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小説(魔法少女リリカルなのは:二次小説)
第15話 『世の中は思い通りにはならない。だけど、報われる時もある』:2



・・・とにかく、そんな感じで楽しく話しながら、時間は過ぎていった。





今年起きたこと、ヴィヴィオのこと、六課でのこと、色々話した。凄く楽しくて、幸せで・・・平和な時間。





うん、本当に帰って来たんだ。・・・よかった。




















そして、夕方になろうかという時間。・・・あのお方が来ました。




















「恭文ーーーー!!」

「回避っ!!」










僕達が居たリビングのドアを開けて、僕の姿を確認した途端、いきなり抱きつこうとしてきた女性が出てきた。



僕は、ソファーから即座に立ち上がり、背中に敷いていたクッションを、全力で分投げる。そして・・・飛ぶっ!!

跳躍した僕は、テーブルを飛び越え、部屋の真ん中に着地。そして、そのまま襲撃者がいる方向とは逆に、素早く数歩下がる。



襲撃者は、僕のぶん投げたクッションをひらりと回避すると、僕へと迫ってきたが、間合いとタイミングをずらされて、その場に踏みとどまった。

ちっ、さすがにこれでは崩れないか。










「ひどいよ〜。久しぶりにあったのに、どうして逃げるの?」

「美由希さんがいきなり抱きつこうとするからじゃないですか。
というか、年齢を考えてくださいっ! 僕も大人だし、あなたも大人ですよっ!?」

「いいじゃない別に。恭文がちっちゃいのがいけないんだよ?」

「ちっちゃいって言うなぁぁぁっ! そしていけないってなんだよいけないってっ!?
謝れ! 全てのちいさな巨人達に頭を垂れろっ!!」










エリキャロとヴィヴィオは驚いてるけど、他のみんなはいたって冷静。というか、桃子さんにいたっては、この襲撃者の応援までしてる。



僕にいきなり抱きつこうとしてきたのは、一人の女性。

黒髪を一つの三つ編みにして、眼鏡をかけている。そして、スタイルは・・・抜群にいい。



多分、100人に聞いたら、90人くらいは美人と答えるだろう。僕も答える。



・・・このお姉さんは高町美由希。

なのはの姉さんで、僕とは10歳以上離れた友達・・・というかオモチャ。僕が美由希さんのね。










「そんなこと思ってないよ〜。ただ、ちょっとからかって遊んでただけで・・・」

「それをオモチャと言うんですけど?」

「あ、それなら恭文も私のことそういう風にしていいよ?」

「はぁっ!?」



いきなりなにを言い出すんだこの人は。



「いや、私からばっかり抱きついたりしてるから・・・たまには、いいよ? 恭文から抱きついても。
それ以外のことも、優しくしてくれるなら、なにしてもいいよ」

「謹んで遠慮させていただきますっ!」





なぜ『こんな美人の告白紛いの言葉を断るのか?』・・・だって?

簡単だよ。今のこの人の瞳の奥にある、妙に艶っぽい感覚に恐怖を覚えたからだよっ!

あと、何度も言ってるけど、僕はフェイトが本命だからっ!!





「なら仕方ないなぁ。私から抱きつくね」

「にこやかに笑って言うなぁぁぁぁっ! そしてなにが仕方ないんだよなにがっ!!」





そう言いながら、美由希さんは僕ににじり寄る。

まずいな、身のこなしやらなんやらは美由希さんの方が上だし・・・どうすりゃいいのさこれ?



・・・そうだっ!!





「美由希さん、重大な連絡事項があります」

「連絡事項? ・・・あ、そうだっ!」

「・・・ひどいなぁお姉ちゃん、なのはのことより恭文君が先なんだもの」

「なのはっ! フェイトちゃんも、久しぶりー!!」





そう言って、美由希さんはなのは達の方へと駆け寄っていく・・・。

助かった〜、なのはが居てくれてよかったよ。たまには横馬も役に立つね。

美由希さんに捕まったら、撫でられハグハグされて匂いをかがれて・・・・すずかさんと同じようにされるからな。



正直、大人の女性である美由希さんにそういうことをされると・・・・本気で理性がぶっ飛ぶ。





≪フェイトさんはダメなのに、本命以外でこうなるというのが、マスタークオリティというかなんというか・・・≫

「気にしないでアルト、つか、疲れた・・・」

「ナギ、アンタも色々と大変ね」

「そう思うなら助けてよアリサ」





というか、基本みんな傍観ってどういうことさ?

特に高町夫妻。年頃の娘が10歳近く歳が離れてる男の子を追っかけまわす事に対して、不安はないのか?





「無いそうよ?」

「あの人たちは・・・」

「あと、私に助けを求めないで、自分でなんとかなさい。例えば・・・誰か、フェイト以外の女の子でもいいから、恋人を作るとか」



『フェイト以外』の部分は聞き逃すことにした。まぁ、そこはいいさ。でも、確かにそれが一番良い方法か・・・。



「そうすれば、美由希さんとすずかだって、さすがに自重するわよ。報告の時には、間違いなく修羅場になると思うけど。
・・・腕っ節の強い子と付き合ったほうがいいわよ? 突然お別れになりたくなかったらね」



かなり真剣な表情で、アリサが僕に語りかけてくる。・・・こやつは。



「不吉なアドバイスありがとう。心から感謝するよ・・・。でも、相手居ないんだけど。というか、フェイト以外に興味無いし」

「アンタね・・・」



へたり込む僕の傍に来たアリサと、そんな会話をしつつも、美由希さんはヴィヴィオとさっそくスキンシップ。楽しそうな顔してるなぁ。



「美由希さん、なのはのこと可愛がってたしね。年下にたいしてはついあぁなるんでしょ。てか、アンタに対してだってそれよ。美由希さん、弟は居ないんだし」

「・・・そうだね」










そう考えていると、携帯端末に通信が届く。・・・このアドレスは。

通信モニターを・・・って、だめだめ。ここは管理外世界なんだから。端末を音声通話モードに切り替えて、回線を開く。










「もしもし?」

『はろー!』

「・・・やっぱりエイミィさんか」

『なによー! なんか不満でもあるの?』

「だって、人妻だとロマンスに発展する可能性無いじゃないですか」

『・・・あの事、みんなにバラすよ? 君が私の着替え中に部屋に突撃して』

「ゴメンナサイ。チョットシタジョォクナノデ、ソレダケハユルシテイタダケルト、アリガタイデス」





僕に通信をかけてきたのは、エイミィ・ハラオウン。



フェイトのお兄さんである、クロノ・ハラオウンの奥さんで、これまた昔からいろいろとお世話になっている人だ。

今は、クロノさんとの間で生まれた双子の子ども達『カレル』と『リエラ』のお母さん。

なんというか・・・お母さんになってから、雰囲気がすっごく大人っぽくなったんだよね。それまではちょっとだけ子どもなところがあったんだけど。





『ちょっと、今なにか失礼なこと考えなかった?』

「いえ、なんにも」

『ホントに〜? まぁいいけどね。とにかく、恭文くん』

「はい」





・・・あれ? エイミィさんの声が、なんか真剣だぞ。僕なにかしたか?





