◆Treasure
みらさまより、マルスとカイン
「王子さまとかしづく騎士」
みらさまから頂いたキリリク絵、主従です*
素敵。もうその一言に尽きます。
私の主従的理想の図*
みらさま、ありがとうございました!
以下、素敵イラストから生まれたぶち妄想。
お命じください、全身でそう語る騎士の強い意志を感じさせる瞳にあらがえず、心のどこかで行かせたくないという思いをマルスは飲み込んだ。
「…騎士カインに命じる」
努めて王子らしく、威厳のあると言われるような顔と声音を、カインに向ける。
目を閉じて、恭しく頭を下げて、瞳の色が見えなくなるからこの瞬間は好きでないのと同時に、真実自分だけに向けられる心を思うと心地よくもある。
それは他の誰にもない、主である自分だけの特権だ。
「謹んで、拝命致します」
上げられた顔で、光る瞳は赤く生気に満ちて輝いて、それを与えたのが、与えられるのがこの世に自分一人だけという事実に、目を細めた。
「うん」
つくづく貴族王族というのは面倒なもので、堅苦しい様式だとかが存在する。主従の間では特にそれが顕著だが、幸いにもアリティアは歴史の若い国で、普段のマルスの努力の甲斐もあって、一通りの形式を済ませてしまえば周りもとやかく言わなくなった。
あとはいつも通りで構わない。ふと表情を緩めて見つめると、同じように堅さを取り払った笑みが返る。
「…行ってらっしゃい、気を付けて」
「はい」
行ってきますと頷いた顔は、主君からの命を受けた使命感と寄せられる信頼への喜びに満ちていた。
信じている。
カインの力を。
傍に置きたいと思うのと同じだけの強さで。
「うん」
行ってらっしゃいと口の中でもう一度呟いて、マルスは自分だけの騎士に微笑んだ。
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