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小説(魔法少女リリカルなのは:二次小説)
ミッション02 『現れた異端』



そして、ヒロさんからの頼みを受けても、世界はとても平和。なので、僕は暇。





・・・じゃ、なかった。










「・・・ジェイル・スカリエッティね」

『うん、その男が、今回の一件の裏で動いてるのは、間違いないんだ』



フェイトから、ちょっとした報告通信を受けていた。内容は、今回の黒幕について。

・・・ジェイル・スカリエッティか。まさかそんなのが出てくるとは。



『一応説明しておくと、ジェイル・スカリエッティは』

「ドクターの通り名を持つ広域次元犯罪者。で、ぶっちぎりな天才。
その通り名の通り、戦闘機人やら人造魔導師絡みの違法な生体研究にドップリ浸かってる、古き良き悪のマッドサイエンティスト」



僕がそこまで言うと、フェイトがもう驚きましたという顔を通信越しに見せた。・・・そんなにビックリですか。

なお、僕がスカリエッティについてここまで知っているのには理由がある。



『ヤスフミ・・・どこでそれを?』

「ここ最近知り合った友達に、元捜査官の人達が居てね」



ヒロさん達の事ね?



≪その方々に教えてもらったんですよ。世の中には、こういうトンデモ野郎も居ると≫

『そうだったんだ・・・』



・・・ギンガさんの一件で知って、少し自分で調べたのもあるけど。本当にスクロールバーがミリ単位になったし。ビックリしましたよ、私は。

あと・・・なんだよね。



「・・・フェイト」

『なにかな?』

「気負ったらダメだよ。相手が誰であろうと、いつも通りで行こう?」



僕がそれだけ言うと、フェイトには伝わったらしい。驚きの後、表情が暗くなった。



『・・・ヤスフミ、そういうの勝手に調べるの、悪趣味だよ』

「そう思う。つか・・・ゴメン」

『謝らなくてもいいよ。・・・それも友達から?』

「いや、ちょこちょこ調べてるうちに自然に」



知った時は、ビックリした。シャーリーから、フェイトがしばらく前から追いかけてるって聞いた時は、更にビックリした。



「それで・・・ね、気になったから」

≪それは私もですね。・・・あなた、本当に気を付けた方がいいですよ≫





僕達がこう言うのには理由がある。・・・僕もあれこれ調べて知った事。スカリエッティは、ある研究の基礎部分の構築を手掛けたらしい。

そして、その構築された研究は、後にある優秀な魔導師の手によって、完成の日の目を見た。



その研究の名は・・・プロジェクトF・A・T・E。それを完成させたのは、プレシア・テスタロッサ。



・・・もう、これだけ言えば充分だよね?





「まぁ、アレだよ。絶対に一人でどうこうしようなんて思うのは無しだよ? 絶対つついてくるだろうし」

『・・・大丈夫だよ。私はヤスフミと違って運もあるし、みんなと一緒だもの』

「・・・フェイト?」

『本当に大丈夫。絶対に・・・無茶はしないから』










・・・本当かどうか、非常に疑わしいよ。フェイト、絡め手は弱いし。





でも・・・か。うん、場合によっては飛んでいこう。こういうとこで守れなくちゃ、ダメでしょ。





好きな人の一番の味方になんて、きっとなれない。




















魔法少女リリカルなのはStrikerS  外伝


とある魔導師と古き鉄の戦い


ミッション02 『現れた異端』




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・あの、ギンガさん」

「なに?」

「僕がここに居るって、おかしくない?」

「おかしくないよ。あ、でもアンダースーツはやめて、陸士制服にしたほうが、もっといいかな」

「絶対に嫌です」

≪色がダサいですし≫

「ちょっとっ!?」





そんな会話の数日後、僕とアルトは呼び出しを受けていた。相手はギンガさん。



なんでも、輸送トラックの横転事故の現場検証・・・あれ?





「もしもし、ギンガさん」

「うん、なにかな?」

「・・・これ、僕の仕事じゃないんじゃ」



僕は嘱託。だけど、もっぱら荒事専門。現場検証に呼ぶ理由が・・・。



「うーん、なぎ君がうちに来てくれた時の練習・・・かな?」

「さ、アルト。帰ろうか」

≪そうですね≫

「いきなり帰ろうとしないでっ!!」



なぜか首根っこを捕まれた。というか、掴まれた。・・・なぜっ!?



