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「ソフィ」帰還
「肉親の情などあてにならない。僕と叔父がいい例だ」
「そーゆーむかつくこと言わないでくれない?お前んち関連の悪口言いたくないんだけど俺」

肉親っつかアスベル個人にヒューバートが勝てるとは思えないんだよな。うん絶対無理。ヒューバートがああなるってことはアスベル並みの天然は周りにいなかったんだろうし?対処に困るがいい。
シェリアとパスカルがソフィを連れて街の方に走った。回復使えるもんな、救助活動には最適。…俺行った方よかったかな。まぁ教官も行っちゃったしこっちいるか。
後から出て来たアスベルが剣に手をかけるのを見て、王子が顔を歪めた。

「お前も…僕を裏切るのか…!」
「イエスマン欲しいなら他当たれ!友達ってのはそうじゃないだろ!」

花村とリーダーなんか殴り合いしたらしいしな。いやぁあの二人も謎だわ。
飲まれるな。ソレが何かは知らないけど、抱えるなら一緒がいい。
今言っても届かない気がしたから、ホルスターから召喚器を出した。






リチャードが帰った後で、ソフィの記憶が戻った。
やー…ソフィすごいわー…俺ぶっちゃけ兄弟と呆然としてるだけだったし。
にしても。
やっぱなんか憑かれたとかなのかな。やたら真っ黒だったし。しかも向こうソフィのこと知ってるっぽい?
リチャード本人があーゆー性格じゃないってことを喜ぶべきかね。自我どんくらい残ってんのかな…。

「まぁとりあえず、ここは空気読んで帰りますわー」

フェンデル国境の偵察の帰り、アスベルとソフィを二人っきりにしようって大人二人の思惑に乗ってのんびり街道を歩いた。
…そーいやソフィも「思い出したくない」みたいなこと言ってたな。何なのかな…。

「何を考えている?」
「んー…いろいろ?」

空を見上げて溜め息を吐いた。あーいー天気…雲白いなー。あれ、あそこの雲上のやつと形そっくり。なんか鏡写しみたいな、

(え、)

どくん。

「ゆきみち?どしたのー?」

パスカルに聞かれて我に返った。

「…な、んでもない。早く戻ろ」

どうしよう。ここでアレって当たり前なのかな。それとも異変?どっち?
泣きたくなった。そういえばやっぱり俺はみんなにほんとのことを話してない。
俺がこの世界の人間じゃないって、こと。

(空を海に覆われた世界、ね)

そーいや書いてあったわ公式に、今更思い出して溜め息を吐いた。

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