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カナヅチ
自殺行為


少しの沈黙のあと、やっちが口を開いた。


「その涼稀先輩とやらは、瑞葉のなんなんだ?か、彼氏なのか!?」


少し興奮してるやっちがあたしの肩を掴んだ。びっくりして一瞬震えた。


「ち、違うよ。部活の先輩」


「…なんで部活の先輩が勉強教えてんだよ」


なんだか拗ねたような声で聞いてくる。そんなにあたしが頭良くなるのが気に食わないのかな。


「別にいいでしょ。涼稀先輩の説明分かりやすいもん」


涼稀先輩ファンがこの言葉を聞いていたら、あたしは災難に合うと思った。涼稀先輩に勉強を教えてもらいたい人もたくさんいるんだろうと考えたら、今のこの行為は自殺行為なんじゃないか、とも思った。

でも決してあたしと涼稀先輩はやましい関係じゃないし、第一先輩だってあたしのことをそういう風には見ていない。


「とにかくやっち、今勉強中だからまたね」


そう。今は勉強に集中しないと。


「いや待て!

………俺も一緒に勉強する」



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