お約束
どうにか施設を復帰させて、外に出ると見覚えのある羽付きが来た。
「やだもうこいつキライー!」
それでなくても体力多すぎなのにいきなり魔法の効き悪くなるし、万能すら効かなくて回復に回ろうとしたら突然効くようになるし、どっちかにしろってんだ。
「あの魔物……とうとうこんなところにまで追ってきたというのですか」
「やばいな……どんどん範囲広くなってきてる」
このまんまじゃ原素うんぬんの前に魔物に全滅させられるぜ。くっそー…そんなに世界キライかリチャードの中にいるやつ。
「状況が刻一刻と切迫している事は間違いなさそうだ。急いで海辺の洞窟へ戻るべきだろう」
教官のセリフに頷いて、みんなで国境へ向かった。
「パスカル姉様!」
洞窟でポアソンが待っていた。
「パスカル姉様、うちにもお手伝いをさせてもらえませんか?」
長に言われてきたというポアソンにシャトルの制御を任せることになった。パスカルがちょっと落ち込んでたのは、やっぱ姉貴に会いたかったからだろうな。ちゃんと話できるといいんだけど。
「それじゃ、さっそく手伝ってもらおうかな!」
「はいです!」
んー、いいなぁゆるめのなまり。可愛い。
とか思ってたらヒューバートにまた引かれた。だからロリコンじゃねぇったら!
「さ〜て、それじゃさっそく始めよっか!」
そう言ってパスカルはポアソンと作業を始めた。うあー俺ら暇ー…シェリアがどっか行ったけどアスベルが行ったし、イカロスもこっそりついてったっぽいからいいや。
「にしても暇ね。ヒュー、射撃練習付き合う気ない?」
「仕方ありませんね。一度出ましょう」
「あんがと。教官ちょっとソフィお願いします」
「ああ。気をつけろ、例の魔物が出るかもしれん」
「了解っス」
んで適当に空き缶とか的にしてやってたんだけど、……ヒューバートめっちゃ厳しい。キツい。
戻ってくると丁度終わったところだった。
「んじゃもう出発?」
「本格始動はこれからだけどね。ポアソン!」
「はいです。引き続き、発射までのカウントダウンを始めます。二百、百九十九…」
二百からって半端じゃないか?
「さて、フォドラへ向かって出発しますか。みんな、乗って乗って」
階段を降りるとシャトルに入り口ができていた。
で、お約束のアレ。
「あの音は……!」
「ラントを襲ったのと同じ魔物がここにもやって来たのかもしれませんね」
邪魔されるわけにゃいかねーな。
「しゃーない、シャトルいじられる前に帰ってもらうか」
「よし、すぐに片付けて、また戻って来よう!」
ポアソンにソフィを任せて洞窟の外へ。こーゆー飛行機器系にゃお約束の展開だよね…!
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