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小説(魔法少女リリカルなのは:二次小説)
Report10:おまけとあとがき



おまけ:パトロール中のこんな会話




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「そう言えばシルビィさん」

「うん、リインちゃん何?」



あの気色悪い提督のアレコレを振り切るように、パトロールしながら車内でリインがシルビィに話しかける。

というか、なんか明るい話をしたい。さすがにアレは気持ち悪い。悪過ぎるって。



「前に出てきた維新組の黒い人って、何者なのですか? この間の襲撃の時には出て来ませんでしたし」



・・・・・・あぁ、あの十手持ちか。確かにあの時出てこなかったなぁ。維新組隊舎が襲われて、ピンチだったのにさ。



「・・・・・・あぁ、私達にも細かいことは分からないの。ただ、最近は以前に比べて相当出現頻度が少ないのよね」

「そうなのですか?」

「えぇ。ヤスフミ達が来る前は、何かある度にまるでこっちの動きを察知してるみたいな頻度で出現してたの」



そう言えば・・・・・・あぁ、そうだそうだ。報告書に目を通させてもらった時に、そんな風に書いてた。

例えばアイアンサイズ戦とか、例えば何かしらの理由で戦闘が必要な状況になったら、必ず出てくるの。



「まぁ、きっと出てくる必要がなくなったのね。ヤスフミとリインちゃんが頑張ってくれてるから」

「「え?」」



いやいや、シルビィ? それだと普通にこっちの動きとか丸わかりみたいな話になるじゃないのさ。



「丸わかりよ?」



僕の考えが分かったのか、シルビィが商業区の道路をゆっくり目に車を走らせながらそう言った。

・・・・・・え、ちょっと待って。なんでですかそれ? いやいや、おかしいから。なんで維新組がGPOの動きを。



≪・・・・・・あなた達、本気で気づいてなかったんですか≫

「「え?」」

「アルトアイゼン、気づいてたの?」

≪えぇ。というか、シルビィさんはそれでいいんですか? 色々問題でしょ≫




あの、シルビィさんにアルトさん? なんでそんな僕とリインを置いてけぼりで話すのさ。ほら、僕達寂しいから。



「うーん、私もこの間のでようやく気づいたところだから。でね、なんか問題ないなーって。
そこはジュンにアンジェラにナナちゃんにパティも同じかな。うん、みんな納得しちゃってる」

≪奇特な方々ですね≫

「これでもあなた達よりは付き合いがあるもの。どういう人かは・・・・・・うん、ちゃんと知ってる」

「あの、えっと・・・・・・二人とも何の話してるのっ!?」



真面目に置いてけぼりにしないでー! 僕達を話に加えてー!!

アレですか、僕達も真剣に考えろとかそういう事っ!? そういうムチャぶりなのかなっ!!



「あぁ、ごめんね。・・・・・・えっとね、ヤスフミ。結論から言うと、私達は維新組の黒い男が何者か知ってるの」

「え? いやいや、それは僕も」

「ううん、そういう意味じゃないの。まず、ヤスフミとリインちゃんが来てから色々あったわよね。
そうだなぁ、列車に乗り込んだ時と生体兵器騒ぎとこの間の屯所襲撃の時を思い出して欲しいの」



シルビィが車を停止させる。そうしながら、前方に視線を向けたままそう口にするので、僕とリインは思い出す。



「あの時、維新組の黒い男は出てこなかったわ。こっちの動きが丸わかりだったのにね。
そしてその理由は一つ。その時、常に誰かと居たから。その相手の前では自分の正体を現せない」

≪丸わかりなのにも理由があります。その人は、GPOのすぐ近くに居る人間だからですよ。
なにより、出している空気が同じです。いくら声色や甲冑で体型をごまかそうと、私の目は誤魔化せませんよ≫

「「・・・・・・え?」」

≪そして月で登場したのには理由があります。その人も私達と一緒に月に来ていたからですよ。
そして襲撃の混乱に乗じて姿を眩まして、あなたの救援のために甲冑を装着して現場に飛び込んだ≫





僕とリインは助手席で顔を見合わせて・・・・・・考えに至った。

そうだ、シルビィとアルトはある人物が疑わしいと断言している。

というか、僕もよーく一度遭遇した時のアレコレを思い出す。



あの時はあんまりな能力に多少辟易してて気付かなかったけど・・・・・・あぁっ!!





