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小説
紅に染まる時間

浮気攻×一途受(死ネタ)
雨宮 海斗 攻

白井 明 受







「好きだ」
あの時僕はすごく嬉しかった。中学の時から男女かまわずすごく人気があって皆の憧れのまとだった先輩。
頭のよかった先輩がこの高校に入ったから僕も必死になって勉強して入学した。見ているだけだった大好きな先輩が恋人になるなんてんて嬉しすぎてとても幸せ……そう…ずっと幸せが続くと思ってた僕が愚かだった。

だって今,前にいる幸せそうな顔した先輩の隣にいるのは僕じゃない知らない男の子。

「海斗先…ぱ……うっ!」
慌てて端にある電柱に手をついた。


まただ…最近ずっと吐いてばっかりで食べても意味なくなってきちゃったな…


明は歪んだ顔のまま自分を嘲るように笑った。
もとから細く肌の色が白かった明はだんだん青白く折れそうなくらい細くやつれて消えてしまいそうになっていた。そして明は海斗の恋人という肩書だけが唯一我慢する支えだった。


本当は我慢なんてせずに「海斗先輩!!その人誰ですか!?」って聞きたかったが聞けば自分が捨てられるんじゃないかと思ってずっと心にしまってきたつもりだ。


次の幸せそうな二人の会話が聞こえるまでは。












「家族に恋人の海斗はすごくカッコイイって話したらお母さんが会ってみたいとか言いだしたゃって,迷惑だよね?」

「別に俺はかまわないよ。今週の日曜空いてるし。」

「本当に!?やった!!でも…大丈夫かな…明君だっけ?まだ彼は海斗のこと好きなんじゃないの?」

「別に大丈夫だろ。あいつは俺に何も言えねぇから。だいたい今はお前が1番好きだからな。」











最後まで聞く勇気がなかった僕は全速力で家まで走った後トイレに駆け込み泣きながら吐き続けた。もう涙も枯れて出てこなくなっても,吐くものがなく胃液ばかりがでてきて喉が焼けそうに痛くても,意識が朦朧としてきても…












目を覚ました僕がいたのは病院の個室ベッドの上だった。
もう夜なのだろうか窓の外は真っ暗でこの病室も真っ暗で怖いくらい静かだ。











何故僕は生きているんだろう……あのまま死んでしまいたかったのに………




そう呟きながら左手に刺さっている点滴の針をそっと抜きその抜いた針を白く細い首筋にあてゆっくりと線を描いた。











紅い液体が真っ白なシ−ツに染み込んで広がっていく。
その光景をただぼんやりと眺めていた。













「あなたが僕のこと好きじゃなくてもずっと…ずっと………愛して…いま…す…」









そう呟きながら……















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