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最深部手前です
「…いる」

ひときわ大きな塊の前。
ソフィが小さな肩を怒らせた。

「この先……すごく近くに、ラムダがいる」
「いよいよってことか」

俺はくるりと召喚器を回した。

「兄さん、準備はできていますか?敵はもう目の前です」

ヒューバートに問われてアスベルが強く頷く。

「陛下をお助けするぞ」
「はい!」

教官のセリフにまた頷いたアスベルに、ソフィがととっと近寄った。

「待ってアスベル……あのね、その……」

あ、しまった結局ラムダの倒し方聞き出してねぇ。まずった。うわこれもしやソフィ自爆フラグか。

「わたし……絶対にリチャードを助けるからね!」
「あ、ああ。頼んだぞ、ソフィ」

どうするどうするどうしよう。イカロスなんかいい案ないか!?

「シェリア、パスカル……わたしの使命に付き合ってくれて、ありがと」
「ありゃ、そんなしおらしいこと言うなんて……ひさびさに触らせて〜」

いやなんでソフィに抱きついてるのかなパスカル。つーか嫌がれよソフィも。さんざ抱きついてる俺の言えたセリフじゃねぇか。

「パスカル……あなたまだソフィを触りたかったの?」

シェリアが呆れたように言っても、ソフィがパスカルを押し退ける様子はない。どうしようこれ本格的にやばいぞ…。

「パスカル。私、頑張るからね」
「ひぇ?」
「シェリアも。必ず、ラムダを消し去るから」

突然話振られたシェリアは目をぱちくりさせてたけど、にっこりと笑って返した。

「そうね。みんなで力を合わせて、ラムダをやっつけましょう!」
「……うん!」

さ、エメロードさん…はソフィがいなくなっても特に支障ないだろうし対策立ててくれないよなー、つか「ラムダ根絶のための兵器なのだから当然でしょう」なんて言われた日にゃキレるぜ俺。

「イカロス、どうにかなんないか」

───今俺に振るのかよ
───ペルソナは便利屋じゃねぇっつの
───つかそれこそ風雅呼べし

「こっち来たのいつだと思ってんだよ、つかアンテナ立ってねぇだろ…」

ポーチからライオンのストラップのついた携帯を取り出す。スライド式のそれを動かすと、ぱっと画面が明るくなって「圏外」の字が出た。

「……え」
「ゆきみち、行くぞー」
「あ、わかった!」

いつの間にか置いていかれた俺は、ポーチの中に携帯を突っ込んで駆け足になった。
……こっちに来て、余裕で三ヶ月以上。
そもそもエネルギー源が違うし、都合よく充電器なんて持ってきてない。

なんで三ヶ月充電してないのに、普通に携帯の電源入るわけ。


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あきゅろす。
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