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俺の考え
アスベルたちはじきに英雄と呼ばれることになる。これはそういうゲームなんだから間違いない。
その中に紛れた俺は間違いなく異分子で、俺のせいで何がどう変わったかなんて、もう舞台の上にいる俺にはわからない。
アスベルは英雄と呼ばれることになる。アスベルにはその資格がある。
なら俺は、部外者で異邦人の立場と思考を最大限に使ってこいつらを助けよう。

「…絶対誰も死なせない」

このゲームのシナリオを書いたのが誰だか知らないけど、俺はこいつらに死んでほしくない。
必要なら話の筋を違えてでも、こいつらを守るために動くよ。






とはいえラムダの繭を破るのは相当難しいらしく、シャトルの強化パーツ求めてバシス軍事基地へ向かうことになった。

「…ヒュー?教官にパスカルも…何難しい顔してんの」

三人がソフィを囲んで何か考え込んでいて、俺はそっちに寄っていった。

「あ、ゆきみち。いやね、誰がソフィを生み出したのかなーって」
「え、エメロードさんじゃねぇの?」
「あの研究所の所長のコーネルは、ヒューマノイド開発の第一人者だと言われたでしょう?」

ヒューバートは一度セリフを切って、「こういう言い方はあまりしたくありませんが、」と続けた。

「ソフィほどの性能を持つヒューマノイドを作り出せる人物が、コーネル以外にいたかどうか」
「んー…ソフィはそのへん」
「……覚えてない」
「だよなー」

出産時の記憶があるのは六歳くらいまでだって言うし、途中の再構成期間があるとはいえ、ソフィって千歳くらいだもんな。

「えー…俺今までふつーにエメロードさんがソフィの生みの親だと思ってた」
「……リチャード国王にラムダが憑いていると一番に気付いたくせに、どうしてこういうところに頭が回らないんですか、あなたは」

ヒューが言うのに「ゴメンナサイ…」と小さくなると、パスカルが詰め寄ってきた。

「ゆきみち、気付いてたの!?聞いてないよ!?」
「いや確証百パーじゃなかったし話して楽しくないし機会ないし」
「いったいいつから…」
「あれって思ったのは……ウォールブリッジ攻防戦、が終わったくらい」

王子らしくもねぇ、みたいなことを考えて、その後お城の奪還に行って。

「もう死んでるのにもう一回斬ろうとしてて……八割そこらで確信持った、かなぁ」

ラントにも来たし、と思い出してるとソフィに服を引かれた。

「…行かないの?」
「スンマセン行きます」

ソフィのセリフでみんな一斉に動く。相変わらずこのパーティにソフィに勝てるやつはいない。


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