「それはこっちのセリフだよっ! どうしてまたいきなり逃げようとするのっ!?」

「いや、部隊に入るつもりないし」

「・・・なぎ君、もう少し考えて欲しいな。将来のことを考えても、入局は絶対にマイナスじゃないよ」



・・・ま、それは分かるさ。でも、僕はゴメンかな。通したいこと、通せなくなりそうだし。

いや、通せなくなる。組織のためになんて、戦いたくないのよ。



「とにかく、今日は付き合って。というか、なぎ君は戦闘はともかく、捜査関係サッパリなんだし、勉強にはなると思うな」

≪基本戦闘バカですしね。言うならこの人は脳筋ですよ、脳筋≫

「・・・うっさい」





で、結局付き合うことになった。・・・めんどい。



よし、京都行くか。あれだ、心だけでも小旅行だよ。




「行かないでっ!!」

「だから、どうして心を読めるっ!?」

「・・・なぎ君、そんなに捜査関係だめ?」

「だって、分かりにくいもん。犯人目の前に居ないから、クレイモアぶっぱなしてストレス解消も出来ないし。
・・・お願い、ギンガさん。頭抱えるのやめて。僕が悪いみたいじゃないのさ」










いや、クライマックス刑事くらい分かりやすければいいけどさ。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「うぅ、休日だったのに。ディスク見るとこだったのに」

「なんのディスク見ようとしてたの?」

「この間やってたレジアス中将の演説。ほら、予算会議の」

「・・・あぁ、アレね」



愚痴っていても仕方ないので、現場に着くまでギンガさんと雑談。話題は、政治・経済ですよ。



「ギンガさんも見たの?」

「一応ね。・・・でも、過激で強硬派なのは変わらずだね。アインヘリアル、各所でも反対意見出まくってるのに」

「まぁね」





アインヘリアルと言うのは、管理局ミッド地上本部が開発した防衛兵器。もう稼働状態にあるらしい。

こんなのが作られた理由は、以前も話に出たミッド地上の戦力不足解消のため。

ちなみに、地上本部のトップであるレジアス・ゲイズ中将は、このアインヘリアルの開発に非常に積極的。



・・・でもさ、たった数年で、実用化に持ち込むんだから、すごいよ。あの人は。





「で、どんな内容だった?」

「簡潔に言えば、発達した技術力を用いた犯罪に対応するために、ミッド地上の戦力強化・・・防衛兵器は絶対必要。
アインヘリアルが本格稼働すれば地上の犯罪発生率は3割程度は減る・・・と言ってたよ」