『・・・おっかえり〜! いやぁ、久々の帰郷は楽しめてるかな?』

「なんで、いきなりいつもの調子に戻るんですかっ! ビックリしたじゃないですか」

『いやぁ、ついつい・・・ね。クロノ君から、相当危ない目に遭ったって聞いてたから、義姉としては、やっぱ心配だったのよ』

「すみません・・・」

『謝んなくてもいいよ。ちゃんと、フェイトちゃんや、リインちゃんとの約束、守れたんだしね』





本当にギリギリでしたけどね。というか、ちゃんと守れたのかどうか、やっぱり自信が無い。





「ま、暗い話はおいといて・・・。それで、今はなのはちゃんち?』

「はい。皆でマッタリしてたとこです」

『そっかそっか。じゃあ・・・美由希ちゃんも帰って来てる?』

「えぇ、たった今。代わったほうがいいですか?」



今、使っている端末は、管理局印のものではあるけど、美由希さんはなのはの姉。

その関係で、今まで散々魔法文明の物も見ているし、問題は特にない。



『あー、なら代わってもらってもいいかな? ちょっと相談したいことがあるから』

「了解、ちょっと待っててくださいね・・・美由希さん、エイミィさんから電話です。ちょっと相談したいことがあるって」

「エイミィから? 分かった、ちょっとコレ借りるね」





僕から端末を借りて『もしもし?』と話し出した途端、すっごく楽しそうに喋りまくる。

まぁ、仕方ないか。確か・・・10年来の大親友だっけ?



これは、美由希さんとエイミィさんの二人から直接聞いたのだが、二人はなのはとフェイトが友だちになって少し経ってから、なのは達が縁で出会ったそうだ。

で、会った早々意気投合。

一緒にお風呂で裸の付き合いを経た後に大親友となった・・・どんな体育会系ですか。



それは、エイミィさんがクロノさんと結婚して、美由希さんが一人取り残された寂しさをかみ締める夜を経験したとしても変わることはなか・・・・痛い!

痛いから美由希さん、アイアンクローはやめてっ! あなたの腕前でそれやるとシャレがきかないからっ!!





「あー、ごめんねエイミィ。恭文が失礼なこと考えてたからお仕置きしてるの。
・・・え? いやだぁ〜、別にそんなんじゃないって」



あぁ、やばい。なんか痛みが強すぎてなんにも考えられなくなって・・・。



「うん、わかった。それじゃあ時間は・・・うん、それくらいに行くね。
みんな大丈夫だと思うから。うんうん・・・それじゃあ後でね」





・・・・・あぁ・・・・かわが・・・・みえる・・・・・・。





「お姉ちゃん。恭文君がっ! 恭文君がグッタリしてるからっ!!」

「え・・・? あぁっ!!」





薄れた意識の中で、美由希さんが手を離した感覚だけは分かった。でも、そのまま・・・。





倒れこみそうになるが、美由紀さんがすぐに抱き寄せた。女性特有の柔らかい感触といい匂いが身体と鼻をくすぐる。

・・・何回も抱きつかれたりしてるから知ってはいるけど、やっぱりこの感覚は慣れない。無意味にドキドキしちゃうもん。





「や、恭文っ!? ごめん、加減忘れてたっ! ね、大丈夫? しっかりしてー!!」

「み、美由希さん・・・、そんなんだから結婚出来ないんですよ・・・?」

「・・・はい」

≪マスター、その状態に追い込まれてもツッコミは忘れないんですね・・・≫

「だね。・・・って、アルトアイゼンっ! 久しぶり〜。元気してた?」

≪はい、マスター同様です。・・・なるほど≫

「どうしたの?」

≪いえ、美由希さんの中では、私は高町教導官より後に挨拶しても問題ない存在なんだと思いまして≫

「へ!? いや、違うから。そんなことないよ?」

≪いいんですいいんです。どうせ私なんて・・・・・≫










・・・アルト、美由希さんからかうのも程ほどにしときなよ? 正直きつかったから、僕は止めないけど。





とりあえず、ただただ平謝りな美由希さんの膝枕で(強引にこの状態に移行された)少し休憩しながら、感覚が元に戻るのを待つ。

といいますか、あれは女性の握力じゃなかったって。強化魔法使ったベルカ式の魔導師とタメ張れるよ。









「アンタ、それをやられた相手の膝枕を満喫しながら言うことじゃないわよ」

「・・・ほっといて。まぁあれだよ、心地よい感覚が悪いんだ」

「あははは。なら、これからずーーっとしてあげようか?
恭文が膝枕好きなら、すぐに出来るように、私も向こうの世界に行って、そばに居るからさ」



美由希さんが、どこか艶っぽい瞳で僕を見つめながら、そう言ってくる。

・・・からかわないでくださいよ。美由紀さんは僕のことそういう風には思ってないでしょ?



「思ってるって言ったらどうする?」

「・・・へっ!? いや、それはあの」



いや、別に美由希さんくらい綺麗だったら、僕みたいなのよりいいのがいくらでもいるだろうし。



「そんなの関係ないよ。
というか、恭文は、私が好きでもない男の子に簡単に抱きつくような子だと思ってたんだ。なんか、ショックだな・・・・」

「いや、思ってないですからっ!!」

「ホントに? ふふ、だったらいいよね〜♪」

「いやなにがっ!?」

「だって、私はずーっと恭文のこと見てたよ? 抱きつくのだって・・・そうだからなんだけどなぁ」



ヤバイ。この状況はヤバイ。というか、年齢が離れすぎてるような・・・。



「あら、愛に年の差は関係ないわよ。ね、アナタ?」

「そうだな。恭文君、美由希は多少落ち着かないところがあるかもしれないが、いい子だと思う。
私としても、君が本当の息子になってくれるなら実にうれしいしな」

「・・・だそうだよ。どうする〜? 私は、別に構わないよ。
まぁ、フェイトちゃんには負けるかもしれないけど、私だってそこそこだと思うんだよね」





ニコニコしながらそう口にするのは、高町夫妻と当の美由希さん。いや、それはその・・・。

というか、フェイトの前でそんなこと言うなっ! なんか応援オーラが出てるからぁぁぁぁぁっ!!



からかわれてるだけだと思うけど、でも、そうじゃなかったら美由希さんのこと傷つけるし・・・。

だけどこのままだとほんとに高町家に婿入り・・・でも・・・・・どうすりゃいいんだよぉぉぉぉっ!!





「もうっ! みんなでからかっちゃだめだよっ!! 恭文君、すっごく困ってるよ?」

「そうですよっ! おじ様もおば様も自重してくださいっ!!」





助け舟を出してくれたのは、なのはとすずかさん。

二人にそう言われて『はーい』と口を揃える女性二人と『すまんすまん』と平謝りの士郎さん。

・・・助かったー! やっぱ神は居るんだ。ちゃんと僕を助けてくれるし。





「それに、なぎ君は月村家に婿入りするという正式な約束があるんです。それを・・・」

「あるかぼけぇぇぇぇぇぇっ! なに勝手に人の進路決定してくれてるんですかアンタはぁぁぁぁっっ!!
そんな約束した覚えないわっ! つか、婿入りって誰の婿になるんですか誰のっ!?」

「え? そ、それは・・・当然、私の・・・」



顔を赤らめるなぁぁぁぁぁぁっ!!



「あ、あのすずか。ヤスフミは、ちょっとキツイところもあるけどいい子だから、仲良くしてあげてね?」

「うん♪」

「そこ勝手に話を勧めるなぁぁぁぁぁっ!!」

「ヤスフミっ! すずかのどこが不満なのっ!?」

「すずかさんというより、僕の意思とは関係のないところで話が進んでるのが不満なんだよっ! せめて、僕の許可を取れ僕の許可をっ!!
僕の意思は完全無視ってどういうことだよっ!!」





あぁ、疲れる。

というか、ここでしっかりツッコまないと、本気でそうなりかねないのが辛い。あの、どうしてこんなことに? 僕はフェイト一筋なのに。





「そうですっ! みんな好き勝手言いすぎですよっ!!」

「あ、リインさんが味方してる」

「やっぱり、なぎさんが大事なんですね」

「当然ですっ!!」










そりゃあまぁ、付き合い長いしね。こうなるのも当然。あぁ、ここはアウェイじゃなかった。そう、ここは天国だったんだっ!!










