希望も絶望も、いつか終わること
人間の善悪がどうとかこうとか、聞きあきたけど結論出てないのよ俺。ただいま模索中であります。だってその闇は、暗い方の人間の本能は、俺にだってあるものだ。
今は無理でもいつか、この人の暗い部分に反論してみせる。
材料はあるんだ、命がけでラムダを守ったコーネルさん、その行為の結晶は、今ここにラムダがいることなんだし。
『争いごと結構! 俺は戦うための力だし、お前の大キライな他人を害するモノの塊だ。人を滅ぼしたいなら、手始めに俺を殺してみるか?』
まだ具現化しないイカロスが嗤う。安い挑発だなーっつーか、それ俺が死ぬってことなんですけど。
「……視線が痛いですみなみなサマ」
そういえばシカトしてたアスベルたちの無言の圧力が重い。うんごめんなさいイラついてつい。
「何を始めるのかと思えば……」
「途中で反論に困るなら最初から議論を持ちかけるな」
ぎゃあばれてた!
「一人だけで判断して先走らないでって言ったでしょう?」
「早とちりは失敗のもとだよー」
なんか違う、ていうかパスカルに言われると激しく釈然としない!
「一緒に頑張ろうって言った」
「ゆきみちだけで戦うんじゃない、みんなが一緒だから頑張れる。そうだろう?」
アスベルが笑う。みんなも笑う。
ぎゅうっと拳を固めた。うっかり変なこと言わないように。
「行くぞ、みんな。───これで本当に、最後だ!」
この夢が終わらなければいい。
世界には絶対叶わない夢もあるってことを、久々に思い出した。
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