「・・・ふむふむ」



3割はハッタリかも知れないけど、効果は少なからずあるよね。いや、これで平和になるといいなぁ。



「なぎ君、なんだか楽しそうだね」

「そう見える?」

「見える。それもかなり。・・・もしかして、レジアス中将好きなの?」

「・・・実は」



そう、僕はレジアス・ゲイズと言う人が嫌いではない。むしろ、好きなくらいだ。

あれこれミッドの歴史を調べて知ったけど、あのおっちゃん凄いもん。今より荒れてたミッド地上を長年に渡って守るために頑張ってたんだから。



「でも、あの方の発言は、地上部隊に居る私や父さんの目から見ても過激だし」

「でも、守ってきた。ここに居る人達を。取りこぼしても、悔しくても、それでも・・・ここまで」



・・・どっかで、重ねてるのかも知れない。とにかく僕は、レジアス中将に近いものを感じるのだ。



「なら、なぎ君はミッド地上の戦力強化には賛成?」

「うん。・・・正直ね、反対してる人間の気持ちが分かんないの」



もちろん、運用に関しては徹底討論は必要でしょ。

でもさ、実際に使わなくても、その兵器があると言う事実だけで、一件でも事件が減るなら、それでいいじゃないのさ。



「でもさ・・・」

「でも?」

「なのはやフェイトにはやては、どうにも防衛兵器もレジアス中将の思想も、お好きじゃないらしいのよ。僕がこういう話すると、苦い顔するの」

「・・・まぁ、八神部隊長達は本局側だしね」





それがあったと思い出す。・・・おかしいよね。同じ組織のはずなのに、海とか陸とかで分かれるとかさ。





「あと、そういう兵器の類いが無くても、魔導師全体がレベルアップしていけばなんとかなる・・・って言ってた」

「まぁ、間違ってはないよ。そうすれば、AMFでも戦えるわけだし」





・・・でも、ヌルい。イレインやら、ストーカーのおっさんとか、そういうのとやり合った身としては、その魔法ありきな考え方には同意しかねるよ。



ま、ここはいいか。愚痴にしかならないし。





「とにかく、ここ・・・だよね?」

「うん、そうだよ」





こんな話をしている間に、事件現場に到着した。



で、それを見て思った。・・・これ、なにさ。





「・・・こりゃまた派手に」

≪何が原因ですか、これ≫



事故現場を見ると・・・あちらこちらに食料品が散乱していた。

あー、もったいないなぁ。バナナはこんなことのために、木からもぎ取られたわけでもないってのに。



「運ばれてた荷物も、缶詰めや野菜に肉、果物・・・。全部、普通の食料品ですね。運転手はなんと?」

「なんでも、突然攻撃を受けたそうです。そのショックで、錯乱していますが・・・」





ギンガさんと現場検証をしていた局員のお兄さんがそんな話をしている。これを・・・攻撃ねぇ。



今のところ、犯人は相当腹を空かせたやつくらいしか思い付かない。





「あと・・・妙なものが」

「妙なもの?」





お兄さんが指し示す方向を見る。すると・・・あった。

真ん中に大きい穴が空いてる、灰色の金属のおにぎりが何個かある。



・・・あぁ、確かに妙だわ。さっきまでのあれからこれは想像出来ない。





≪ガジェットですか≫



そう、ガジェットだった。局ではT型と呼ばれるタイプのもの。



「なんでこんなものがここに・・・」

「腹でも空かせてたんでしょ」



つい、大口を開けて食料品を貪るデフォルメ『がじぇっと君』を想像してしまった。・・・売れるかな?



「あと・・・」

「まだなにか?」

「はい。・・・こちらです」





・・・そうして、僕達が目にしたのは・・・箱。

生体ポッド。その名の通り、生物を運ぶもの。ただし・・・運ぶ生物は箱同様、普通じゃない。つーか、普通の人間は箱に入れて運んだりしない。



この中に入れるのは、人工生命体。人の手で産み出された普通とは異なる存在。





「・・・アルト」

≪キナ臭くなってきましたね≫

「だね」










この直後だった。六課のフォワード陣が一人の女の子を・・・この生体ポッドに入っていたと思われる子を、保護したと、連絡が来たのは。





・・・やっぱりジョーカーか。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・・・人造魔導師。





クローンなどの技術で人工的に産み出された子に、投薬や機械部品などを埋め込むなどして、後天的に高い魔力を持たせた存在。





当然、非人道的だからぶっちぎりで違法。それだけではなく、ミッドの高い技術力でも、こんなの無理がある。





だから、スカリエッティみたいな悪い意味でぶっ飛んだやつくらいしか、こんな真似しない。





そして、恐らくだけど六課フォワード陣が保護したって言う子は・・・。





・・・こういうの、めんどいんだけどな。





現在、僕達はミッドの地下水路・・・いわゆる下水道を疾走中。





あ、訂正。










「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」





ギンガさんが、バリアジャケット装備でローラーブーツ・・・ブリッツキャリバーで走りながら、左のナックルを振るい、立ちはだかるガジェットを穿つ。

拳は決して柔らかいとは言えない金属のおにぎりのど真ん中をへこませ、ボディそのものを折り曲げ、吹き飛ばす。



・・・そう、現在戦闘中です。



理由は簡単。その子、ここを歩いて外に出たらしい。・・・ロストロギア・レリックを引きずって。



2個持っていた形跡があるけど、持っていたのは1個。つまり・・・あるのだ。もう1個がここに。だから、当然回収のためにガジェットも出てくる。



既に六課フォワード陣が回収に向かってる。話を聞いた僕とギンガさんは、事故の一件と関連があると踏んで、地下でのパーティーへの参加を踏み切った。





≪言ってる場合ですか?≫





・・・センチなのは後。そう思い立つと、僕は蜻蛉の構えをとって、踏み込んだ。

標的は、目の前のガジェット4体。迎撃に熱光線を撃ってくるけど、問題ない。



そのままそいつらの中を突っ切るようにして、右、左、右・・・と、アルトを袈裟に打ち込んでいく。

正確にガジェットのボディに刃筋を立てた攻撃の数々は、魔力なんて使わなくても、立ちはだかる障害を全て斬り裂く。



そうして、爆散する鉄機達に目もくれず、次の標的を見定め、斬る。

ギンガさんも同じく。拳で穿ち、蹴りで吹き飛ばし、どっかの雑魚キャラよろしくガジェット達を叩き潰す。



数分も経たずにその場に居たのを全て排除すると、僕達は再び走り出した。





「・・・うーん」

「どったの?」

「私、また離されちゃったかな」



ブリッツキャリバーで僕の横を走りながら、ギンガさんが唐突に言ってきた。・・・なにが?



「なぎ君との実力差。動きがまたよくなってる。それにさっきだって、魔力全く使ってないよね」

「ま、鍛えられたしね」

「クロスフォードさん達・・・だよね」

「そそ」





あの訓練はマジでキツかった・・・。特に二人との夜までぶっ通しの組み手。



恭也さんやらに鍛えられてたおかげで、ギリギリついてこれたけど。





「でも、ギンガさんだって凄いじゃないのさ。目標の陸戦A、一発合格だったし」

「なぎ君は、最初からA+でしょ? うーん、悔しいなぁ。やっぱり置いてかれてるよ」

「なに言ってんの」





言いながら、踏み込む。





「僕より高給取りでしょうがっ!!」






通路の曲がり角から、デカイのが・・・ガジェットV型が出てきたから。V型は丸い。こちらへゴロゴロと転がりながら、迫って来る。



つか・・・ゴロゴロ転がってしか移動出来ないなら、出てくるなよっ! なに考えてんのっ!?