「「マ、マジですかっ!?」」

「確証は無いけど・・・・・・相当濃厚なのは確かかな。うん、それも甲冑通りに真っ黒ね」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「へっくしゅんっ!!」

「うわ、汚いなっ!! ・・・・・・てーか風邪か?」

「あぁ、すみません。おかしいな、いつも温かくして寝ているんだが」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



驚愕の事実が分かったところで、僕達は工業区に突入。なお、工業区のパトロールはとっても大事。

工業区は、以前話したサードムーンなどを筆頭に高いテクノロジーを用いた物を作っているところが沢山ある。

そのため、いわゆる産業ドロみたいなのがちょくちょくちょっかいを出してくる事があったとか。





最近は企業側の防衛システムもかなりのレベルになったので、そんな事も少なくなったらしいけど。





僕達は車を降りて、歩きながら見回りである。・・・・・・あ、潮の匂いに波の音・・・・・・うーん、港湾区に近いからなぁ。










「ね、リインちゃん」

「はいです?」

「もしも私とヤスフミがお付き合いしたら・・・・・・やっぱり、嫌かな」



なんか僕を抜かした上で勝手な話してるっ!? しかもパトロール中にんな話をするなー!!



「そんな事ないですよ? 恭文さんが本気でシルビィさんがいいって言うなら、リインは認めるです」

「そっか」

「あ、でもでも・・・・・・リインは恭文さんと離れるつもりはないので、シルビィさんだけに独り占めはさせないのです。
リインはいつでもどんな時でも、恭文さんと一緒にラブラブして・・・・・・いっぱいいっぱい幸せになるのです♪」



だからそういう関係じゃないでしょっ!? 僕達はパートナーではあるけど、恋人じゃないんだからー!!



「あ、そこは分かってるわよ。リインちゃんとさよならなんて、きっとヤスフミには無理だろうし。
じゃあ、私とリインちゃんでヤスフミを独り占めかな。あー、そうなると三人でかぁ」

「はいです。三人体制なのです」

「・・・・・・どうしよ。私、三人で恋愛とかって想定してなかったかも。どうすればいいんだろ」

「だからお前ら仕事してっ!? なんで見回り中にそんな話になるのさっ!!」



・・・・・・だから後ろに居た僕の方を見ながら首を傾げるなっ!!

まるで僕がおかしいみたいな空気を作らないで欲しいんですけどっ!?



「てゆうかあの、アバンチュールじゃ」

「もう、そんなに怒らないで? ちょっとした冗談だから。ね、リインちゃん」

「え、リインは本気でしたけど」

「そうなのっ!?」

「やっぱりかいっ! うん、分かってたっ!! 僕はすっごい分かってたよっ!?」



とにかく、三人で見回りして・・・・・・あー、サードムーンだ。うーん、間近で見ると大きいなぁ。

黒くてメカメカしい装飾がいっぱいで、どこぞのお台場の球体の5倍くらいの大きさがある。これはすごい。



「・・・・・・なんかさ」

「なに?」

「パトロールの度にちょこちょこ見てたけど、すっごい勢いで作業進んでる気がしない?」



前に見た時は、外装とかがまだ中途半端な感じだったのに、今はがっつりだもん。



「そう言えばそうよね。でも、気にする事ないと思うな。ほら、作成作業ってモチベーションが大事だもの。
こう、プラモとか料理とか作ってる時についつい乗っちゃって、ぶっ続けで最後まで進めちゃうことも」

