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ひっかかること
ちょっと細かいとこ気にしすぎなのかもだけど、気になることが二つ。
ひとつ、ソフィの言い方。
ラムダの討伐でなくて「根絶」なあたりからちょっとひっかかってたんだけど、ソフィのセリフが「ラムダを倒す」でなくて「ラムダを消す」なんだな。
殺すだけじゃ足りないとかなのか、具体的な消す方法とか、その辺をそのうち追及しといた方がいいかもしれない。

「…あれ、どしたのシェリア」
「ゆきみち。見て、これ」

楽しそうにシェリアが差した先には、がれきや何かを雑に組んで作ったテントっぽいものがあった。

「…何これ」
「秘密基地よ。ゆきみちも作ったことあるでしょう?」
「…あーあーあるある、作った次の日工事の人に壊されちゃって以来拗ねて作らなかったけど」

いやぁあれは凹んだ。ゆきみちくん当時小学生。お気に入りの変形ロボも一緒に捨てられたんだよな。だから余計やりたくなくなった。

「あたしも小さい頃によくやったなぁ。全自動対人警戒網を作ってお姉ちゃんから逃げ回ってたよ」
「……子供の秘密基地のスケールじゃねぇよそれ」
「子供の頃からすごいのね……」

シェリアと二人で苦笑い。どうしてこうパスカルは変なとこスケールでかいのか。

「かつてこの星にも、多くの人々が暮らしていました……」

かつかつ、ヒールの音も高く近寄ってきたのはエメロードさん。いやそもそも他の女の子たちはかかと高い靴履いてないけどね。

「しかし、ラムダが生み出した魔物により大きな戦が引き起こされ、今はこのような世界になってしまったのです」
「……千年経っても治らない、と」

星の浄化機能が麻痺してるのかもな。フォドラに来て少し経つ、雨が降るとこすら見た覚えがない。
季節的に少ないのか、その辺は分からないけどやっぱり不自然だと思う。…温暖湿潤気候から来た人間の意見だけどね。
パスカルがちょっと神妙な顔で言った。

「あたし、もしかしたらアンマルチア族が世界をこんなにしちゃったのかなって心配してたんだ」
「違うってわかってよかったわね、パスカル」
「油断しないに越したことないけどな。ストラタ行ってフェンデル見て、人間が簡単に滅びて簡単に世界を壊せることは分かるだろ」

地球今大変だし。間に合うならそうしてほしい。日本人の勝手な願いと言うならそうするといい。俺はこいつらが泣くようなことは起こってほしくない。

「そうかも知れませんね。……しかし、この星の滅びた元凶はラムダなのです」

…ひっかかること、二つ目。
エメロードさんの態度。必要以上にラムダを悪人にしたがってるように見える。
ラムダが悪いことは全員の共通認識だからわざわざ強調することないのに、エメロードさんは世の中の理不尽は全部ラムダのせいにしたいみたいに見える。

「そこら辺の事情も聞いた方がいいのかな」

ちいさく聞いたけど、イカロスから返事はなかった。


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