「そういう話はっ! この元祖ヒロインであるこの私、祝福の風・リインフォースUにきっちりしっかり事前に話を通してからにしてくださいっ!!
もちろん、全力で却下しますっ!!」

「お前もかぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」

「リイン曹長、恭文とラブラブだもんね〜」

「はいです♪」

「違うからっ!!」

「違わないですっ! リインと恭文さんは、アルトアイゼンも合わせて三人で古き鉄じゃないですかっ!!
どうしてそういうこと言うですかっ!? リインが・・・リインが嫌いになったですかっ!!」



そういう話じゃないからぁぁぁぁぁぁっ! つか、ラブラブって明らかに恋人空気じゃないのさっ!! おかしいからっ!!



≪マスター、なにを今さら。リインさんが居たからこそ、今のマスターが居るんじゃないですか。
元祖ヒロインであるリインさんを無視して幸せになることなど、許されるはずがないでしょ≫





くそ、言っていることがもっともらしいのが余計に腹立つっ! どうなってんのさこれっ!?





「・・・でも、よかった」

「え?」

「私・・・まぁ、すずかちゃんもそうだけど、結構心配してたんだ。少しだけ話は聞いてたから。
こうやって、恭文とまた会えて・・・本当によかった」



寂しそうな、悲しそうな色合いの瞳。それを見ていると、非常に申し訳のない気持ちになってくる。

やっぱり、相当心配かけてたんだよね。なんというか・・・ごめんなさい。



「いいよ。ちゃんと帰って来て、いつも通りの顔を見せてくれた。それだけで、私嬉しい。・・・恭文、お帰り」

「・・・ただいま、美由希さん」



僕がそう言うと、美由希さんは笑顔で応えてくれた。なんというか、お姉さんには勝てない。うん、そう思った瞬間だった。



「そーだよ? お姉ちゃんは強いんだから」

「・・・よく知ってます」



ギンガさんもそうだしね。うん、あれも強いわ。あー、そういえば聞きたいことがあったんだ。



「美由希さん、さっきはエイミィさんと何話してたの?」



膝枕な体制のまま、美由紀さんに聞いてみる。

・・・瞳に先ほどまでの艶っぽい光は既になく、友だち・・・というかなのはを見る時のような優しい光を秘めて、僕を見ている。

うーん、やっぱりさ。それはその・・・ちょち、恥ずかしいな。



「あ、うん。もしよかったら、夕飯は家で食べないかって。なんかリンディさんが張り切って作ってるらしいんだよ」

「母さんが?」

「あー、フェイトと僕が帰ってくるってのもあるし、チビッ子二人がハラオウン家初上陸ってのもあるから、頑張りまくってるんでしょ」

「うん、そうみたい。あとね、その前に、みんなでスーパー銭湯に行かないかって」





ちなみに、海鳴のスーパー銭湯は僕も当然行ったことがある。

何種類もお風呂があって、どれもこれも広くって楽しいんだよね〜。



・・・このコミュニティの中で男が、僕と士郎さんと恭也さんとクロノさんとザフィーラさんくらいしか居ないってことを除けば。

よくなのは達とつるんで暇があったのは僕だけだし、場合によっては一人ぼっちだよ? 仕方が無いとは言え寂しいって。





「そういうわけだから、みんな、これからお風呂タイムに入るよっ!」

「んじゃ、寝てもいられないかな。よっと・・・」



美由希さんの膝枕から頭を離して、身体をゆっくりと起こす。



「美由希さん、ありがとうね」

「いいよ別に。またして欲しくなったらいつでも言ってね」

「あ、なぎ君っ! 今度は私がしてあげるからっ!!」

「・・・謹んで遠慮させていただきます」



すずかさんがショックな顔してるけどそこは無視。



「なら、私がしてあげるですよ〜♪」

「・・・重くない?」

「大丈夫ですよ」

「うん、なら今度お願いしようかな」





まぁ、リインとはあれこれしてるしね。それくらいは・・・。





「・・・なぎ君、リインちゃんには優しいのに、私には冷たい」

「すずか、元祖ヒロインには勝てないのよ。諦めなさい」



元祖ヒロインって言うなっ!!



「当然です♪」

「当然じゃないからっ!!」



あー、最近リインがドンドン強くなってるような・・・。



「・・・あ、士郎さんと桃子さんはどうします?」

「おじ様、おば様、せっかくですし一緒に行きませんか?」

「いえ、私達はこのままハラオウン家の方に向かうわ」

「そうだな。リンディさん達だけでは大変だろう。少し手伝ってくるよ。私達のことは気にしないで、みんなで楽しんできなさい」



ふむ・・・。なら、ちょっとだけ申し訳ないけど、楽しもうかな。



「エリオ、キャロも、それで大丈夫かな?」

「はいっ!」

「前に入ったし、大丈夫ですっ!!」

「恭文〜。『せんとう』ってなにー?」



僕の手をくいくいひっぱってきたのは、今まで話を聞いていたヴィヴィオ。・・・あれ? ヴィヴィオって銭湯知らないの?



「ヴィヴィオは、そういう施設に行ったことがないから」

「なるほど、だったら行きながら教えてあげるよ。『せんとう』は、とっても楽しいところなんだよ〜」

「ほんと?」

「ほんとほんと」



僕のその言葉にヴィヴィオの顔が笑顔に染まる。

・・・うん、ヴィヴィオにとっては始めての銭湯か。楽しくなるといいなぁ〜。でも、『戦闘』とは違うからね?



「わかってるよー。ヴィヴィオを子ども扱いしないでー」

「あ、ごめんごめん。ヴィヴィオはもう立派なレディだもんね〜」

「はいはい、話はそこまでだよ。それじゃあ・・・準備出来次第、移動開始するよっ!」





美由希さんの号令をきっかけに、後片付けをささっと済ませていく。

といっても、僕が膝枕してもらっている間に大体のことはすませていたので、最終確認くらいなんだけど。





士郎さんがしっかりと施錠したのを確認してから、僕達は海鳴市が誇るスーパー銭湯へと向かうのであった・・・・。




















(第15話へ続く)




















おまけ:誰だって、悲しいときには何も出来なくなる。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・・・なぎ君とフェイトさん、それにエリオとキャロが旅行に出る数日前。11月の末も近づこうとしているある日。私は、六課隊舎に来ていた。