「・・・・・・シルビィ、これプラモと料理じゃないから。宇宙船だから。てゆうか、個人の作業じゃないから」



モチベーションだけで完成速度が上がったって言うなら、僕はびっくりだよ。

だってそれだと、集団でモチベーション上がりまくりなのよ? 普通におかしいでしょ。



「まぁそれはね。でも・・・・・・ということは、そろそろ中の方も出来上がってるのかしら」

「中の方? ・・・・・・あ、通信システムとかかな」

「えぇ。というかヤスフミ、知ってるの?」

「うん。興味があって、ヴェートルのローカルネットで調べた」





なんでもサードムーンには、高度な通信システムを搭載する予定らしい。それがね、すごいの。

まずヴェートル本星へもそうだけど、次元世界への長々距離通信も視野に入れているらしい。

あと、サードムーンが観測した宇宙の映像をリアルタイムで今言ったような場所へ配信も可能とか。



外宇宙という神秘やその中での出来事を、調査を継続したままでリアルタイムにあっちこっちに送って記録。

この通信システムは、サードムーンという巨大宇宙船のメインと言ってもいいらしい。

でも、すごいよなぁ。次元世界だけじゃなくて、宇宙にも手を伸ばそうだなんて。うん、普通にすごいと思う。





「ふーん、自主勉強はしっかりしてるのね。うん、偉い偉い」



シルビィが笑いながら、僕の頭を撫でてくれる。それが心地いいけど・・・・・・あれ、おかしいな。

今ってパトロール中のはずなのに、どうしてこうなるんだろ。うーん、おかしい。



「うー、子ども扱い禁止」

「あら、そんな事してないわよ。・・・・・・私、もうヤスフミを子ども扱いなんて出来ないもの」










とにかく僕達はパトロールはしっかりと継続。バカをやるのも程々にパトロールを・・・・・・継続したんだよなぁ。

だからこの後、さっき言った『産業ドロ』に遭遇して、ドンパチしてしまうわけですよ。もちろん、そんな連中は軽く一蹴した。

軽く一蹴して、犯人をふんじばった上で現場検証してEMPDに引渡して・・・・・・と、忙しくやっていたから知らなかった。





僕達の現状が、相当にヤバい事になっていたのを。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



『・・・・・・・・・・・・すみません、リンディ提督の差し金で培養していたウィルスが・・・・・・全部』

「・・・・・・そうですか」

『本当にごめんなさい。私が居ない時を狙われて・・・・・・・私、現場の恭文くんやフェイトちゃんになんて謝ればいいのか』

「いえ。ただマリエル技官、この通信を終えたらしばらく姿を消していてください。
・・・・・・下手をすれば、あなたから情報を得るために拘束しようとする可能性もある」



ここは先程ユーノにも説明した。ユーノも今頃はどこかへ消えているはず。

本来ならこんな事は必要ないが・・・・・・母さんがアレな以上、どうなるか分かったもんじゃない。



『・・・・・・はい』





Ha7の開発中止が決定した。母さんの差し金で、フェイトとフィニーノ補佐官の動きが完全に押さえられた。

出来れば失踪前にマリエル技官に、開発中のウィルスを少しでも押さえてもらおうと思ったがそれすらだめだった。

一応母さんとも話した。アイアンサイズを取り押さえるのに、Ha7が必要な事も話した。だが、結果は察してくれ。



そんなものは必要がない。現地のスタッフは優秀なんだから、任せればいい。

GPOやEMPDの力も・・・・・・まぁまぁ余計な要因ではあるが、それもあるのだから問題などない。

本局は中央本部を信じて、その世界を任せる。それが本局の常だと言って聞かない。



今までの意見を180度変えて、僕にも不干渉の姿勢を言葉でも権力でも迫っていってる。

これはまずい。元々母さんが局員として有能なのもあるが、こっちのツッコミ所を見事に叩き潰してくれる。

こっちが手を打とうとした途端に先回りされているんだ。それも本当に容赦なく。



フェイト達を向こうに送った事に関しても、理不尽に叱られてしまった。・・・・・・くそ、完全に話が出来ないとは。





『それで恭文くんやフェイトちゃんの方は』

「母さんは、二人をすぐにでもヴェートルから引かせるつもりです。
ですが、恭文は技官の知っての通りです。権力で引かせるなら、アイツを犯罪者にするしかない」

『さすがにそれは・・・・・・いや、分からないですよね。
今までのらしからぬ行動の数々を見る限りでは、やりかねません』



