灰銀
疑問 薫敏
なんで人間は
滅びないんだろうね。
____疑問__
いきなり、やった。
いつもどおりに、平凡な時間。
小さめのテーブルに向かい合わせに座って、敏弥の作った飯を食べる。
たいした会話はなくて、黙々と咀嚼。
たまに「これ、美味いな」「本当?よかった」なんて言って。
そう、いつもどおりやったんや。
「ねえ、薫くん。なんで人間は滅びないのかな」
「どないしたん、いきなり」
わけが解らない。
なんでお前はそういきなりやねん。
「なんでもないの。ただ、疑問に思っただけ」
「そうか」
なんで人間は滅びないのか。
そんなん知らん。
ほかの動物より頭ええからとちゃうの。
生命力も強いんやろ。
「俺ね、思うんだ。人間ってさ、地球が壊れるようなことばっかやってんじゃん。絶対、地球に殺されてもおかしくない」
たしかにそうやな。
でも、地球にはそんな力ないし、人間はどんどん長く生きる為にいろいろ作るし、滅びるのなんて、ずーっと先のことなんやないかな。
俺も敏弥も死んで、それよりもずっとずっと後になって、人間がもう手遅れや、って気付くまで滅ぶことはないと、おれは思う。
「そっかあ…そうだよね、いきなり死んじゃうなんてこと、ありえないよね」
ありえへん。
そんなん、もし今から人間滅びますよ、言われても信じられへんやん。
「たしかに(笑)…よかった、薫くんがそう言ってくれて」
「なんで?」
「不安、ていうの?一回考え出したら止まんなくなっちゃってさ。もし世界の終わりがきたら俺や薫くんはどうなるのかな、とか」
「、阿呆やな」
なんでそんなん考えるん。
お前、能天気なふりして人一倍繊細なんやから。
悩みなん無いふりして、いっぱい抱え込んでるんやから。
そんなん考えたら、またいっぱい悩んでまうんやろ。
お前は、いらんこと考えんでええねん。
俺とバンドのことだけ考えとけばええ。
ほかのことは、俺が考えてやるから。
不安になるようなこと、わざわざ考えんな。
「世界の終わりがきても、俺は敏弥と一緒やで」
俺の言葉に敏弥の顔に浮かんだ笑みは、今までで一番綺麗やと思った。
END
うひゃー、駄文だ…
処女作品です。
恥ずかしいな…
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