理由は、以前、なぎ君と約束した、囮捜査の報酬を持っていくため。だけど・・・。




















「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・スバル、なぎ君どうしたのっ!?」

「あ、あのね・・・。フェイトさんがデートに行っちゃったんだよ」

「・・・・・・・・はぁっ!?」










そう、隊舎に着くと、なぎ君が凄まじくへコんでいた。

体中から負のオーラを撒き散らし、いつもの飄々とした印象はどこへやら。完全に沈みきっていた。





あまりの様子に、周りに居る人間は全員なぎ君と距離を取っている。

だって、突然泣き出したり、前振りなく『京都へ行こう・・・』って言い出す有様なんだから。










≪・・・いちおう、覚悟はしていたんですよ。しかし、前振りなくこれだったので、さしものマスターもあれです≫





そして距離を取っているのは、たまたまメンテのために、シャーリーさんに預けられていたアルトアイゼンも同じ。

なお、私にはフォローしてとは言えない。だって・・・私にも無理だもん。





「というか、デートってどういう経緯で? フェイトさんは、そういう人居ないわよね」

「えっと、なんか局の方に誘われたそうなんです。ただ・・・」

「フェイトさんもまんざらじゃないみたいで、すごくうれしそうに、メイクもバッチリで・・・というか、なぎさんにしてもらってました」

「なぎ君にっ!?」





事情がさっぱりな私に補足を入れてくれたのは、エリオとキャロ。

・・・そういえば、なぎ君、どういうわけかメイクの技術があるのよね。まぁ、本当に最低限なものなんだけど。





「それで、フェイトさんにそんなにめかしこんで、どこに行くのかって聞いたらしいんです。
そうしたら、顔を赤らめて『デートだよ』って返事が来たらしくて・・・アレなんです」

「・・・それは、キツイわね」





フェイトさんも、なぎ君に頼まなくていいのに・・・。余計に傷ついてるよ、アレ。





「一応、スバルを投入もしてみたんです。アイツのことだから、ツッコんでいつも通りかなって。だけど・・・」

「『フェイトさん以外にも、女の子はいるよっ!』って言ったら、殴られたの〜」

「・・・KY発揮されて、周辺に対して怒りのオーラまで撒き散らし始めたんです」

「私KYじゃないもんっ! そうだよね、ギン姉っ!!」

「・・・スバル、お願いだからもっと空気を読んで」

「ギン姉までヒドイよー!!」





・・・・・・・・・・・・あぁ、どうしよう。アレ。というか、フェイトさんもどうしてっ!?

もしかして、なぎ君の気持ちを知ってて、それの拒絶のため? 確かにこれなら諦めもつくかもしれない。だけど、納得出来ない。





なぎ君、本当に一生懸命なはずなのに。たくさん、言葉を伝えてきたはずなのに。それにこんな返事の仕方・・・。こんなの、ヒドいよ。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・いや、付き合ってもらって悪いな。お嬢」

「いえ、こういう場で、男の方一人は辛いでしょうし」





いや、お嬢が空いてて助かったぜ。しかし・・・こういう場は好きになれねぇ。

どーにも社交的というか、思いっきり楽しむ場じゃねぇと思うしな。やっぱ、居酒屋あたりできゅーっと・・・。





「そういやお嬢、お前さん、酒は強いのか?」

「多少は・・・だけど、強いってほどじゃないです」

「そっか。じゃあ、あんま飲み過ぎねぇようにしないとな」










俺の隣りに居るのは、フェイト・T・ハラオウン。言わずと知れた六課の分隊長。

今は、黒いドレスに身を包んでる、パーティーとかデート用だな。





・・・で、なんで俺もタキシード姿で、お嬢と居るかってーと、局のお偉方さんのパーティーに参加するためだ。

だが、俺はこういう場が嫌いだから、参加したくなかったんだが・・・昔から世話になってる人だったから、どうにも断れなかった。





ま、美味い飯は出るだろうから、それを目当てに行こうとしたんだが、どうにもこうにも一人がまた辛い。

大体のやつはかみさんなり、娘なりをめかしこませて、連れてくるしな。





・・・スバルはアレだし、ギンガはギンガで、デカイケーキを仕込みながら、今日は報酬がどーたらこーたらとか言ってたしよ。

なんつうか、恭文との話じゃねぇけど、俺はアイツらの将来が不安だよ。ちゃんと男見つけられるのかね?



で、仕方なく、お嬢に相手を頼んだってわけだ。

八神は仕事が立てこんでてアウトだし、高町のお嬢ちゃんも、八神に確認したら、ダメだったのは、付け加えておく。





お嬢落とすためとかじゃねぇぞ? いや、本当に。つか、アイツが居るのに、そんな真似できねぇよ。

いや、実際美人だから、俺としてもこんな綺麗なねーちゃんのエスコートが出来るのは、男としては嬉しいがな。恭文のやつは、本当に面食いだな。





・・・クイント、頼むからシャンデリアの光に照らされて現れるのはやめてくれ。大丈夫、俺はお前だけだからよ。










「それじゃあ・・・いきましょうか、ナカジマ三佐」

「おい、その階級呼びはよせ。一応はプライベートなんだしよ」

「はい、それじゃあ・・・ゲンヤさん」

「おう、行くぞ。フェイト」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・どうしよう。





「まぁ、アレだ。放っておいていいぞ? いい機会なんだしよ。これで諦めもつくだろ」

「でも、さすがにアレは・・・」

「でも、今までフェイトちゃんにそういう相手が出来なかったこと自体がおかしいから。うん、もしかしたら・・・本当にいい機会なのかも」





相談相手は、先ほどから相手を変えて、なのはさんとヴィータ副隊長。

二人とも、意外と冷静だった。・・・どうしてなんだろ。





「・・・うん、やっぱり気になってたから。恭文君、フェイトちゃんに一途過ぎて、他の女の子との付き合いが浅くなる傾向が強いし」

「そうなんですか?」

「あぁ。お前の知っての通り、スバルやらティアナやら、ここで会ったメンバーとも仲良くなってきてるだろ?
一途で真っ直ぐなのはアイツのいいとこだけど、それでそういうのを見過ごすのも、やっぱ心配なんだよ」

「・・・そう、ですか」





確かに、8年間・・・だめだった。だから、新しい誰かを見つける努力をしても、それはきっと悪いことじゃない。

ううん、むしろ・・・いいことなんだ。フェイトさん以外にも、相手はいる。だから、そういう子を見ることだって・・・。



出来ないよね。出来る、わけがない。



だって、8年間もずっと好きだったんだから。大事で、特別で、大好きで、絶対に守りたくて・・・。

積み重ねてきた時間と記憶。それに結びつく想い。絶対に、簡単なものじゃないよね。簡単に、他の子に目移りなんて・・・出来ないよね。





「・・・なのはさん、ヴィータ副隊長」

「うん?」

「なぎ君、少し借りてもいいですか?」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



・・・パーティーは順調そのものだった。





いや、意外と悪くねぇな。料理は美味いし酒も美味いしよ。

なにより、知り合いが大半だから、着飾る心配がねぇ。社交パーティーって言うよりは、本当に飲み会だな。こりゃ。





「・・・つか、お前さんなんでそんなに顔赤くしてんだよ?」

「いえ、さっきから奥様とかなんとか言われてるので、つい・・・」





あぁ、そうだったな。

気を使わないで済むのは向こうも同じ。なんだかんだで俺がお嬢を連れてきたことで、再婚とかそういう話にもってこうとしやがる。



まったく、俺は今のところそんなつもり・・・。あ。





「・・・いや、なんか悪かったな」

「え?」

「いやよ、お前さんだって、そういう相手くらい居るだろうと思ってな」

「あ、大丈夫です。私、今のところはそういう相手居ませんし」





その言葉に、俺は安心が半分、慰めが半分という複雑な気持ちになった。



そう、相手が居ないってことは、アイツにもまだチャンスはある。

だが、それと同時に・・・アイツがお嬢を物にするのは当分先ってことにもなる。





「まぁ、そう言ってくれると助かるがよ。つか、気になる相手とかいねぇのか?」

「・・・そう、ですね。居ません」



またきっぱりと答えやがったよコイツっ! あー、今ごろアイツは泣いてるんじゃねぇか?