アイツは局員でもないし、例え嘱託の資格を剥奪すると脅されても引くわけがない。

だが、今の母さんにはそれすら分からないだろう。まぁ、ここはいいんだ。



「ただ、フェイトは・・・・・・くそ、こんな事なら完全に失踪させるくらいの事をするべきだった」

『フェイトちゃんの独断で勝手に動くとかは無理なんですね』

「はい。ですが、このまま戻ってこられてもかなりマズいんです。
そうなったら、今度こそ僕達は手の打ちようが無くなる」





恐らく母さんは・・・・・・いや、母さんの背後に居ると思われる公女がそれで満足するとは思えん。

母さんを利用した上で、フェイトに対して親和力を行使するだろう。

自分の味方を増やすのと同時に、これ以上勝手な真似をされないようにだ。



キャンセラーがあるとしても、気づかれて強奪されたら意味がない。





「・・・・・・本気でこのまま選び続けろというのか」



マリエル技官が画面の中で見ているにも関わらず、僕は右拳を握り締めて・・・・・・苦々しい顔をするしかなかった。



「本気で僕達にこのまま『何もしない』事を選び続けて、親和の鎖に縛られろと? そんな事・・・・・・納得出来るものか」










恭文、フジタ補佐官、それにGPOの面々・・・・・・本当にすまない。完全に僕の落ち度だ。





僕の力では、今の母さんを止める事が出来ない。出来るとしたら、簡単な時間稼ぎくらいだ。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・・・・リンディ提督が暴走してるっ!?」

『・・・・・・・・・・・・はい』



ヒロ共々メルビナさん対策・・・・・・くそ、俺らもやっさんのあのチートなヒーリング結界使えりゃいいのに。

とにかくアレコレ対策を整えていると、クロノ提督から通信が来た。なお、秘密のローカル回線だ。



≪それでアイアンサイズ用の切り札もアウトで、ハラオウン執務官も自由に動かせなくなったと。
え、それじゃあ局関係者は支援が一切アウトなのかよっ! なんだよそれっ!!≫

『だが、それが現状だ。もし出来るとしたら、現在出張中のはやてとザフィーラくらいだろう』



なんか八神二佐はカラバで潜入捜査らしい。ここに関しては、まだリンディ提督の手が届いてないとか。

いや、届いても親和力の話を知っているから、簡単に言う事を聞くわけがない。



≪ですが、その他の方々・・・・・・クロノ提督自身もそうですが、守護騎士のみなさんや高町教導官はアウト≫

『あぁ。特になのはに関しては、現状で既に信仰者になりかけている』










そう言えばエース・オブ・エースの影響を受けて、公女のファンになってるのが多いんだっけ。





くそ、なまじヒーロー的に祭り上げられてるから、そこを始点に興味を持って・・・・・・なんだよ、この性質の悪いウィルスは。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「ねーねー、ティアー! アルパトス公女可愛いよねー!!」

「そうね。確かに可愛らし・・・・・・てかスバル、アンタファンになり過ぎじゃない?」



だってファンクラブに入って、ブロマイド集めてテレビ見まくって・・・・・・あの、マジで怖いんだけど。



「えー、そうかなぁ。これくらい普通だよ? みんなこんな感じだし」



まぁそうよね。部隊の人達ももう毎日のように話しまくってるもの。



「というか、ファンになったきっかけってなんだっけ」

「あ、なのはさんがファンだから、その・・・・・・えへへ」










あぁ、憧れの人にあやかって・・・・・・だったわね。うん、思い出した。でも勢いがスゴ過ぎてちょっと引くかも。

だって『エース・オブ・エースがファンだから』って理由で、にわかファンが爆発的に増えてるしなぁ。

まぁいいのかな。政治・経済関係に全く興味を持たなかったあの子が、公女絡みでそういうのを考えるようになったんだし。





でも、なんか複雑ではあるわよね。ヴェートルの現状とかって、中央本部の怠慢やテロの頻度とかも合わせて相当らしいし。





このバカ騒ぎもそのせいと考えると・・・・・・うーん、局員で執務官志望の私としては、あんま乗れないなぁ。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・・・・マジ最悪だね。てーか、権力者が狂うと世界は大迷惑っていう典型例じゃないのさ」

