出発!
結局魔物は、バリーさん以下ラントの民兵さんたちが引き受けてくれた。
数はどんどん増えていく。曲がり角でちらっと見た時点でプラス三。…バリーさんたち、てきとーなとこで逃げてくれるといいんだけど。
シャトルに入って席につき、そう思っていたら暗い顔を読み取られたらしい。
「…今は、彼らの好意に甘えよう」
「教官…」
「大丈夫よ、きっと。そう信じましょう?」
シェリアまで。やっべ俺超心配かけてる。ダメだダメだネガティブ禁止!
「…だいじょーぶ。ほら座っとかないとこけるぜ?」
ほらほら、とシェリアを座らせて、自分は教官の隣に納まる。
うー…結局宇宙空間まで出るに等しいんだもんな、加速Gが怖ぇな…。
洞窟の壁が開いた。青い空青い海、空へ沿ったレール。
現実逃避気味に綺麗だな、と思ってたらがくんと加速した。いや苦しいって…!
最前列のシェリアとアスベルが何か見つけたらしい。
「大変…!」
「待て!あれはなんだ!?」
いや見えねぇんだけど俺。あれってどれだよ…あ、
「お姉ちゃん!?」
できれば当たってほしくなかった!なんでいるんですかフーリエさん!
研究所にいたキメラを引き連れたフーリエさんは、なんかいたらしい魔物とやりあい始めた。いやあの数多すぎ…!てきとーなとこで逃げてねー!
「お姉ちゃん……まさかこんな時に助けに来てくれるなんて……」
どんな王子様だって話だ。かっけぇフーリエさん…。
研究所、籠もってたのってこのため?フォドラ行き妨害されるの見越して、対抗手段、もしくは少なくとも時間稼ぎのためにキメラ作って?
…倫理的にはちょっとアレなんだけど、さ。パスカルキライじゃないんだよねフーリエさん。
シャトルのギリギリを光が過ぎてった。ビーム砲…無事に撃たさったらしいな。
シャトルは穿たれた穴に飛び込んだ。
ちゃんと帰って来ような、呟いたけど、音量調節間違って、イカロスに「馬鹿言うな」と言われただけだった。
とりあえず一言いいだろうか。
「ゲームロゴの由来あれかよ…!」
遅ぇよ出てくるの!
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