないということなのでリーフィアはこれにて完了。
あとは……。
次の行き先を思い浮かべた僕は、まるでその地の風が吹いたかのように、その場に凍り付いた。
その数時間後、
《ヨウイチロ?ごめんちょっとタスケテ。……うん、今217番道路だと思うんだけど……》
《遭難した》
イーブイがグレイシアに進化するのは、雪深く吹雪荒々しい217番道路。
それも進化の石みたいなのがあるのはその真ん中近く。
僕は奇跡的に石まで辿り着き、グレイシアを手に入れることには成功した。
だがそれで運を使い果たしたか、どうにも帰り道が見えない。
レーラーに頼んでも、一面銀世界で変化がなく、どうやらわからないらしい。
それで途方に暮れた僕は、頼れる(ハズ)の相棒にヘルプを出したわけ。
で、その後。
《217着いたよー。さっぶー。目印はー?》
ヨウイチロの方から電話がかかってきた。
上空からもわかるようにしておけということだろう。
「青っぽい塊……。僕のコートとシャルルとレーラーの青……」
これぐらいしか目印にできなかったよ。ホント。
《了解ー。ちなみに今日の晩ご飯は?》
ここで聞くかよ。
とか思いつつも予定してた品目を挙げる。
「ふわふわ卵のオムライスを予定」
《のった!》
即答したヨウイチロはそこで電話を切った。
僕の視界にヨウイチロのヨルノズクが映るのは、その後間もなくだった。
しかしちょっと待て。
あそこでヨウイチロが嫌いなものを言ってたら、僕見捨てられてた?
(なんだかんだで非凡ライフ)
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