「またどうしてだ? お前さんなら、いくらでも相手が居るだろうに」

「それはそうなんです。その、そういうアプローチをかけてくる人も居ました。でも、私はやりたいことがありますから・・・」





あぁ、お嬢が世話してるあのチビ二人か。確かに、まだ小さかった子どもの世話は、大変だしな。

俺もスバルとギンガには、苦労させられたからよく分かる。でもよ・・・。





「そのために、お前さん自身の幸せを逃すってのは、違うんじゃねぇか?」

「あの、私は幸せですよ? エリオやキャロが育ってくれるのを見るのは楽しいですし、仕事も充実してますし・・・」

「でもよ、それだけじゃねぇだろ。好いた相手と一緒に居る時間ってのも、幸せだぞ?
俺も、カミさんと居るときはそうだったしな」

「そうなんですか・・・。よく、わからないです」





・・・ふむ、そうくるか。だったら・・・恭文、一つ貸しだぞ?





「ならよ、今度は俺じゃなくて、他のやつとパーティー・・・じゃねぇな。デートしてみたらどうだ?」

「あの、でも私には相手も居ませんし、誘う相手も・・・」

「恭文が居るだろうが」

「ダメですよっ!」





・・・・・・・・そんな思いっきり断るなよ。アイツ、大号泣してるぞ? あ、シャンデリアの光の中のクイントまで泣き出しやがった。

だが、そんな俺の気持ちはともかくとして、お嬢は慌て始めた。つか、なんでそんなパニックになるんだよ?





「最近、ヤスフミはティアと仲がいいですし。邪魔したくないんです。
というより、六課で会った女の子メンバーと仲よくなってますし、私が居ると、それの邪魔になるのかなって・・・」

「どうしてそう思う?」

「ティアもそうだし、他のメンバーも、ヤスフミのこと、いい感じに思ってくれてます。もし、ここでそういう関係になったら、すごく嬉しいかなって・・・」





お嬢は、少しだけ寂しそうな表情を加えて、更に言葉を続ける。

それに、俺は納得出来なかった。いや、ツッコミしたくなったんだからしかたねぇ。





「ナカジマ三佐・・・あの、ゲンヤさんも知っているとは思いますけど、ヤスフミ、ずっと一人で寂しい思いしてましたから。
たまに思うんです。・・・家族とか、作りたくないのかなと」

「そりゃまた重い話だな」

「ヤスフミ、やっぱりそういうのに苦い物があるみたいなんです。家族の話とかを聞くと、ちょっと寂しそうな顔しますし。
結局、ハラオウン家にも、養子に入るようなことはしてませんし」



いや、それはクロノ提督から聞いたが、お前さんに片思いしてたからだろ?

それに気遣ってリンディ総務統括官が取りやめてくれたからじゃねぇかっ!



「ヤスフミには、好きな子と一緒に、幸せになって、自分の家族、作って欲しいんです。
私は、ハラオウン家の子になれて、すごく嬉しかった。でも、ヤスフミは・・・戸籍的なことで言えば、一人ぼっちです。
戸籍とか、そういうのが関係ないというのは分かってます。でも・・・やっぱり、思うんです。家族を作りたくないって、どっかで思ってるのかなと」

「・・・で、それを改善してほしくて、恋愛して欲しいと」

「そうですね。好きな子が出来れば、そういうのも少しは変わると思いますから」



いや、居るからっ! お前さんだよお前さんっ!!

改善して欲しいっていうなら、それはもうとっくに改善されてるからよっ!!



「でも、スバルもティアも、私がヤスフミと居ると、少し交流するの、遠慮するみたいなんです。
だから、邪魔にならないようにしたいなと」





・・・あぁ、わかった。これが100%の気遣いか。こりゃへコむわ。しかも、責めることも出来ねぇしよ。





「あー、でもよ。アイツ不器用だから、好きな相手が出来たとしても、簡単にはいかねぇぞ?」

「そうでしょうか?」

「そうだよ。お前さんが言うように、自分だけの家族ってやつを作るのに恐怖があるんなら余計にな。
つーわけで・・・お前さん、さっき言ったことも含めて、アイツとデートしろ」

「・・・えぇっ!? あの、どうしてそうなるんですかっ!!」



そんなのは決まっている。ま、お前さんに話すのは建前だけどな。



「一回、お前さんがデートってやつを実地で教た方がいいと思うぞ。で、お前さんも恭文で練習だ」

「あの、それなら何回もしてますから・・・」

「どーせ、昼間の街を楽しげにブラついて、それで夕方前に帰宅って感じだろ?」



・・・うなづきやがった。なるほど、そういうのしかないのも原因か。



「だから、もう一歩進んだ、大人のデートを二人で、実地で覚えるんだよ」

「お、大人のデートっ!?」

「・・・言っておくが、いかがわしい事をするわけじゃないからな。頼むから顔をそんなに赤くするな。
お酒も交えたりする、夜のデートもできるように教えるんだよ。つか、そうなっとかねぇと、まずいだろ。
遊園地行ってご飯食べてさようならじゃ、アイツはともかく、相手が満足しねぇだろ」

「そう・・・でしょうか?」

「そうだよ。その場合、適任なのは、アイツの家族でもあるお前さんだ。つか、お前さんしかいねぇし、お前さんにしか出来ねぇ。
お前ならアイツも安心出来るし、なにかやらかしてもしっかりフォローも出来る。いきなり実戦よりは、成功率高くなるだろ。一回で無理なら、何度も付き合う。・・・本気で心配なら、それくらいはしとけ」





はっきり言って、詭弁だよな。まさかこんなことで納得するわけが・・・。





「・・・そう、ですよね。うん、やってみます」





嘘だろおいっ! なんで今のツッコミどころ満載な理論で納得するんだよお前はっ!?

お前、本当は執務官じゃないだろっ!!





「あの、でも私・・・そういう経験がなくて・・・」

「大丈夫だ、ここに経験者が居るだろ。色々教えてやる。・・・ま、実地じゃなくて知識と経験をな」





さすがに実地はまずい。アイツが使い物にならなくなるしな。・・・そういうわけだからよ、その拳を引っ込めてくれや。





「それで大丈夫でしょうか?」

「問題ねぇだろ。それにだ、お前さんのご母堂様にも相談しろ。
お前さんと同じ気持ちを抱いてるなら、きっと協力してくれるはずだからよ」

「・・・はい、そうしてみます。あの、ありがとうございます。私・・・頑張りますっ!!」










・・・恭文、お前も大変だな。

まぁ、あとはお前の頑張り次第だ。なんとかしてけよ。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・ギンガさん、離して」

「ダメ」





というか、なぎ君・・・重いっ! いや、なぎ君が踏ん張ってるから、地面がめり込んでるんだけど。





「離して・・・。もう、いいよ」

「良くないっ!!」





つい、叫んでしまう。でも、止まらない。だって・・・こんなのだめだから。





「なぎ君、それでいいのっ!? 他の人にフェイトさん取られたまんまでっ! なぎ君のフェイトさんへの気持ち、そんなに軽いはずないよねっ!!」

「・・・じゃあ、どうしろっていうの」

「・・・フェイトさんに、気持ち、伝えよう?」





それしかない。そうしないと、なぎ君、ずっとフェイトさんのことを引きずり続ける。

振り向かれなかったこと、気持ちに気づいてすらもらえなかったこと。全部傷になって、誰も好きになれなくなる。

そんなの、絶対にダメっ! そんなことして、なぎ君が幸せになれないなんて、絶対にっ!!





