庭球BLSS
1
部活時間はとっくに過ぎ、校内に残る生徒も減っていた。
テニス部もつい先ほど部活を終えたばかり。
各々が帰っていく中、一年の越前リョーマはまだ部室の中。
リョーマ本人としては、早く帰ってゲームをしたいと思っていた。
だが、今日は帰れない日。
理由は青学テニス部部長であり、リョーマの恋人でもある手塚国光にある。
彼からの「越前は居残りだ」の一言。
これは二人だけの合図なのだ。
手塚からそう言われた日、リョーマは必ず部室に残っていた。
そのまま手塚の家かリョーマの家に向かうのが決まりのコース。
今日もどちらかの家に泊まるのだろう、と思っていた。
「越前」
「ぁ、部長」
まだグラウンドに居た手塚を待つために読んでいた漫画を閉じ、鞄の中に仕舞い込む。
まだジャージ姿の手塚が着替えるのを待つため、リョーマもその間に帰り支度を始めた。
「越前、こっちへ来い」
「え?…ぁ、はい」
なんだろう、と思いながら、手塚の方へと歩みを進める。
互いの距離が縮こまった時、ふいに手を引かれ、リョーマは前のめりに倒れ込んだ。
「ぅわっ」
衝撃に眼を瞑れば、体を包む暖かい感触に気がついた。
自分が手塚に抱き締められている、とわかり、急に恥ずかしくなる。
「あの…部長?」
「今日はここでする。いいだろ?」
「え? それって…」
言葉の意味を理解した途端、頬が一気に熱を持った。
体をよじって離れようとするが、しっかりと抱き締められていてびくともしない。
ふいに手塚の手がリョーマの服に掛けられ、あっという間に剥ぎ取られた。
露になった胸の突起に手塚の指が触れる。
人差し指と親指で軽く摘まみ、クリクリとこねあげた。
「ン…っ」
まだ乳首を弄られただけなのに、リョーマの性器はズボンの中で反応を示している。
こんなところで行為に及んで、もしも誰かに見られたら、と思うと恥ずかしかったが、リョーマの体はこのあとを望んでいた。
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