『もう何も返す言葉がありません。本当に僕は現場に対して何も出来なくなっていますから』





まぁ、話を聞く限りはそうだよな。まさか提督の仕事放ったらかしで突っ込むわけにもいかないしよ。

そうなったら、マジでリンディ提督の周辺への蹂躙が始まる。そしてそれはGPOややっさん達にとって障害にしかならない。

つまりクロノ提督は、無駄でも抵抗してそれを押さえる必要がある。だけど、それをやるとまだ問題が出てくる。



それは、現場に対しての支援が一切出来なくなるということだ。だからこの人だって本当に疲れた顔をしてるんだよ。





『それで・・・・・・ヒロリスさん、サリエルさん、引退組のあなた方に対してこんなお願いは・・・・・・本当に情けないのですが』



そしてクロノ提督は、画面の中で俺達に頭を下げた。それも深々と・・・・・・顔が見えなくなるまでだ。



『お願いします。僕の弟と妹を助けてやってください。後の始末は僕が全部引き受けます。
局員・・・・・・母さんの下と周囲に居る人間の大半がアウトな以上、頼れる人間がもう居ないんです』

「・・・・・・クロノさん、そういうのやめません? てか、私は元々そのつもりだったんで」

『と、言いますと』



クロノ提督が、びっくりしつつ顔を上げてヒロを見る。それで・・・・・・納得した顔になった。



『・・・・・・なるほど、マクガーレン長官ですか』

「はい。ま、EMPの方は大丈夫でしょ。やっさんが今さらながら本気出したんですから。
私らは私らで、その露払いをしっかりするつもりです。だから、大丈夫」

「まぁ、やっさんやGPOにハラオウン執務官がダメなら俺らが何とかします」



話に聞く親和力キャンセラーがあれば、それも恐らく可能だ。相当激戦だろうけどな。



「だから・・・・・・頭上げてください。アンタはそんなに頭を下げる必要なんざない。
俺は俺の勝手、コイツはコイツの勝手で・・・・・・大事なダチ達を助ける。それだけですから」

『・・・・・・そう言ってもらえると助かります。本当にありがとうございます』




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・・・・ようやく納得してくれたか?」

『えぇ。我々が相当に熱に浮かされていたというのは。・・・・・・主はやて、申し訳ありませんでした』

『ごめん、はやて。アタシらマジでバカだった』



あー、まじ説明疲れたし。いいタイミングでみんな宛てに送ったイヤリングが届いて良かったわ。

あ、クロノ君達にイヤリング送った後に、追加で入手出来たんよ。それでみんなを動かせるように、送ったんや。



『ランドルフ捜査官、すみませんでした。その・・・・・・色々ありまして』

「あ、あははは・・・・・・・あの、いえ。大丈夫です」



うちが公女に疑いを持ってる理由が、ランディさんに変な事吹き込まれたせいやと思うて殺気向けとったからなぁ。

マジ申し訳ないし。うし、あとでまた謝らせんと。これは家長としてさすがに見過ごせんわ。



『でもはやてちゃん、実はその』

「なんや?」

『いえ、私イヤリングを装備してから改めて考えて・・・・・・その、気づいちゃったんです。
・・・・・・現状、相当マズい事になってるみたいで。えっと、かくかくしかじか・・・・・・という事でして』

「「はぁっ!?」」



どうやらうちらがカラバで頑張ってる間に、事態は相当マズい事になってきとるらしい。

思わずランディさんと顔を見合わせて、声を上げてもうたし。



「リンディさんがアンタらにフェイトちゃんと恭文をヴェートルから連れ戻すようにお願いしたっ!? なんでやっ!!」

『その、二人が公女に対して相当な迷惑をかけているのに、帰還を通達して二日経っても戻らないからだと』

『というか、フェイトの奴と連絡が取れないとかなんとか言ってたな。
それでGPOの人間に洗脳されて、公女への反逆行為に加担させられてるとか』



む、無茶苦茶やんか。ツッコミ所が多過ぎて、うちは言葉が無いで。

なんでそないな・・・・・・いや、考えるまでもない。リンディさん、親和力にやられてもうてるんや。



『それで我々はその、出発直前でして』



え、出発直前っ!? ・・・・・・あぁ、なんか後ろにでっかい荷物やカートリッジの箱が大量に見えとるしっ!!