とにかく、踏み込みながらアルトを迫り来るベルト形状の二本のアームに向かって、抜き放つっ!!

そうして、左から横薙ぎに生まれた、銀色の一筋の閃光が、アームを斬り落とした。



その脇を、ギンガさんが通り過ぎる。





「それはなぎ君が・・・」





ギンガさんが走りながら左拳を振るい・・・!





「嘱託だからでしょっ!?」





V型のど真ん中に、叩きつけるっ!!



僅かに装甲がへこむ。でも・・・その衝撃は、しっかりと内部に伝わってる。





「気のせいだよっ! ・・・鉄輝っ!!」





・・・だから、それでガジェットの動きが少し止まった。そこを狙って、僕は上に跳んだ。

その下でギンガさんは後ろに下がり、V型と距離を取る。僕はギンガさんを飛び越える形でV型に近づく。



アルトを包むのは、青い魔力の刃。それを上段から、真一文字に打ち込むっ!!





「一閃っ!!」





僕の魔力から生まれた青い刃は、ガジェットV型のボディを縦から真っ二つに斬り裂く。そして、着地と同時に後ろに飛ぶ。



その直後、V型は爆発し、動きを止めた。





「・・・なぎ君」

「・・・うん、ゴメン。やりすぎたね」





こんな密閉空間でV型みたいなデカイのが爆発したら、とーぜん危ない。なので、僕もギンガさんも咄嗟にシールドを・・・。



・・・あー、爆発した箇所がエライことに。ま、いいか。終わり良ければすべて良しって言うし。





「よくないっ! というか、まだ終わってもないよっ!!」

「そう、まだ終わりじゃない。僕達の戦いはこれからも・・・」

「一体何の話っ!?」

≪どこの週刊誌で打ち切りになったマンガですか、それは≫





気にしないで欲しい。とにかく、僕達はまた走り出す。・・・もうすぐだっけ?





「うん。六課のフォワードの子達も近くだから」

「・・・気が重い」

「どうしてっ!?」



だって・・・居るはずだもん。フェイトの披保護者のチビッ子二人。僕、ヤキモチ焼いてました。

あー、なんでこんな事にっ!? 今日は普通に休日だったはずなのにー!!



「アルトアイゼン」

≪はい≫

「なぎ君とその子達って、なにかあったの?」

≪いえ、なにも。会った事すらありません。だから、何を話していいか分からないんですよ≫

「そうなんだ・・・」





・・・やっぱり、なのはを見習って肉体言語か?





「それはやめてくれないかなっ!?」

「じゃあ他にどうしろって言うのさっ!? 『リリカルなのは』なら、肉体言語しかないでしょうがっ!!」

「そんなことないからっ! というか、落ち着いてー!!」





失礼なっ! 僕は充分落ち着いて・・・。



僕はその場で足を止めた。





"ギンガさん、ストップ"

"え?"

"・・・いいから"





先に進もうとするギンガさんを手で制止する。それから目を瞑り、入念に辺りの気配を探る。

いきなりこんな行動を取るのには理由がある。さっき、僅かだけど妙な違和感を感じた。なんつうか、危ない違和感。



そっと、右の袖から暗器・・・飛針を取り出す。

恭也さんに3年がかりで扱いを教えてもらった武器。普段は使わないけど、常備だけはしている。



・・・そこっ!!



僕は、通路のある一角に飛針を投げつける。それはコンクリートの壁に深々と突き刺さる。



でも、効果は有った。そこから、一つの影が出てきたから。





「・・・へぇ、これを見抜くんだ」



影は、完全に辺りの風景と同化してた。でも、僕の飛針での攻撃を避けて、姿を表した。

・・・出てきたのは、黒い皮のボンテージに、ボンキュッボンな体型。フェイトと同じくらいの身長の、黒いストレートの長髪に金色の瞳の・・・女。



「まさか、幻術っ!?」

「ご名答・・・としておくわね、ギンガ・ナカジマ陸曹」

「でも、デバイスのセンサーにはなにも・・・」

「はぁ・・・。なんつうか、アンタ、バカじゃないの?」



女が呆れたようにため息を吐いた。そして、ギンガさんを嘲笑うように見る。



「魔法なんか無くたって、そういうのを行使する方法はいくらでもあんのよ。察知する方法もまたしかり。
現にそこのおチビちゃんは、私が気配も消してたのに見抜いた。アンタ・・・つか、局の魔導師か。いくらなんでも、魔法やデバイスに頼り過ぎよ」





