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決戦前です
「あれっぽい?」

───そうっぽい

「じゃ行くか。俺ら先行くなー」

イカロスを呼んで抱えてもらう。地味に飛べるんだよ!ペルソナなんてみんな飛んでるよーなもんだけどな!

「あ、こらっ」
「早く追い付いてこいよー」

ひらひらっと手を振って、目指すは中心部。ちょっと広いとこ。

「ここってあの島の真ん中の?」

───だろうな、道の舗装に見覚えある

床に下ろしてもらって、イカロスはいっぺん消えた。実際俺のペルソナの発動時間は異常らしいんだよな。そもそもペルソナの状態で口がきけるのは、影と対面してる稲葉のメンバーでも俺だけらしいし。

「まぁこの話は後にするとして。……やっほう王子、それどんな魔王コス?」

角付き羽付き銀髪おまけに眼球真っ黒、のリチャードが振り向いた。てかリチャードだよな?

「…何故ここへ来た」

あっよかった声がリチャードだ。

「何故も何も。要求いち、いっかげん王子の体返せ。要求に、大輝石の原素返せ困るから。要求さん、お前なんで星の核と融合したいの?の解答要求。
とりあえず俺らからはこんなもんだからお互いの意見出し合って需要供給の擦り合わせしようか?」

って提案しに来たんだけど。
にこっと笑ってみたらリチャード(いやほぼラムダかな)が片手を上げた。
生まれたエネルギーボールっぽいものを投げて寄越されたのでバックステップで避ける。

「ふっ。花村となおに次ぐ回避の早さを馬鹿にしてはいけないんだぜ」
「ここまで来られたことは褒めてやろう。だが……我の邪魔はさせん」
「会話噛み合ってないんだけど。もうちょっと他人と意思の疎通を測ろうとか思えお前」

たんたんっ、床を蹴ってボールを避ける。うわほっぺた掠めてったあっぶね!

「じきに我はこの星と一つになる。全ての命を星に還す……悲しみはなく、苦しみはなく、絶望することも孤独を憂うこともない……」

手の動作ナシで攻撃を続けながら、リチャード(ラムダ)はどこかうっとりと言った。

「いらねぇよそんなもん」

ついこの間、俺/たちはその誘いの手を蹴り飛ばしたばかりだ。

「だいたいソレお前どうなんの?星にある命を全部、それってお前は?王子は?一人きりもしくは二人きり、どっちにしろキツいぞ」

寂しいのは知ってる。俺は寂しい自分に半分酔ってたけど、寂しかったのは本当。

「これから消える貴様に……そんなことは関係ない!」

どんっ、とひときわでかいのを叩きつけられて吹っ飛んだ。直撃してないのにコレかよ。
どうにか着地した背後でアスベルたちの足音が聞こえた。

「ゆきみち!無事か!」
「おっせぇよアス!
………関係あるね!ダチだっつったろ!」

聞く耳持たねぇ感ばりばりだな……結局戦うしかないのかな。

「熱血系はアスに一任してんだけどなー」
「ずいぶん余裕ですね」
「話聞いてくれそう?」

俺を追い抜かして前に出たヒューバートがすれ違い様に言った。パスカルとシェリアが、それぞれ俺の隣と後ろで身構える。

「無理っぽいかな。まぁ口で言って聞かないなら、拳で語るしかないってコトで」

俺遠距離スキルしか使えないけどな。


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