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盤越
再確認     京流

愛してます


____再確認__


「オラ、なに休んどんねん」

「ぐ…ぁッ」

鳩尾を、思いっきり蹴られた。
吹っ飛んで壁にぶち当たる俺の身体。
これで何回目だろう。
今日だけで、数え切れない程蹴られて、殴られてる。
京さんなんで今日こんなにキレてんの?
俺、気に触るようなことしてないよな?
うん、してない。
だって京さん仕事から帰ってきたときからこんなだもん。
俺、まだまともに話してないもん。
帰ってきてから、ずっと暴力振るわれて。
顔もガンガン殴られてる。
よかった、暫く撮影無くて。

「きょ、さ…も…やめっ…」

もうやめてください、って、許しを請うように手を伸ばした。

「いやや」

けど、直ぐに振り払われた。

「触んな」

まるで汚いもん見るような眼で見られて、またいっぱい殴られた。
京さん、痛いです。
俺Mじゃないんで、気持ちくないですよ。
殴られて勃起しちゃうような、変態じゃないから。
蹴られて射精しちゃうような、変態じゃないから。
もう、許してくださいよ。
俺、なんかしました?
それとも、なんかいやなことあったんですか?
だんだん意識が薄くなってくる。
蹴られるかな、休むな、って。
再び襲い掛かってくるであろう痛みに、少しだけ恐怖。
目ぇ瞑って身体丸めて、出来るだけ防御。
まあ、そんなことしたって、痛いもんは痛いんだけど。

「…………」

あ、れ?
くると思っていた痛みは一向に襲ってこなくて、不思議に思って顔を上げた、ら、目の前に、蹲った京さん。

「京、さん・・・?」

呼びかけても、返事は無い。
腕に手を掛けたら、振り払われた。

「どうしたんですか?」

今まで殴られていたことも忘れて、京さんに寄り添った。
暫くそのまま寄り添って、京さんが動くのを待った。
待ってる間に、京さんに付けられた傷がズキズキ痛んだ。

「、るき」

「っはい、」

唐突に零れた京さんの声。
つい、身構えてしまった。

「…ごめん」

ぼそ、って。
すぐ隣にいるのに、聞き取り辛い程小さな声で、京さんが呟いた。

「痛かった、やろ?」

京さんが顔上げて、俺の唇の横に出来た痣を指でなぞった。
そんで、また、ごめんな、って。
ほんとはすっげぇ痛かったけど、大丈夫です、って答えた。
だって、俺なんかより京さんのほうがよっぽど痛そうな顔してる。
顔歪めて、何かに耐えるような顔して、俺の怪我を撫でてる。

「俺、どうかしててん」

どうしたんですか、って聞いたら、ぽつりと返ってきたそれ。
それをきっかけに、京さんはゆっくりだけど、話してくれた。
一日オフだった今日、何もすることがなくて、気まぐれに掲示板を覗いたこと。
俺とれいたがデキてる、みたいな書き込みがあったこと。
二人で歩いてたとか、道端でキスしてたとか、よくある類の。
あと、俺が京さんのこと嫌いだとか、馬鹿にしてるだとか。
俺の安置や腐った妄想ヤローが書いたことなんだろうけど、普段あまりそういうのを見ない京さんは慣れてないから。
ネット世界なんて嘘ばっかだとわかってても、混乱したらしい。
だから、暴力をふるったって。
聞いてみれば本当に単純で、馬鹿みたいな理由。
でも、俺は、少しだけ嬉しかった。

「京さん、」

呼べば、気まずそうに返ってくる返事。

「京さん、俺、嬉しいです」

「…は?」

なんだこいつ、みたいな目で俺を見る。

「だって、それだけ、俺のこと好きなんだ、ってことですよね?」

だから、嬉しいです。
笑み浮かべて言えば、京さんは少し顔を歪めて、

「そんなことも知らんかったんか、阿呆犬」

って笑った。



END


どこら辺が再確認なんだ。
不完全燃焼。
いつかリベンジする!

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