・・・ま、そこは同意見だ。



僕が御神流の技を盗もうと思ったのも、魔法無しな状況だと、魔導師がただの人になるって、イレインの一件で身を持って知ったからだし。

適正0な飛針と綱糸の扱いを何とかしようと思ったのも、魔力サーチの類いに引っ掛からない攻撃手段が欲しくて・・・だしね。



今さらながら、快く話を聞いてくれた士郎さんと恭也さん達に感謝だよ。僕、完全な部外者だったのにさ。





≪・・・それで、そんな話をするためにわざわざ待ち伏せていたんですか?≫

「んー、ちょっと違うな」



女がニヤリと笑う。すると・・・右手に持って居た銀色の銃を僕達に向けて来た。

銃身の下の方が、刃になっている銃を。



「戦いに来たの」



・・・やっぱりか。



「あなた、自分が何を言ってるか分かってるんですかっ!? 私達は今」



僕はギンガさんの服の肩を左手に掴み、思いっきり後ろに投げ飛ばす。それから、カードを3枚出して、投げる。

カードは、発動すると通路を塞ぐようにして氷を作った。・・・いつの間にかギンガさんに放たれていた銃弾を氷漬けにして。



「・・・あら、見抜かれてたか」



氷の向こうから、女の声が聞こえる。でも、それに構わず、僕はギンガさんを引っ張って、来た道を戻る。



「な・・・なぎ君っ!!」

「・・・ギンガさん、二手に分かれるよ」

「えっ!?」

「ギンガさんは予定通り六課フォワード陣に合流。で、僕は・・・」





アイツの相手だ。この状況で出てきた事を考えると、スカリエッティ関係な奴なのは間違いない。

で、そんなのが『戦いに来た』とぬかして僕達の行く手を塞ぐ。



つまり・・・アレは足止め。もうレリックには、何かしらが向かっている可能性がある。





≪そして、フォワードの方々も同じように襲撃される可能性があります。手数は必要でしょう≫

「でも、なぎ君一人じゃ・・・!!」

「大丈夫だよ。つか・・・アレは僕向きだ」



どうやってるかは知らないけど、魔法じゃない方法で姿を消したりしてる。

・・・そういう奴の相手、したことが無いわけじゃない。大丈夫、いける。



「・・・分かった。でも、絶対に無茶しないでっ!!」



それだけ言うと、ギンガさんが丁度通りがかったわき道を抜け、そのまま走って行った。

・・・さて、どうするかな。後ろで何かが崩れ落ちる音も聞こえたし。



≪場所の移動・・・ですね。この狭い場所であれとやり合うのは、辛いですよ。まぁ・・・≫





僕は、その瞬間右に跳んだ。今まで居た方向を、銀色の何かが数発、鋭く突き抜ける。

そして、それを放った影が一気に近づいて来て、右腕を振るった。だから・・・思いっきり前に飛び、転がりながら後ろに振り向いた。



見ると、壁に1本の細い筋が出来ていた。そして・・・居た。女が。





≪逃がしてくれれば・・・ですよね≫










・・・そうだね。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・さて、我が娘とどこまで張り合えるか、見ものですね」



画面の中で、一人の少年と女が戦い始めた。それを俺とコイツは見ている。



「・・・随分楽しそうだな」

「そう見えます?」

「見えるな」



・・・お前の娘とやらの相手は、あのヘイハチ・トウゴウの弟子だと言うのに。

俺やレジアスの世代では、英雄と言える人が見込んだ男だ。風の噂で色々聞いてもいる。相当だろう。



「そうですね、今までの戦闘経歴からも、相当です。今の局の温い魔導師風情とは・・・あぁ、申し訳ありません」



男は俺を見て、申し訳なさそうな顔をして、笑う。



「あなたもその局の魔導師でしたね」

「昔の事だ。それより、どうする」

「あぁ、手こずっていますね。困りました、これでは捕獲出来ない」



・・・全く困っているように見えないのは、気のせいではないだろう。



「・・・まぁ、いいでしょう。方法もタイミングも、いくらでもありますから。今である必要はありません」

「そうか」

「あなたはどうします?」

「俺は別にやることがある。・・・お前達とはスカリエッティと同様、レリックが絡まぬ以上協力する必要はないしな」

「寂しいものですね・・・。まぁ、仕方ありませんか」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


飛び込み、アルトを振るう。女の銃の刃と、それをぶつけ合う。




その度に薄暗い通路に火花が散り、手に衝撃が伝わる。

女が後ろに飛ぶ。そうして、銃口を向けて引き金を引く。

撃ち込まれた数発の銃弾を、アルトで斬り払っていく。そうしながら、女へ踏み込む。





アルトを左から打ち込む。女はそれをしゃがんで避けると、至近距離で僕の腹に向かって発砲。

それを身を捻って回避。上段から打ち込む。女はそれを転がりながら避けると、飛び込みながらまた乱射してくる。

同じようにアルトで斬り払っていると、どんどん距離が縮まり・・・女が消えた。





上を見ると、、女が宙を飛んでた。そして、僕の背後に着地すると、また撃ってこようとする。

振り向く勢いを利用して、アルトを銃に叩きつけ、銃口を逸らす。と同時に、放たれた銃弾は僕の腕を掠める。










「・・・くっ!!」










女が顔をしかめる。・・・当然だ、徹を撃ち込んだんだから。今、手が痺れてるはず。

普段は使わないんだけど・・・もうんなこと言ってられないっ! ここでキッチリ潰すっ!!