「・・・・・・それは本当に危ないタイミングでしたね。
もうちょっと遅かったら、みなさん全員GPOと恭文さん達の敵になっていたところですよ」

『全くその通りです。というか・・・・・・うぅ、どうして私は気付かなかったの?
恭文くんが洗脳なんてされるわけがないって、分かってたはずなのに』



シャマルがそう言う理由は分からんけど、それはいい。とにかく守護騎士が敵に回る状況だけは避けられた。

そして同時に、みんなはここからいつも通りの信頼出来る味方や。十分切り札になる。



「反省は後でも出来るよ。今はそこはえぇ。
・・・・・・みんな、リンディさんに歩調を合わせてのらりくらりと要求をかわしといてもらえるか?」

『それは構わないですけど、それだけじゃあ』

「もちろんや。ただ、ここでうちらが抵抗の意志を見せると、何するか分かったもんやない」





ユーノ君やマリエルさん、それに現場のフェイトちゃんは失踪状態。クロノ君はリンディさんを止めるのに必死。

そやけど完全には止め切れん。そしてリンディさんは現状に相当イラついていると見てえぇ。

そもそもあの人は、なんでこんな事したんや? 簡単や。自分が信仰する公女のためと信じてコレや。



で、それやのに思い通りになっとらん部分がある。当然公女への負い目どうこうで・・・・・・暴走と。

うちらが動くなら、この部分に追い打ちを出来る限りかけんようにして動くのが得策やろ。

現状で提督として、上司として色々アウトな手をかましとるんや。追い詰めたら何するかマジで分からん。





「とにかくみんな、出発の準備だけは整えておいてくれるか?」

『・・・・・・蒼凪とテスタロッサ、GPOの支援のためですね』

「そや。うちらもここは切り上げて、すぐに動けるようにしとく。で、またこっちから指示を出すから、その時はGOや」










何にしても、決戦の時はもう間近。うちはうちなりに親和っちゅう鎖に抗う必要が出てきた。





ちゅうか・・・・・・いくらなんでもチート過ぎるわボケっ! こんなリアル厨二思考、絶対認めんからなっ!!




















(本当に続く)




















あとがき



恭文「今回のサブタイトルは『忍び寄る親和と言う名の侵食』・・・・・・です」

あむ「な、なんかすごい怖い事になって来てるんだけど。てか、マジで追いつめられてない?」

恭文「かなりね」





(真面目に局関係はダメダメになってきております。・・・・・あれ、こんな予定じゃなかったのに)





恭文「というわけで、200万ヒットお祝いのお言葉、みなさんありがとうございました。
これからも僕は頑張っていきますよー。さて、本日のあとがきのお相手は蒼凪恭文と」

あむ「日奈森あむです。というかさ、真面目にヤバいよね」

恭文「ある意味JS事件以上のスケールになってきたよ。残り4話とかなのに、決着するのかが怖いね」

あむ「え、気にするとこはそこっ!? ・・・・・・あ、それとフジタさんなんだけど」

恭文「惚れたの?」

あむ「違うからっ! なんか行動とか色々怪しくないって言いたいのっ!!」





(現・魔法少女、ここは強く言いたいらしい。ちょっと目が真剣)





あむ「ほら、維新組の人達と親しげだしさ」

恭文「それはね・・・・・・原作知ってる人ならご存知だけど、知らない人だとびっくりなお話が絡んでるからだよ」

あむ「そうなの? てか、相当びっくりな事なのかな」

恭文「相当ね。というわけで、いよいよ最終決戦だよ」

あむ「というか、もうそうせざるを得ないよね。だってこのままだとジリ貧じゃん」





(現状:局の支援は期待出来ず、このままだとEMPDやGPOの上も危ない。
時間をかければかけた分だけ不利になっていく、怖過ぎるデスマッチ中)





恭文「でもアレだよね、こんな時こそあむの力が欲しいよ。ほら、デンライナーのチケット貸すから」

あむ「いやいや、あたしが行ってどうするのっ!? 普通にあたしより空海じゃんっ!!」

恭文「あ、それいいね。空海の右手でこの幻想をぶち殺してもらおうか」





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



公女「逆らうのはやめなさい。親和の力は世界の人々の笑顔のためにあります。
私がこの世界から全ての悲しみと争いを無くします。それなのになぜ、あなたは抵抗するのですか」

