長文
海坊主
奇妙な旅の始まり
救済を求めんとす
大船に乗ったつもりで
誤解が誤解を呼び寄せる
色恋沙汰には目がない
明けない夜
押し流されなければ
願いばかりが募って癒えぬ
降り立つにはコツがいる
同情するなら命をくれ
泣き声は病み惚ける
散るは桜の様に似たり
人を疑うべからず
加害者になりたくて
幾度目かの変化を妨げる
嵐の前の静けさに過ぎぬ
その足は跳ね飛び立つ
気配が近づく
嘘と真実は紙一重
赤い赤い炎が灯る
やっとすれ違えた
逃れるために手に縋る
迫り来る真
不可解な形
語られる疚しさ
いつもいきなり
水面に虚弱する余裕もなく
特別なんかいらない
真新しい黒
愛しきと思ふ心在るが故に
奇妙な旅の終わり
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