続けて攻撃しようとする。でも、女はしゃがむと、僕の胸元目掛けて蹴りを叩き込んできた。

それを僕はガード出来ずにマトモに食らい、吹き飛ばされる。





受け身を取って、飛びかかろうとした時、銃弾が襲ってくる。当然、僕はそれを斬り払う。避けるスペース、あんま無い。





・・・くそ、魔法使う隙が無い。というか、僕はどうしてこういう近接寄りなのとやり合うのが多いのか。










≪そういう星の元で生まれたんでしょ≫

「どういう意味っ!?」

「・・・アンタら」



女が目の前から消えた。そして、今の声は後ろから。



「余裕あるわねっ!!」





振り返り、アルトを上から打ち込む。女が銃の刃で受け止め・・・いや、半身になって、斬撃を避けた。



そこから流すように僕に銃口を向けて、引き金を引く。

咄嗟に横に飛び、銃弾を避ける。そこから踏み込んで、アルトを横から振るう。女は後ろに飛びながらそれを避け、また撃ってくる。





「おかげ様でねっ!!」





弾丸を斬り払いながら、思った。・・・これ、また徹を打ち込めるか分かんないな。さっきので潰せなかったのは、痛かった。



とにかく・・・あれ?



女の動きが、止まった。というか、銃を下ろした。





「・・・時間切れか」

「・・・へ?」



瞬間、すごい振動が通路を襲った。



「全く、ルーテシアちゃんももうちょい考えて行動して欲しいわね。私まで潰れたらどうすんのよ・・・」

「・・・あの、どういうことでしょうか」

≪すみません、この人脳筋なんで、ちょっとアレなんですよ≫



脳筋言うなっ! 僕はバリバリの知性派よっ!?



「あぁ、なるほど・・・」

「アンタ、なに納得してんのっ!?」

「ま、脳筋のアンタでも分かるように言うと・・・」



女の足元に魔法陣が広がる。これ、転送魔法っ!?



「そこに居ると、召喚獣にペチャンコにされちゃうってことかな」





それだけ言うと、女の姿が消えた。



・・・召喚獣っ!? え、マジですかっ!!





≪マジです≫

「それを早く言ってよっ! とにかく・・・逃げるよっ!!」

≪やっぱり脳筋・・・≫

「うっさいバカっ!!」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・アルト」

≪はい≫

「人間、必死になれば、なんでも出来るね」

≪そうですね。陽の光があることがこんなに幸せだと、私は再認識しましたよ≫





・・・必死に崩落しかけの下水道を走りに走って、なんとか僕とアルトは脱出した。というか、マンホールから身体を出してる途中。

ついつい別区画に入れるくらいの距離まで、全力疾走してしまった。だって・・・上への通路、潰れてたんだもん。



いや、今回は真面目にしんど・・・あれ?



なんでしょ。あの妙なスーツを着ている青い髪の人は。というか・・・あのテンプレート・・・。



あ、消えた。つか・・・高速移動?



次の瞬間、凄まじい爆発が空中で起こった。





「・・・なんじゃありゃっ!?」

≪高町教導官と、フェイトさんの砲撃ですね。まぁ、賊には逃げられたようですが≫



・・・つまり、あの青いおねーさんは、その救援か。



≪そうです。それに・・・≫

「気付いた?」

≪当然です。どうやら、出てきたみたいですね≫





僕は、あのおねーさんの足元に出てた歯車に似たテンプレートに見覚えがある。

そして、あの高速移動に関しても、魔力は感じなかった。



つまり・・・あの青髪おねーさんは・・・。





「戦闘・・・機人」










・・・よし、とりあえずマンホールからちゃんと出よう。これじゃあカッコつかないや。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