「・・・気づいてもらえないよ」

「大丈夫だよ」

「大丈夫じゃないっ! 今までだって、何度も、何度も好きだって言ったっ!! でも・・・ダメだったんだよっ!?」

「大丈夫」

「どうしてそんなことが言えるのさっ!!」

「私も手伝うからっ!!」





私は、左手を引いて、なぎ君を引き寄せる。私の左手は、なぎ君の右手を握ってたから。

そのまま、なぎ君は私の腕の中に飛び込む。それを・・・優しく抱き締める。



なぎ君、暖かい。なんか、こういうことするの、結構久し振りかも。





「私も、手伝う。一緒に、声を出す。フェイトさんに気づいてもらえるように、力を貸す。
だから・・・やってみようよ。そうしないと、なぎ君、ずっと今のままだよ。苦しい思いだけしかしない」

「・・・そんなの、情けないよ」

「情けなくても、伝えたもの勝ちだよ。もし、フェイトさんがそれでなにか言うようなら、私、怒るから。大丈夫。私・・・なぎ君の、味方だよ」





私がそこまで言うと、腕の中のなぎ君が泣き出した。私は、その頭を優しく撫でる。

いつかとは逆。少しは、助けてもらったこと、返せたのかな?





「・・・わかった、やってみる」

「うん」

「といか、ギンガさん。ごめん」

「いいよ。だって、私となぎ君は友達でしょ? 困ってたら、力を貸すの、当たり前だよ」





・・・その言葉に、少しだけ胸が痛むのはどうしてだろ。

私、なぎ君に幸せになって欲しいはずなのに・・・こんなの、ダメだよね。



とにかく、私はなぎ君を離す。

泣いて、ぐしゃぐしゃになっている目の周りを、持っていたハンカチを服の内ポケットから取り出して、拭う。





「・・・うん、これでよし」

「うん。・・・というか、フェイトがどこにいるか分かってるの?」

「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・あ」

「知らなかったんだ。それで僕をひっぱってきたと」

「あ、の・・・ごめん」

「・・・いーよ。その、ありがとう。うん、ギンガさんのおかげで、なんとかなりそうな気がしてきたし」



うぅ、私・・・スバルのこと叱れないかも。つい勢いで・・・。



「・・・ギンガっ!」





え?





なぎ君がビックリした顔をしてる。私がその視線を追うように振り向くと・・・。





そこには、何時の間にかフェイトさんが居た。





「フェイトさんっ!?」





黒い、肩がなくて、胸元の見えるドレスに、半透明のストール。

ばっちりメイクを施したフェイトさんが、そこに居た。というか、本当に何時の間にっ!?





「あ、うん。ちょうど帰ってきて・・・。ギンガは、お仕事かなにか?」

「あ、いえ。例の囮捜査の報酬をなぎ君に・・・」

「そっか。ケーキだっけ? もう食べたのかな」





・・・食べてません。というか、放置しっぱなしです。なぎ君、あの状態だったし。





「あの・・・フェイト」

「あ、うん。ヤスフミ、ただいま」

「うん、おかえり・・・。あの、フェイト、今日・・・デートだったんだよね?」

「うん」





きっぱり認めたっ!? あぁ、なぎ君がまたへコ・・・まない。あれ? なんか凄く気合入ったみたい。





「・・・その人のこと、好きなの?」

「・・・え?」

「その人、デートした相手のこと、好きなのって聞いてるの」

「あの、ヤスフミ?」

「・・・そういう、恋愛感情というか、そういうのなのかな」

「・・・違うよ」





・・・そう、フェイトさんは私の予想通りにちが・・・・え?





「違うんですかっ!?」

「え、あ・・・うん。だって、今日の相手って、ナカジマ三佐だよ」

「父さんっ!?」

「ゲンヤさんがっ!? まってまって、フェイトとゲンヤさんがなんでそんな格好で繋がるのっ!?」

「そうですよっ! 意味がわかりませんよそれっ!!」










そうだよ。父さんは母さん一筋だし、再婚話も全部断って・・・あ。

まってまって。私・・・今日・・・なにか言われなかったっ!?





『ギンガ、この日なんだが、ちょっと付き合ってくれねぇか? 知り合いのパーティーがあってな』

『・・・あ、ごめん父さん。私、報酬を持っていかなきゃいけないから』





・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・それだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!





そうよっ! 父さんから、そういうパーティーの同伴相手が居ないとかなんとか言われてたじゃないのよっ!!

なんで今の今まで忘れてたのよ私のバカっ!!










「・・・えっと、じゃあ・・・その・・・そのパーティーに、ゲンヤさんの相手としていってただけ?」

「そうだよ」

「好きじゃないの?」

「好き・・・だけど、それは恋愛的感情じゃないよ。というか、今のところ私はそういう相手が居ないし」

「・・・ラブラブじゃない?」

「ラブラブじゃないよ」

「R18はなし?」

「Rなんてつかないよっ! というか、ヤスフミどうしたの? ちょっと変だよ・・・」





いや、それは仕方ないですよフェイトさん。なぎ君、本当に大変でしたから。





「よか・・・った・・・。よか・・・よかった・・・。そうで・・・・よか・・・た・・・・」

「ヤ、ヤスフミっ!? あの、ね、どうして泣くのっ! お願いだからしっかりしてっ!!」





なぎ君は、また泣き出した。ボロボロと、信じられないくらいに。

フェイトさんが、それを見て思いっきり慌ててる。確かに、いきなりだから理由わからないよね。・・・よし。





”フェイトさん、ちょっとよろしいですか?”



思念通話を繋げる。もちろん、相手はフェイトさん。



”あ、うん。どうしたの? というか、ヤスフミはどうして・・・”

”なぎ君、フェイトさんに好きな人が・・・恋人が出来たんじゃないかって、すごくショック受けてたんです”

”えぇっ!? あの、なんでっ!”

”・・・そんなに綺麗にして、顔を赤らめて、楽しそうにデートしてくるって言えば、誰だってそう思いますっ!
というか、私だけじゃなくて、隊舎中その話で持ちきりだったんですよっ!?”



本当に大変だった。そのおかげで、なぎ君の落ち込み具合に拍車がかかったし・・・。



”なぎ君、フェイトさんのことが本当に大事だから・・・怖かったんですよ。
自分から離れるのが、居なくなるのが、凄く。もう、フェイトさんに、今までみたいに接することが出来ないんじゃないかって”

”そう・・・なんだ”





まぁ、あんまり確定的なことを言うのもアレだから、ぼかした感じで話す。

・・・また、チクリと痛いものが突き抜ける。いいの、これでいいの。



なぎ君が笑ってないのなんて、絶対に嫌だから。





”フェイトさん、ちょっと無神経過ぎます。なぎ君の気持ち、ちゃんと知ってるくせにメイクまでさせるなんて・・・。本当にヒドイ状態だったんですから”

”あ、うん・・・。ギンガ、ごめん。その・・・迷惑かけちゃった”

”私はいいですから、なぎ君にちゃんと謝ってください。不安にさせたこと、いっぱい怖い思いさせたこと、全部。
・・・というか、フェイトさん”

”なにかな?”





多分、これはすごく余計な一言。だけど、言わずにはいられなかった。

これだけの想いを何度もぶつけられて、気づかないことに、怒りを感じていた。だから・・・言ってしまった。





”なぎ君に、もしもこういう無神経なことを続けるようなら・・・私、フェイトさんから、なぎ君を奪いますから”

”えっ!?”

