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ヒューバートがすごいのは共通認識
無事ストラタに着きました。兵隊に囲まれたときはちょい焦ったけど、ヒューバートがいるってわかるなりあっさり通過。

「今更だけどヒューって有名人なんだな」
「さんざん『最年少佐官』だと騒いでいたのは誰ですか」
「いやー…顔パスとは思わなくて」

ヒューバート特に名乗ってないのに下がってくれたしね警備兵。下の方にも名前知られてんのかな。

「じゃあもっと有名になるな」
「何か言いましたか?」
「なんでもねーよー」

きっと部下に優しくなるから下の評判はよくなる。自分が好きなやつが他人にも好かれるってのはいい気分だね!

「じゃ、一路セイブル・イゾレへ!」

大統領もいるらしいからね。フットワークの軽い最高責任者だよまったく。警護する方は大変だろうなー……なんか同情してたら俺まで胃が痛くなった気がする。






大総統の親書を渡した。さーどこまでアンマルチア族の話が入ってるのか。…さすがに大総統バカにしすぎか?
でも印象的にはあんま有能そうではない感じなんだよな大総統。直接会ったときに大輝石暴走させてポアソンにやりこめられてってのを見てるからなんだろうけど。それなりに有能ではないとやってけないはずだし、冷静になったらちゃんと考えてくれたのかな。

「って、何泣いてんのパスカル」
「なんでもないよぅ…」

や、大泣きしててそのセリフはないだろう。
教官がにやつきながら言った。

「ソフィに褒められて嬉しかったんだそうだ」
「へー」
「教官うるさいー…」

にやつきながら地下へ。普段避けられてるから余計なんだろうな。それにしてもついて来ちゃうか大統領。いやいいんだけどさ、ほんと護衛泣かせだよねこの人。
…なんかあったら俺らのせいなんだろうか。えっ責任重大?怖っ。






わかったことまとめるとこうなる。

・この世界は「空の海」という膜で覆われている
・フォドラへ行くには「シャトル」が必要
・シャトルで空の海を越えるには、熱線でシャトルの通り道を作る必要がある

「ほんっとに強引だな」
「でも、他に方法はなさそうだしね」

これに賭けるっきゃないわけか。行き当たりばったりっぽいなー。アンマルチア族のご先祖さまってそんなにフォドラに行きたかったのか?
つーか「空を海に覆われた世界」をここまで引っ張るとは思わなかったぞ俺。やっと話見えた…これで更にラスボス別にいたら拍手だな。

「そうなると、シャトルが動くかどうか確認しないとね。次に向かうのはそこかなー」
「シャトルはどこにあるんだ?」
「アスベルたちの故郷のすぐ近くだよ。ラントの北にある海辺の洞窟に入り口があるらしいよ」
「よっしゃラントお待ちかね!」

やっと里帰りかよ!長ぇよ!あー三日くらいゆっくりしたい…無理だけど。

「あそこか…」
「アスは知ってるん?」
「ああ。フェンデル軍が攻めて来たとき、奇襲をかけようとして使った洞窟だ」

場所がわかってるならよし。じゃ、行きますかね。

「ていうかさ」
「ん?」
「ソフィってどうやってこっち来たんだろうな」

流石に身一つではない、と思いたい。ちゃんと肺呼吸してるし。
どっかにソフィの使ったシャトル転がってないかなぁ。それ使ったら絶対フォドラ行けると思うんだけど。

「流石に千年も経ってると難しいんじゃないかなぁ。フォドラの技術がどの程度にしろ、どうしても劣化はするだろうし」
「だよなー」

流石にそんなうまい話ない、か…ほんとにシャトル使ったかどうかもわかんないしな。
でもあとどうやったんだろう。自由落下…はないにしろ、ワープ装置とか?ないか。






…リチャードって本気Sだよね。

「大統領閣下!オル・レイユ港から伝令です!孤島の調査に向かっていた船団が敵の攻撃を受けているとのことです」
「敵だと?今フェンデルが動くはずがない。まさかウィンドルか?」

だったら仮トップだいぶバカだな。国王陛下失踪で士気だだ下がりなのに戦争仕掛けて勝てるわけないのに。

「いえ、そうではありません。孤島から出現した魔物の集団とのことです」

───本気で世界中敵に回すつもりかあいつ

呟くイカロスに、俺は黙って唇を噛んだ。…ラムダ、何がしたい。


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