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カナヅチ
注目の的


次の日、昼休みに涼稀先輩があたしのクラスに来てくれた。


「瑞葉って子、このクラスだよね?」


先輩は茶色い髪に黒い日焼けした肌で、長身だし引き締まってるしそりゃもう格好いい先輩だったから注目の的だった。


そんな涼稀先輩に呼ばれたあたしもみんなに見られ、恥ずかしかった。


2人で人のいなさそうな所、調理室の近くの階段に来た。横に並んで腰を降ろす。


「昨日どうした?茜から聞いたけど、弱ってたんだって?」


聞かれると分かっていた予想通りの言葉を涼稀先輩の口から聞いた。


「まぁ…でももう大丈夫です。今日から部活頑張ります!」


あたしのやる気満々な答えに涼稀先輩は微笑んだ。


「…そっか。何かあったら言えよ。部長だから、みんなの体調も把握しないと!」


やっぱり先輩は水泳バカで、それだけ大好きなんだと知った。


あたしもそんな先輩に期待されてるんだから、頑張ろうって思える。


部員思いで優しい先輩のためにも早く泳げるようになりたかった。




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あきゅろす。
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