”・・・冗談ですよ。でも、本当に気をつけてくださいよ?
なぎ君の、フェイトさんが大好きで、大事だって思う気持ち、もう少し、ちゃんと見てあげてください。フェイトさんは、すごく幸せなんですから”

”・・・そうだね。うん、そうするよ”










とにかく、この後。なぎ君がようやく泣き止んだのを確認してから、私は帰路に着いた。

そして、なぎ君はフェイトさんとそのまま隊舎に戻って、スバル達も交えて、いっしょにケーキを食べたそうだ。





これに関しては、美味しかったというメールが届いた。・・・あと、ありがとうと、ごめんという言葉が。

どういう意味かは、言わなくても分かると思う。





・・・はぁ、なんか憂鬱だな。私、やっぱり変なのかも。



















(本当におしまい)



















あとがき



≪さて、みなさんこんばんみ。恒例の対談形式のあとがきです。本日のDJは、私、古き鉄・アルトアイゼンと・・・≫

「バーニングッ!! どうも、海鳴の燃える女こと、アリサ・バニングスです。ちなみに、この話のなかでは私は魔法能力はありませんので」

≪あぁ、アレですね。というか、私はアレはどれが大本なのかわからないんですが・・・どうすればいいんですか≫

「ヤフったりググったりしなさい。で、今回の話よ。また突然に帰って来たわね」

≪まぁ、そろそろ海鳴話も書きたかったそうですから。そして、海鳴と言えば銭湯です≫

「・・・それも書きたかったみたいね。で、今回の話のキモだけど、あの二人ね」





(若干疲れ気味な表情でそう口にする燃える女。そう、あの二人なのだ・・・)





≪残念ながら、あの二人は昔からあんな感じです。
まぁ、すずかさんとはこう、惹き合う部分が多かったのですよ。いろいろと≫

「すずか、ナギがフェイトのこと好きなのを知ったうえでアタックしてるからね。すごいわよアレ。
つか・・・ナギは不憫よね。本命決まって一直線なのにこれなんだから。・・・あとさ、アイツはまたなんのフラグ立てたのっ!?」





(萌える・・・もとい、燃える女、熱く叫ぶ。そう、咆哮する)





「あのギンガって子、ガチじゃないのよっ! なにがどうしてああなったわけっ!?」

≪いろいろあったんですよ。それはもう素晴らしいほどに≫





(燃える女、熱く追加台本を受け取る。ページの表紙には『幕間そのに』と書かれている。それを熱くめくる。熱く読む。熱く・・・)





「うっさいわよこのバカっ! なんでも熱いとか燃えるとかつければいいと思ってるでしょっ!?
どんだけ勘違いしてるのよ作者っ!!
・・・まぁ、そこはいいわよ。てか、こんな事があったのね・・・。ね、これ完全に成立してるわよね」

≪してますね。ビックリしましたよ≫

「・・・なんでフェイトがこういう状況の時には助けにいけてないのよアイツ。エリオとキャロに出番取られてるんでしょ?」

≪だからこそのマスターですよ。さて、次回は海鳴編・・・というか、お休みの後編です。ぶっ飛ばしていきたいと思います≫

「そーね。気合入れていきましょ。そんなわけで、お相手はアリサ・バニングスと・・・」

≪古き鉄・アルトアイゼンでした。それでは、また次回っ!≫










(古き鉄と海鳴の燃える女、カメラに手を振りつつ・・・終了
本日のEDテーマ『○!』)




















古鉄≪それでは、ここからは拍手の返事となります。みなさん、本当にいつもありがとうございます。
作者、感動しております≫




















※とある魔導師と機動六課の日常の感想
フェイトに勝っちゃう恭文のうでだと翠屋のマスターやそこの上の子たちが見逃しておかないと思う。
なんか、無理やり練習試合(死合い?)に付き合わされてる絵がおれの脳内に浮かび上がっていますが





古鉄≪お察しの通りです。マスターは、海鳴在住時代は、よく高町家の道場で組み手をしていました。美由希さんはあんな感じです。
で、あの人は・・・こんな感じですね・・・≫

???「お前、またなのはを魔王よばわりしていじめたらしいな」

恭文「いや、魔王じゃないですかあれっ! 僕は、魔王にならないように常に警告を・・・」

???「問答無用だ。・・・構えろ」

恭文「・・・わかった、やりましょ。ただし・・・怪我させても責任持ちませんからっ!!」





キンキンキンっ!!





古鉄≪・・・まぁ、結果は言うまでもないでしょうが、二人して怒られるんですよ。道場めちゃめちゃにするから≫










※コルタタさん感想
恭文はカウント数を決めて、その間に戦わないんですか?





古鉄≪あぁ、さらば電王に登場するNew電王はそれで戦うらしいですね。…今度やってみます?≫

恭文「・・・やめとく。またふざけてるとか言われそうだし。お説教食らうのは嫌なのさ」

古鉄≪まぁ、マスターはそこまで強くないですしね≫

恭文「それが出来るように、がんばろうか」

古鉄≪はい≫










※コルタタさんへ
修正版ですね。しばらくはこっちがメイン?になるんでしょうか?修正版も面白いので無問題ですが。
さて、「さらば電王」はどうでしたか?自分は燃えた・笑った・感動したの三拍子で最高でした。さらば、良太郎。さらば、モモタロス。さらば、デンライナーのみんな・・・。





作者「・・・すみません、実は・・・いろいろごたごたしてて見に行けないかもしれないのです。
あぁ、最後のクライマックスみたいのにー! ・・・よし、やっぱりクロスだ。恭文とデンライナーを絡ませるしかないっ!!」

古鉄≪・・・まぁ、いろいろあるんです。とは言え、話の中のマスターも見に行けていないという設定ですし、リアリティは出ますかね?≫

作者「そんなの嫌じゃぁぁぁぁぁっ!!」(泣)










※コルタタさんへ
あれ?示現流にも居合があると聞いたことあります。たしか水の粒が落ちる瞬間に3回,居合できるって。
蜻蛉の構えが有名(特徴)なため示現流の居合はあまり知られていないそうです。





古鉄≪そうですよ。あなた、グランド・マスターからなに教わってるんですか≫

恭文「・・・いや、僕じゃないでしょ? フェイトだからこれっ!! 僕は知ってたっ!!」(ということにしてください)

古鉄≪・・・まぁ、作者の勉強不足ということで、大目に見ていただけるとありがたいです。ご指摘、ありがとうございました≫










※コルタタさんへ というか恭文へ
俺も信じているよ、表面では否定しているだけで、隠しフラグは立っているって。
負けるな、頑張れ!幼き日のその決断も、それから続いてきた胸の痛みも、報われていい思い出として優しく笑える日は必ず来る。
明けない夜なんて、無いんだから!! 個人的に、あの宇宙一の告白を聞いてみたい気もする。
『フェイトが好きだぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!!!!!君が欲しいぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!!!!!!』これだけやれば、きっと必ず………!!





