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アンドロイドの街
やっぱりここもか。

「パスカルの言った通り、ここは街だったようだな。しかし……」
「ここもひどい荒れようね。こんな所で、今も人が暮らしているのかしら?」
「フォドラへ来てからというもの、こんな光景ばかりですね……」

みんなのセリフを聞きながら、俺は密かに溜め息を吐く。…探すのは病院じゃなくて「修理場」なんだろうな…やだなぁ。

───探さなきゃソフィ死ぬぜ
───「壊れる」のが正しいんだろうけど

「やめてイカロス。わかってる」

造られたものに感情を乗せようって方が間違ってるのかもしれない、けど。
アイギスとあや先輩、クマも。
元々心のない、なかった(アイギスには載せられてたらしいけど)人たち。

「人間がどうとかじゃなくて、俺はソフィが大好きで大事だから」

そしてソフィを大事にするみんなが好きだ。

「…ちょっと、あそこに誰か倒れてるよ!」

パスカルの声にばっと振り返って、指さす方に走った。きっとこの崩壊具合ならどうせ死体だとか、イカロスに言われるまでもないことが頭の中を回る。

(でももしかして、)

ソフィにはイカロスの治癒術がちゃんと効いた。もしかしてってこともある。

「ソフィ!?」

駆け寄ったアスベルが声を上げた。……似てる、服装とか、このお人形さんみたいな雰囲気が。

「ソフィとは違いますが、服装は確かに似ていますね……」

女の子の形をしたそれは、パスカルが手を置いただけで簡単に光の欠片になって消えた。
それが思いきり薄く明滅するソフィに重なって泣きたくなった。

「なんだ?何をした!」
「ちょっと触っただけだよ。そしたら……消えちゃった」

二人の声が遠い。しまった息できない、これまさか、過呼吸…?

───ゆきみち、あっち!

「あっ、人がいた!」

イカロスに促され、パスカルの声に背中押されて振り返ると、人影が瓦礫の影に消えるのがちらっと見えた。

「おい、待ってくれ!おい!」
「……ようやく生きた人間に出会えたな」
「急いで後を追いましょう。なんとしても話を聞かなければ」
「……当然!」

結局溢れたらしい涙を拭って立ち上がる。やることあるうちは悩まないわけね…自己嫌悪に浸る暇もないから後にするけどさ!


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あきゅろす。
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