寄り道しつつ
「ねぇ、やっぱりアンマルチア族の里へ行かない?ちょうどその方角に出てきたし」
というわけで再び雪道。
「ところでパスカル、そろそろヒューバートを放してやれ」
「ああごめんごめん、歩きにくかった?」
途中ソフィが大根に隠れたりしたのはなんだったんだろう。多分パスカルのせいだけど。
「つかまだ?けっこー歩いた気ぃするけど」
「まだだよー。ほら頑張ってー…って、あれ?」
パスカルがきょろきょろ辺りを見回した。
「弟くんは?」
「…ヒューバート?」
あれ、いない。ソフィといいシェリアといい割に目立つ色してんのに。
「…えええこんなとこで迷子フラグ?いやフラグどころじゃねぇな…すんません教官、俺パスカルとヒュー探してきますんでここで待っててください」
「ヒューバートを探すなら俺も行くよ」
アスベルが言ったけど、ごめん却下。
「だーめ、二次遭難にでもなったらどーすんだよ。だから雪山慣れてるパスカル連れて行くんだし、俺ならイカロス呼べば飛んで帰って来られるしさ」
イカロスの定員、ってか抱えられるのは二人までなんだけどね。まぁヒューバート見つけたら俺だけ歩けばよし。
「ヒューバートー!どこだー!」
「弟くーん!」
そうしてパスカルと二人、道を戻ることしばし。
「…あ、パスカルさん!ゆきみち!」
走ってくるヒューバートを見つけた。
「よかったー…走れるなら怪我とかはしてないな」
「弟くん走っちゃだめだよ!」
パスカルが叫んだ直後、
「うわ…っ!?」
ヒューバートが埋まった。
「…おおいツンデレ眼鏡にドジっ子ってそれどんなギャルゲー」
男だけどな。
「大丈夫?走ったら危ないよって言おうと思ったのに」
「…だったら早く言ってほしいですね」
恨みがましく見るのはいいが、八割は自分のせいだからなヒューバート。ついでに雪の塊頭に乗っけて睨まれても怖さ激減。
「そ、それより皆さんは!?はぐれた皆は無事なんですか!?」
「はぐれたって…それはこっちの台詞だよ、弟くん」
「お前迷子の自覚ないの?実は方向音痴?同行者いんのに迷うとかどんだけだよ…」
ヒューバートは一瞬ぽかんとして、真っ赤になって反論してきた。
「な、何を言ってるんですか!ぼくはまっすぐ進んでいましたよ!」
「うん。まっすぐ別の方向にすすんでたね」
「意味ねー。」
しばらくヒューバートは凹んでいた。…このネタでしばらく遊べると思ったんだけどやめた方いいかな。
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