きみ発見レーダー2
次の日以降もそんな調子だったので家までつけることにした。
なんか俺変態みたいだな、つか俺何してんだろーね金曜日なんて明日から休みだぜいぇー☆とか言っててもおかしくないのに(頭はおかしいけど)何が悲しくて同級生のストーカー、しかも男。
「だったらやめれば?」
「うっはぁ聞いてた」
「何か用…ないならついてくんな」
きろり、濃い色のレンズ越しにこちらを睨んだ椋名は、ここ数日一貫して機嫌が悪い。まぁ多分俺のせいだけどね。知ってるよ、やめるわけにいかないけど。
にこり、営業用の笑顔を作る。ここ数日標準装備、うう疲れる。
「うんここ数日のアプローチ全部無駄にされてるから突撃訪問しようかと」
椋名はあっさり踵を返した。えええええシカト!? 流石にひどくね!?
「ちょ、椋名ったら!」
「…うちの親過保護だから。合格ライン越えないやつは学校でも話すなとか言われるし」
「越える自信あるけど」
人当たりはいいよ俺。にっこり笑った顔は一瞥もされなかった。
「俺が嫌。帰れ」
…ほんっと難攻不落だなこの野郎。
週末に図書館に行った。ら、
(いたし)
カウンターで本を受け取って、その後すぐ自動ドアを開けて外へ出てしまった。
(予約の本受け取るだけかよ)
追っかけるのはほぼ反射。どんな本読んでるかとか、ちょっと興味あるし。
椋名は外の公園の人のいないあたりにあるベンチに座った。…わぁ。
すごく楽しそうなのがなぜだかすごくむかつきます。
しかも俺が近付いてくるのわかった途端にしかめっ面って俺どんな認識なの。
「そして即どっか行くってどーなの」
「人の上着のフード引っ張るなっ!」
説明口調ありがとう閲覧者に親切な台詞だね! とか馬鹿なこと考えてるうちに緩く掴んでいた手が外されて逃げられかけた。
「待ーった」
「離せストーカー」
「一応自己弁護しとくけどここ来たの偶然だかんね?」
つかほんとに近所ね。後ろから羽交い締めにしながら言うと、白里はしばらく黙った後「離せ」と短く言った。
「へいへい」
腕を離すとすぐさま白里はある程度の距離を取った。サングラスの隙間からちらっと白里の目が見えた。
ん。
あれ。
今瞳の色、黒じゃなかったよう、な。
「──────っ!」
俺が怪訝な顔をしたのがうっかりばれたらしく、白里はばっと顔に手を当てて走り出した。
───アルビド、いや赤くはなかった。もっと硬質で鋭角的で、いやあんま覚えてないけど。
色素異常?
「アレが理由かー…」
常時サングラス。
ついでにうっかり傷つけたっぽいことを思い出して溜め息を吐いた。
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