シリアス一直線
ラント兄弟の心暖まるやりとりは時間がないので割愛し(今度このネタでいじる。ヒューバートだけ)。
「なんだよこの数…!」
弾き飛ばされたアスベルにディアラマを降らせて愚痴る。バリーさんはちょっと呆然とした後、近くに倒れてた人に肩を貸していた。うんうんちゃんと人の話聞いてくれる人は好きだよ。
「囲まれたか?」
「らしいっスね…!」
一応ソフィとシェリアを背にしてたつもりだったのに、いつの間にか引き離されてたらしい。教官とヒューバート、それにパスカルと背中合わせ。ていうかなんでこんな前に出てんだよパスカル!ちょっと後衛!
「イカロス!大技いけるか!」
『この状況で一秒で集中できたら拍手してやるよ!』
上空にいるせいで狙い打ちのイカロスが、黒い鳥(真ん中に人っぽいのがいるからもしかしたら堕天使がモチーフなのかもしれない)を避けている。これだけ言うと余裕っぽいけど、そう思った人は周りを五、六人に囲まれた状態で時間差でバスケットボール投げられるといい。避け続けられたら奇跡。
「守る!」
…ソフィ?
声がして、振り返ったら視界が真っ白になった。
後のことは任せろ、と胸を張るバリーさんにほんとに丸投げして、俺らは領主館に向かった。
「……魔物が……来るよ……みんな、逃げて……」
アスベルの部屋に寝かされたソフィは、さっきの襲撃の夢を見ているらしかった。
───助かってよかったな、ソフィと引き換えに
「ソフィ死んでないし。ていうか外野に聞こえるように言わないとシェリアに次の戦闘で誤爆されるぞ」
故意に、と言うとイカロスは黙った。…俺こんなこと考えてんのか。やだなぁ…自分キライになりそう。
フレデリックさんに呼ばれたアスベルとヒューバートは、ソフィを頼む、と言って部屋を出た。
教官が溜め息を吐いた。
「…無理をさせてしまったな。オレたちの力が足りなかったばかりに…」
「俺らが無理する前にしちゃうから止める間もねぇんだよな」
アスベルといいソフィといい、最近はソフィのが比重大きいか。六人分の無理背負って…耐えられるわけないのに。
「…早く元気にならないかな」
そのためにはフォドラに行くのが必須なのはわかってるけど、俺はうなされるソフィを見ながらそう言った。
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