こうして、召喚師やら、戦闘機人やら、女ガンマンやらが出てきた戦闘は、なんとか終わった。





で、ようやく・・・約束が果たせることになった。










「・・・お約束のもの、アメイジアと金剛に送っておきました」

『そうか。やっさん、ありがと。ホントに助かったわ』



そう、ヒロさん達から頼まれていた召喚師の映像データだ。ヒロさんと通信中。

・・・そのために、108へわざわざ来なきゃいけなかったけどね。なお、今は108隊舎の中庭の隅っこです。



「それと・・・」

『それと?』

「恐らくですけど、召喚師の名前、分かりました。・・・ルーテシアです」

『やっさん、それマジ?』



ヒロさんの言葉に頷く。その子と一緒に居たっていうリインサイズの女の子も『ルールー』とか呼んでたって言うし、間違いないと思う。



『・・・そっか。やっさん、明日明後日・・・とにかく、近い内に会いに来て。色々話さなきゃなんないから』

「通信じゃ、ダメなんですね」

『そういうこと。悪いけど、お願い』

「了解です」










・・・そこまで言って、通信は終わった。しかし、バレたらマズいよなぁ。





いや、事件関係で有益な情報だから、ヒロさんの確認が取れたら、自分達から六課には話すとは、サリさんに言われてるけどさぁ。

あと・・・自分達も暴れるから、いざと言う時は一緒に動いて欲しいとも言われた。





つか、召喚師に一体何があんのよ?










≪・・・なにかあるんでしょ。というか、私もあの人とは付き合い長いですけど、あれは初めてですよ≫

「・・・そっか。ま、ここはいいね。とにかく明日にでも」



言いかけて気付く。後ろに気配がする。つか・・・視線が突き刺さっている。



「・・・なぎ君」



振り向くと・・・居た。鬼が。

あはは・・・。もしかしなくても、聞かれてた?



「うん、聞いてたよ。少し、お話しようか」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・で、どーよ。ヒロ」

「・・・ぶっちゃけちゃえば、分かんない」





そうかそうか、そりゃよかった。



・・・・・・おーいっ!? なんだよその返事はっ! やっさんが危ない橋渡って情報くれたってのに、それはないだろっ!!





≪主、仕方ありませんよ。ヒロリス女史は、1歳のルーテシア嬢しか知らないのですから≫

「・・・それもそうか」



1歳って言ったら、まだ赤ん坊だしな。10歳の今と見比べて、同じとは、俺でも断言出来ない。



「・・・たださ、瞳の色とかは同じなのよ。目元の印象も。この子がクローンとかでも無いかぎりは・・・大丈夫だと思う」

「・・・そっか」



なら、安心・・・のはずだ。



「で、これからどうするのよ?」

「まずは、クロノ提督経由でこの情報を六課に流す。・・・お前の名前は出さないから、安心しろ」



なんにしても有益情報。俺達だけで独占するのは、損以外のなにものでもない。

噂に名高いハラオウン執務官や八神特別捜査官・・・部隊長なら、きっと役立ててくれるし、ルーテシアの保護にも力を注いでくれる。



「ま、そうだね。あそこはレリック専任だし、これからも関わっていくか」

「そういうことだ。あと・・・だな」

「サリ、もう一度聞くけど、マジなの?」

「マジだ。アコース査察官にも動いてもらったから、間違いない」

「なら間違いなしか。ロッサ、そういうの得意だしね」



・・・かなり解せないけどな。いや、理由なんざ1つしか無いんだが。



「あー、それでヒロ。アコース査察官から伝言だ。騎士カリムが相当心配してるらしい。とにかくすぐにうちに来いってさ」

「あの子は・・・。つか、ロッサもなんで話すのさ。めんどくなるのは目に見えてるのに」

≪姉御、そう言うなよ。カリムのねーちゃんの事だから、ロッサに無理矢理吐かせたんだぜ?≫

「・・・そうか。納得したよ」





・・・男って、弱いよな。色んな意味で俺もそれを味わってるよ。



あと、騎士カリムが相当心配している人間がもう一人居る。それはやっさんだ。

つか、弟がもう一人出来たみたいに可愛がってる。修行の時に紅茶の淹れ方やらピアノやら教えている時の姿を見るに、相当だった。



内心、またやっさんがフラグ立ててるんじゃないかと心配してたのは、内緒にしてて欲しい(大丈夫だったけど)。



・・・で、やっさんの名前がここで出る事に疑問な方々も居るだろう。もちろんちゃんと理由がある。





「なんにしても、一回やっさんに会ってからか」

「そうだね。・・・ね、今日ギンガちゃんと一緒の所にやってきた襲撃者ってもしかして」

「可能性はかなり高いな」





ギンガちゃんを狙って・・・というのも考えた。でも、それはすぐに可能性から外した。

それなら、やっさんとクロスファイトするわけがない。真っ先にギンガちゃんを追うはずだ。



なら、あの襲撃者の狙いは・・・。





「なんにしてもアレだ。どうやら俺もお前も、ルーテシア・アルピーノの事がなくても、関わる運命だったってわけだ」

「全く、私らはロートルだって言うのに・・・。ま、いいさ。それなら後悔させてあげようじゃないのさ。私らを巻き込んだ事をね」

「そうだな」

「・・・ジェイル・スカリエッティ、潰してあげるよ」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・それで、渡したんだ。映像データを」

「そ、そうなるのかな・・・」

「なぎ君、一体なに考えてるのっ!? いくらなんでもこれは無いよっ!!」



いや、その・・・ね。結果的に戦力強化になるし、事件の有益な情報が得られるならいいかなと・・・。



「・・・ほら、結果良ければ・・・・・・よくありませんよね。はい、分かってました」



ヤバい。ギンガさん、怒ってる。今までで一番・・・! あぁ、家に帰ってから通信すれば良かったっ!!