空海「・・・・・・ふざけんなよ。そんな親和で、誰が幸せになるってんだ。
お前は、みんなが本当の意味で生きる時間を壊そうとしているだけじゃねぇか」

公女「・・・・・・なぜ理解出来ないのですか。現にヴェートルの人達・・・・・・いいえ、訂正しましょう。
次元世界の人達はみんな私が幸せにしています」

空海「思い上がってんじぇねぇっ! ホントの幸せってのは、そんな力がなくても掴めんだよっ!!
自分の中の答えと、自分の世界と向き合って、手を伸ばして・・・・・・そうやって掴むもんなんだっ!!」




(などと言いながら、右手をかざし続ける)





空海「そうだ、てめぇはずっと見下してやがるっ! 世界を、他の連中を・・・・・・不幸だと見下して、笑ってやがるっ!!
お前がそんな勘違いをし続けていくって言うなら・・・・・・俺がその幻想を、ぶち殺すっ!!」





◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



恭文「・・・・・・よし、空海に頑張ってもらうか。ちょっとオファーかけるわ」

あむ「そうだね、あたしよりずっと上手く出来ると思うんだ。ほら、幻想殺しもあるしさ」





(『そんなのねぇよっ! お前らいつまでこのネタで俺を弄る気だっ!?』・・・・・・と、どこかから声がした)





恭文「というわけで、空海の幻想殺しに期待しつつ本日はここまで。お相手は蒼凪恭文と」

あむ「日奈森あむでした。それじゃあみんな、次回にイマジンブレイカー・・・・・・って、何この挨拶っ!!」

恭文「あ、僕が書いてみた。いいセンスでしょ?」

あむ「いや、全然センスないからっ!!」










(続けてくる叫び声に関しては一切無視で、二人はセンスについての談義を始めた。
本日のED:川田まみ『PSI-missing』)




















ヒロリス「・・・・・・で、どうしようか。私らの事がバレないうちに姿消すのは決定として、普通にやると相当苦戦だよね」

サリエル「それに関しては俺が加入しても同じくだな。うーん、やっぱここはアレか」

ヒロリス「アレって?」

サリエル「いいか、フォースフィールドはデータを見る限り、万能ではあるが絶対じゃないんだ。
限界もあるし、決して穴が無いわけじゃない。そして、その穴の一つ複数同時攻撃だ」

金剛≪ヒロリス女史のライジング・パニッシャーにも耐えるようですが、それでもこれが一番いいかと。
我らでフォースフィールドに一点突破型の攻撃を同時にしかけ、限界以上の圧力をかけるんです≫

ヒロリス「いや、そこは分かるよ? 私がメルビナに勝つ時は、大体そのパターンだから」

アメイジア≪でもサリに金剛、俺と姉御だけじゃ足りねぇぜ? それやるにしても、相当手間がかかる≫

サリエル「分かってるよ。なので・・・・・・ピポパと。
ジン坊、悪いんだけど今いいか。よし、いいよな」

金剛≪・・・・・・お食事中ですか≫

アメイジア≪あ、なんか無視してステーキ切り始めたな≫

ヒロリス「ちょっとアンタ、私ら無視ってどういうことっ!? 随分偉くなったねっ!!」

ジン『無視じゃないです。40日ぶりの温かい肉を食いたいだけです。食ってから話しますから』

金剛≪そう言えば、別世界で長期出張中でしたね。確かサバイバルがどうとか≫

アメイジア≪あぁ、それでこれなのか。納得したわ。てーか、悪い気がしてきたんだけどよ≫

サリエル「ジン坊、それは残念ながらお預けだ。
・・・・・・悪いんだがお前、今すぐ俺らと合流してくれ。てゆうか、失踪するぞ」

ジン『・・・・・・はぁっ!?』

サリエル「色々計算したんだが、俺とヒロだけじゃ速攻は無理っぽいんだよ。お前の力が要る」

ジン『いや、その前に俺の食事タイムが必要なんですけどっ! てーか、頼むから俺を休ませてくれー!!』










(おしまい)






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