古鉄≪逆に、それだけやってダメだと、作為的なものを感じますよね≫

なのは「同感・・・。でも、応援ありがとうございますっ! うん、恭文君、きっとこれからもがんばると思いますので、これからも応援してあげてくださいっ!!」

古鉄≪でも、これは・・・ギンガさんEDとかになった場合、どうなるんでしょうか?≫

なのは「・・・むしろそれの布石っ!?」










※コルタタさんへ
隠しフラグを信じ続けるものその1です。 これだけ誠実に思い続けている彼に何とか救いを!
そして戦闘シーンでは、特にクレイモアと『分の悪い賭けは〜』の部分は勿論脳内で鋼鉄の孤狼を鳴らしつつ読みました。カッコイイよ、恭文。
個人的にはダブルアクションのロッドフォームもアリな気がしましたけど(笑
あの過去で、この現状ってマジで可哀そうすぎます。男としてマジで同情しちゃいますね・・・




恭文「ありがとうございますっ! つか・・・えぇ、がんばります。うん、本当に頑張ろう・・・」(涙)

なのは「・・・泣かないでほしいな。というか、今回はいい雰囲気だったからいいと思うんだけど」

恭文「これが還元されていくことを、切に願うよ」

なのは「どうしてそんなに後ろ向きなのっ!? でも、ロッドフォームって意見多いよね」

恭文「青だしね。僕もあの人好き。第6話での『卑怯だぞっ!』『よく言われるよ』でしびれたっ!!」

なのは「にゃははは・・・。恭文君と作者さんの趣味が入った故の戦い方になってるみたいです」










※コルタタさんへ
まさかフェイトに勝つとは……ギリギリセーフだけど。やっぱりバトルは天秤が傾いたら負ける、というくらいの緊張感があるといいよね。
それと恭文、フェイトのことは………まあ、その、頑張って。というか、ここまで言われて気付かないフェイトに呆れる。
一人の男が本気で好きだと言ってるのに家族としてしか見ないなんて……いっそギンガEDで『相棒』のような刑事ドラマな活躍も考えてみたら?





ギンガ「青凪君、行きますよ」

恭文「うっす、ギンガさん。・・・って、なにこれっ! つか、僕が亀山さんの立ち位置なのっ!?」

ギンガ「わ、私・・・あの人みたいに鋭く推理できないよっ! というか、メガネかけても似合わないと思うし・・・」

恭文「・・・そんなことないと思うけど。大人っぽくてきれいだと思うな」

ギンガ「えっ!?」(赤面)










※コルタタさんへ 幕間そのいち感想
ようやく恭文の魔法が出ましたね。 入った人間の思考をゆっくりにしてしまうって、どんなリラクゼーション魔法ですか・・・。
修羅モード時には「今の僕は阿修羅すら凌駕するよ。」と言ってほしいですね。





恭文「それはヴァイスさん・・・まぁ、いーや。うし、今度言ってみるか」

古鉄≪あれこれ影響されるのは本当にやめてください。というか、マスターの魔法の大半は本編じゃあ出ない感じですしね。やはり、幕間の効果は絶大ですよ≫

恭文「だね。あ、それと順番が逆になりましたが、読んでくださってありがとうございます」(ぺこり)










※コルタタさんへ
ギン姉が可愛いぜぃ!私もお世話されたい……w
そして、リィンには最後までヒロインとして突き進んで欲しいですw リィンも可愛いじゃないですか!!
主人公がリィン以外の誰かと付き合っても、リィンはヒロインのまま過ごして欲しいw





ギンガ「か、かわいいなんて・・・。私、本編ではさらわれて洗脳されたりしてるし、フェイトさんには負けるし・・・」

リイン「というか、ありがとうございますー! うふふ〜、リインかわいいって言われちゃいました♪」

ギンガ「というか、リイン曹長ヒロイン路線は好評みたいですね・・・」

リイン「当然ですっ! あ、もちろん恭文さんが誰とつきあっても、リインがヒロインであることは変わりませんよ?
リインは、蒼天を行く祝福の風であると同時に、古き鉄の一部。恭文さんと、アルトアイゼンのパートナーですから♪」

ギンガ「・・・うらやましいな。本当に」










※コルタタさんへ というか恭文へ
大丈夫!!フラグは順調に消化中だよ!最後の外堀もおまけで埋まった!あとは、某キングオブハート的愛の告白で本丸を突破するのみだ!
そして、ナイスなおちょくりっぷりでした。あなたにはダブルなアクションのロッドなフォームがよく似合う。 修羅モードはソードだけど。





恭文「ありがとうございますっ! というか・・・お前たち、僕に釣られてみる?」

古鉄≪すみません、調子乗りやすい人なんですよ。まぁ、基本はロッドでガンフォームな人だったりしますが、このまま応援の方、よろしくお願いします≫

恭文「お願いします」(ぺこり)










※コルタタさんへ
確かに、ティアナと恭文には某正義の味方的要素がありますよね。自身の最大効率で、相手の長所を殺しつつ、わずかな勝率であろうと拾い上げ、勝つ。
恭文には、スキル:心眼(真)Bを進呈したいと思います。
そして、シグナムさん。あなたの望みは、きっと同じサイトでかなえられますよ、その内。では、お体に気をつけて頑張ってくださいね!





恭文「ありがとうございますっ! というか・・・スキル:心眼が。うし、ネットで検索だ」

古鉄≪すみません。Fateは本当にアニメだけだったりするので・・・。とにかく、あのお方はすごいと思うわけですよ。えぇ、マスターにも見習ってほしいくらいに≫

恭文「僕はまだまだだけどね。うん、がんばろう。越えなきゃいけない壁は、とても高いから」










※コルタタさんへ、とある魔導士と機動六課の日常の感想です。
やっぱり最高ですね。個人的にヤスフミ×フェイトはジャスティスだと思います。なんとかくっつけてください。これからも頑張ってください





古鉄≪やはり、フェイトさんとギンガさんとリインさんという勢力に分かれていますね≫

なのは「・・・本命が決まってるのにこれっていうのがおかしいんだけどね。あ、私は友達ですよ? えぇ、本当に」

古鉄≪まぁ、結果がどうなるかはマスター次第ですが、最初から最後までクライマックスでいけるように、作者もがんばると思います。
感想、ありがとうございました≫

なのは「あ、私は本当に友達ですからぁぁぁぁぁっっ!!」(必至)










※コルタタさんへ  きしめんは吹いたwww





古鉄≪・・・あきらかに某MADの影響ですよね、これ≫

恭文「まぁ、ここでコメントすると非常にあれだから言わないけどさ。でも、あの歌すごいよね。替え歌の歌詞とか」

古鉄≪私たちも作ります? 古鉄の歌とか≫

恭文「・・・70年代のアニメソングみたいな響きだよね、それ」










※コルタタさんへ  必殺キックは無いの?恭文。





恭文「実は・・・今練習中なんです」

古鉄≪いや、真面目にやろうとしてるんですよこの人。『必殺っ!  僕達の必殺技っ!! クライマックスバージョンッ!!』・・・とか言って≫

ティアナ「・・・いや、真面目にやめてよね。ダサいから」

恭文「なに言ってるのっ!? かっこいいでしょうがっ!!」

ティアナ「どこがよっ!? 明らかにダサダサでしょっ!!」

古鉄≪ティアナさん、あなた・・・センスないですね≫

ティアナ「あんたまでこいつと同じなのっ!?」










※コルタタさんへ  最近ギンガがおいしいところをとってますね。そのまま恭文と・・・





ギンガ「だ、だから・・・私となぎ君は友達なんですっ! そういう関係じゃないですからっ!!」

ゲンヤ「別に俺は構わねぇぞ? アイツは面白いやつだしよ。お嬢ばっか見てるよりはずっといいだろ」

ギンガ「父さんっ!?」

ゲンヤ「つか、お前の気持ちはどうなんだよ」

ギンガ「わ、私は・・・」(赤面)

ゲンヤ「・・・こいつは意外と脈ありか?」




















恭文「これで、今回の拍手の返事は終了となります。みなさん、本当にありがとうございました。
・・・というわけで、次回はお風呂ー!」

フェイト「久し振りだから、楽しみだね」

恭文「うんっ! うし、これを機会にエリオと友情を深めますか」

フェイト「うん、お願いね。・・・ということで、みなさん、また次回にっ!」

恭文・フェイト『テイク・オフッ!!』










(おしまい)





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