「どうしていつもそうなのっ!? 犯罪スレスレなことも、規約違反も今回だけの話じゃないっ! いっつも一人で暴走して、被害ばかり拡大させてっ!!」

「あの、ギンガさん。落ち着いて・・・」

「ねぇ、どうしてっ!? こんなのなぎ君だけだよっ!! 他の嘱託の人達はちゃんとしてるっ! なのになぎ君は、どうしてちゃんとしてくれないのっ!!」



いや、だから、そのね? つか、ちゃんとしてないわけじゃ・・・。



「・・・もういい」

「え?」

「私、もう知らない。そんなに暴走したかったら、すればいいよ。・・・なぎ君のバカ」





そこまで言って、ギンガさんは踵を返し、スタスタと歩いて行った。



・・・アルト。





≪はい≫

「どうしよ・・・」

≪今回は、私達が完全に悪いですしね。言い訳出来ませんよ。まぁ、しばらく様子を見ましょ≫



そうだね。事件が好転すれば・・・。でも、なんだかなぁ。



「僕、ギンガさんに心配かけまくってたんだよね」

≪でしょうね、無茶しまくってましたから。今回ので一気に吹き出したんでしょう。ただ・・・それでもでしょ?≫

「うん。・・・取りこぼしたくなんて、なかった」





そんなの、絶対に嫌で、認められなくてさ・・・。



ギンガさんだけじゃなくて、みんなに言われても、これは変わらなかった。手を伸ばすことを、躊躇いたくないって気持ちは。





「・・・アルト、帰ろうか」

≪そうですね≫










そうして、僕達は108部隊の隊舎を後にした。




時刻はすでに夕方。見上げた夕日がやけに悲しい色に見えた。





・・・ケンカ、しちゃったな。どうしよ。




















≪・・・マスター≫

「なに?」

≪メールです。これは・・・カリムさんからですね≫



カリムさんから・・・なんだろ。



≪画面、出しますね≫



アルトが出してくれた空間モニターに映るのは、カリムさんからのメール。

それに目を通すと・・・。



「明日、聖王教会に来て欲しい・・・だって」

≪また突然ですね≫

「確かにね。・・・なんかあったのかな?」




















(ミッション03へ続く)




















あとがき



古鉄≪さて、こんな感じで終わったミッション02、いかがだったでしょうか?
私、古き鉄・アルトアイゼンと・・・≫

恭文「蒼凪恭文です。・・・さて、出てきましたよっ! 色々とっ!!」





(そう、この話では初。オリジナルの敵登場である)





恭文「今回は、そんなお話も絡めつつTVの10話〜12話のお話だね。もちろん、六課とはほとんど絡まないと」

古鉄≪絡んだら、本編が矛盾するでしょ。なので、レジアス中将の話なども出てくるのです。そして・・・≫

恭文「ケンカ・・・したね」





(青い古き鉄、少々落ち込む。何かを思い出してるような顔になる)





古鉄≪まぁ、あれは完全に私達が悪いですしね。ブッチギリで違法行動ですし≫

恭文「ま、まぁね。普通なら大問題ですよ。とにかく、次だね」

古鉄≪はい。マスター脳筋ですけど、それでも話は続くんです。まぁ、聖王教会の名前を出した時点でお気づきかも知れませんが≫

恭文「次は、あんな方やこんな方が登場しますっ! お楽しみにっ!!
・・・それでは、蒼凪恭文とっ!」

古鉄≪古き鉄・アルトアイゼンでしたっ! それでは・・・またっ!!≫










(二人、カメラに手を振りながらフェードアウト。
本日のED:タイナカ サチ『きらめく涙は星に』)




















ヒロリス「・・・さて、どうカリムに連絡取るか」

サリエル「普通に話すしかないだろ。もう今回の一件でこそこそ動いてるのもバレてるんだし、下手な言い訳は進めないぞ?」

ヒロリス「分かってるよ。あとは、やっさんか」

サリエル「ま、アイツは大丈夫だろ。むしろ、こういう状況で強いタイプだ」

ヒロリス「・・・いや、そっちじゃなくてさ」

サリエル「他になんかあるのか?」

ヒロリス「通信切る直前に、見えたの。・・・ギンガちゃんの生き霊」

サリエル「・・・マジか」

ヒロリス「マジだよ」










(おしまい)






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