[携帯モード] [URL送信]
シェリアに怒られる第二段
「ゆきみち」
「…ハイ」

なぜかシェリアに迫られています。
他のみんなは離れたところで食事の準備。いや待って待って助けよう!?なんかシェリア怖いんだけど!

───がんばれ

「なんでお前まで他人事なんだよ…!」
「それよ」

イカロスって俺の影じゃん、と主張しようとしたらシェリアに指先突きつけられた。どれでしょう。

「最近ゆきみち、イカロスと喋ってばかりじゃない」
「…そーかなー…」
「そうよ。一番後ろでなにかぶつぶつ言ってるし、料理のときも上の空だし、話しかけたら反応が遅いし」

あー…前にもシェリアに怒られたよな。俺まで子供扱いですかおかあさま。

「あなたにとってイカロスが特別なのは分かってるわ。でも私たちだって、あなたの仲間なの。ゆきみちが大切なのよ」
「…えーとごめん、この話どこにどう繋がるの」

わかんなくて頬を掻いたら軽く睨まれた。

「…私たちにも言ってよ」
「何を」
「悩んでいるんでしょう?…最近のゆきみち、一人で暗い顔をしてるんだもの」

シェリアの顔には「心配してます」って書いてあって、俺は正直ちょっと驚いた。…イカロスと話して、言いたいこと言って、自分で消化できてるつもりだったのに。

───俺とお前じゃ自問自答だろ
───つーか、何回も同じことで悩んでる時点で、消化できてねぇんだよ

「イカロス…」
「イカロスも。あなたも仲間でしょ?一人だけ閉じこもってないで、みんなの前に出なさい」

…外出たくなくてぐずる子供家から追ん出す口調だ。
ははは、と笑ってると、背中に何か当たる感触がした。
背中合わせのまま、シェリアの方は見ずにイカロスは言った。

『…あんま出てると負担ゆきみちに行くから。大した時間いらんねぇぞ』
「いいわよ、それで。顔を見て話すのが一番いいもの」

シェリアがとびきりの笑顔を置いてみんなの方へ行った。

「…怒られちった」
『一人っ子は相談事苦手だっけ?』
「それ関係ないと思う…」

言い合いながらシェリアの後を追う。
明るい真昼の光の下で見るイカロスの金の瞳は、テレビの中で見るより優しい色に見えた。


[←][→]

5/11ページ


あきゅろす。
無料HPエムペ!