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青色消失
「ウィンドルの大輝石が風で緑なら、ストラタのは白?青?」
「それは素晴らしい青色の大輝石だって話だよ。楽しみだねー」
「うん!」
「こら二人とも、観光に行くんじゃないんだからな」

パスカルと揃えてはーい、と返事をした。

「あっさり許可くれてよかったな」
「逆に言えば、それだけ猶予がない、ということかもしれん」
「砂漠の国ですものね…大輝石がなければ、飲み水にも困ることになるわ」

オアシス都市にも限界はあるしな。ヒューバートの件抜きにしても、とっととどうにかした方がいい、か。

「…っと、ここ?」
「らしいな」

砂に埋もれて崩れかかった遺跡は、どこか現実味に乏しかった。

「あー…こーゆーとこ見てるとセンチメンタルになる」

みんなそのうちこうなるんだよなー…って思考回路暗い暗いっ、も少し明るいこと考えろよ、明るい…。

「むしろなんか燃えてる!?」
「エレメンタルだ!離れろ!」

というわけでめでたく二軍です。火炎効かないやつ多すぎ…砂漠だからある程度覚悟はしてたけど…!






「…パスカル」
「なにー?」
「頼むからもう少し慎重に直して」

こっちが不安になるようなてきとーな直し方しないで。
パスカルはがくがく頷いた。しまった目が据わってたか。
そんなわけでお仕事終了!大輝石眺めてから帰ろうと思ってちょっと下がってみた。ら、

「敵襲ー!」
「…何だろうこの嫌な予感」

嫌々振り返る。と、

「またお前か王子!ほいほい城空けるなよ王様が!」

夢に出てきそうな鳥(?)に乗ってリチャードが来た。来なくていい…しかもなんか明らか禍々しい…。
足立さんみたいだ。やな予感しかしない。

「リチャード…なぜここに?」

アスベルの声にも無反応。こりゃ重症だ。俺の判断基準もだいぶアレだけど。

「おい!返事をしてくれ!」

…それどころかぶっ放しやがった!めっちゃアスベル狙いじゃねぇかよ!
つかあのビームみたいの…なんか、オーラと色が合ってないような、

「来るぞ!」

ああ、もう…一回殴るくらいじゃ勘弁してやんねぇぜ!






「…王子」

どうしよう。
肯定する要素がどんどん多くなる。

「貴様の顔を見ると……虫酸が……走る……」

リチャードがソフィを見ている。
主語はほんとに「リチャード」か?

「貴様がいる限り……安息の時が訪れることはない。……いずれ決着をつけてやる。覚悟しておけ」

ソフィがうずくまるのが視界の端に映った。
…リチャードの自我がもうないなんて、そんな、

「違う、そんなことない…!」

どっか隅っこでうずくまって震えてるだけだろ、そうだろ?
探しに行くから、見つけるから、

「…王子」

どうか居場所がわかるよう、声を上げて。


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