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最初から気付いてた俺すげぇ
「ていうかみんな気付けし」
「気付かないだろ、普通」
「普通は確率の低い部類に入りますよ」

おかげさまでソフィ人間じゃない説は公認となりました嬉しくねぇ。ついでに方向性も確定。
フォドラへ。

「…ついでにアレ王子からひっぺがす方法見つかるといいんだけどな」

───んなうまくいったら警察いらねぇよ

「この世界に警察ねぇよ…」

溜め息は白く解けて消えた。
フェンデル政府には長のばさまが話つけて(多分脅して…)くれたらしく、アンマルチア族の記録求めてセイブル・イゾレへ。直で行けるなら最初からそうしてほしかったなー…なんてー…。

「…ソフィ!」
「は!?」

慌てて振り向くと、アスベルに抱えられたソフィが相変わらず点滅していた。ちょ、寝てろってお前!

「宿で寝ていなくちゃ駄目でしょう?」
「みなさんのところへ連れて行けと言って聞かなくて…」

ポアソンが困ったようにこっちを伺う。いやだからってさぁ。

「わたしも……いく……みんな、わたしのことなのに……なのに……寝てなんていられない……」
「いやそんなふらふらで出歩かれても逆に心配なんだけど」

言ったらシェリアに睨まれた。えええだってそうじゃん!

「それに……寝ていても、良く……ならないんでしょう……」

……聞かれてたー。
そこ突かれると全員、痛い。んでもって全員ソフィに甘い。

「お願い……そばにいさせて」

そう言われて突っぱねられる人間は、この場にいなかった。






そうして海の上、まだ灰色の空の下。

「フェンデルとストラタを船で行き来する時が来るとは思わなかったな」

しみじみと呟く教官の横、in甲板。

「カーツさんが聞いたら腰抜かすのと違うっスか?」

冗談混じりに投げると、あっさり「そうだな」と返ってきた。うん大丈夫そう。ちゃんと消化できてるみたいだな。

「地獄での土産話できてよかったっスね」
「おいおい、オレが地獄に行くのは決定なのか?」
「天国行けるなんてひとっカケラも思ってないくせにー」
「違いない」

笑ってるけど教官、笑い事じゃねぇっス。
と、たまたま後ろを向いたときにヒューバートを見つけた。

「おーす。なんか用?散歩?」
「そんなものですね。このまま行けば、予定通りオル・レイユ港に着くそうです」

ヒューバートも隣に来る。ふふ、フェンデル来たときとはえらい違いだよね。ヒューバートちゃんと笑うようになったし。

「フェンデルの船が来たとなれば、港は大騒ぎになるだろうな」
「そのときはぼくがなんとかします」
「ヒューかっくいー!よっ最年少佐官!」

ヒューバートを褒め称えてから、そろそろソフィに中に戻ってもらおうとそっちの方に近付いた。

───いつ言う気?

「どーしよっかなー…王子に説明し直すのもめんどくさいし」

───このまま言わないってのもアリか

「かもな。ちゃんと説明できる自信ないし」

俺は違う世界から来ました、なんて、普通信じねぇよ。今の状況も十分普通じゃねぇけどな。


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あきゅろす。
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