復活BLDSS
4
一度溢れた言葉は全てを吐き出していた。
こんなこと、今さら伝えたって、どうなることでもない。
気持ち悪がられて終わりだ。
「ねぇ、なんで過去形なの?」
「ぇ? だって…僕は男の子だから…。こんな気持ち…間違ってます」
「それを決めるのは僕だ。悪いけど、あんな告白を聞いておきながら、僕が簡単に諦めると思ってるの?」
じりじりと壁に追い詰められながら、近くなる雲雀との距離に胸を高鳴らせる。
諦めなければ、と思っていたのに、改めて好きなのだ、と想い知らされた。
心はどこまでも正直だ。
「あの…ヒバリ、さん?」
「もう離さないから。君は僕のものでいればいいんだ」
それはまるで告白のようで、名前は胸がドキドキするのを感じていた。
こんなのダメだ、と頭ではわかっていても、未だに雲雀を諦めきれないのだ。
「だけど…ヒバリさんには…彼女が居るじゃないですか!」
そう、この間見た女性。
二人きりの応接室でキスをしていたのだから、彼女は間違いなく雲雀の恋人だろう。
嫌でも察しはつく。
「彼女? なんのこと?」
「とぼけなくてもいいですよ。僕、見たんですから。ヒバリさんがここで女の子とキスしてるの」
「キス?…あぁ、あれか」
ほんとは少し期待していた。
自分の見間違いなのだ、と。
だけど、雲雀の口から出た言葉は否定ではなく、キスの事実を肯定するもの。
自分から切り出した話題なのに、酷く胸が締め付けられる。
[*前へ][次へ#]
[戻る]
[小説ナビ|小説大賞]
無料HPエムペ!