小説(魔法少女リリカルなのは:二次小説)
第1話 『始まりはいつも突然 旅立ちはいつも必然』(加筆修正版)
ーこれから語る物語は、一人の少女が仲間と共に作り上げた夢の部隊がその本分と達成した後、静かに終幕へと向かうまでを描いたお話ー
ーそこに、一人の自由を愛する青年・・・・・・すいません、僕のことです。かっこつけましたー
ーで、僕に僕の相棒である古き鉄も一緒に加わり、紡がれることとなった物語ー
ーとは言っても、そんなに大層な話じゃなかったりするのよこれがー
ー語るのは、勝利を勝ち取った女神たちのその後の日常。なんてことは無い普通の時間の中での一幕ー
ーあなたの周りにも呆れ返るほど存在している、そんな話ばかりであるー
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
新暦75年 9月。なお、地球暦だと2008年の9月だね。
ここ、次元世界における中心世界・ミッドチルダにて、一つの大きな事件が起こる。
公式にはその事件の名は『JS事件』。又は『レリック事件』と呼ばれている。
事件の内容はこうだ。その原因は、広域次元犯罪者(要するに悪人)ジェイル・スカリエッティ。
そして、スカリエッティの保有戦力である戦闘機人達と機械兵器・ガジェット達。
これらが紆余曲折色々な経緯を辿って、すったもんだとした挙句、一つの騒動が起こった。
我らが次元世界の法の守護者・時空管理局に『ファック・ユーッ!!』と、喧嘩をふっかけたのである。
まぁ、これには多少、乱暴で分かりにくい表現があることは否定しません。
でもさ、背後関係とか経緯とかそのキッカケとかまで説明すると、ひじょーに長くなるのよ?
なので・・・・・・・・・絶賛発売中の全9巻のDVD見てね。
その方が早いから。もしくは、あのサイトとかこのサイトとかで。
とにかく、そんな感じで次元世界を揺るがした大ゲンカが勃発したのだ。
そしてそのケンカは、管理局のある1部隊が中心となり、連中と派手なケンカを演じた。
それだけじゃなく、普段はやたらと仲の悪い陸と海、それぞれの組織が一丸となって、辛くも勝利を収めた。
ちなみに、こんなトンデモ事件が起きた背景には、地上部隊のトップ、その上の評議会のじい様連中の暗躍が原因。
それはもう既に、市井の人々の知る所となり、かなり有名な話である。
実際、その辺りは事件解決直後に、ざっとした内容だけは報道されたから。
なので、当然のようにとんでもないスキャンダルとなった。
本来であれば、こういった騒動の芽を潰していくのがお仕事の管理局。
そのトップの人間が、事件を起こす直接原因になっていたのだから。
まぁ、そのどちらも今回の一件で亡くなっているし、それ考えると大きな声では言えないけどね。
少なくとも、そのジー様や地上部隊のトップを尊敬している人に取っては、そうである。
そんなミッドチルダ、管理局、ひいては次元世界全体をも震撼させた、JS事件は既に解決済み。
この歴史に残る未曾有の大規模テロ事件が終わりを告げて、既に二週間が経っていた。
世界は、まだ後処理なんかでゴタゴタしてる。
だけど、事件前と変わらない平穏な時間を刻み始めている。
そう、戦いは終ったのだから。だからこそ、僕もようやく一息つけた。
だけど、終らないものがあった。新しい敵が出てきたとか、そんなんじゃない。
流れる時間を刻むこと。その中で暮らしていくこと。
それは、世代が移り変わろうと、終らないし、変わってはいけないのである。
それは、僕も同じ。そう、終らないし、変わらない。
・・・・・・だけど、それでも、新しい時間へと、足を踏み入れることになった。
そしてここ、時空管理局・本局の一室にて、この物語は始まりを告げる。
変わらないけど、変わっていく物語は・・・・・・ここから、始まる。
魔法少女リリカルなのはStrikerS 外伝
とある魔導師と機動六課の日常
第1話 『始まりはいつも突然 旅立ちはいつも必然』
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・・・・・・ここは時空管理局・本局の中にある部屋の一つ。
いわゆるえらーい人の専用オフィスとでも言えばいいのかな?
部屋の中には机が一つ。書類などを補完する棚が二つ。
三本でもヨット・・・・・・あ、これは違った。
あとは、来客用のソファーと机なんてのも置かれている。
ただ・・・・・・・どこの温泉のステッカーですか、それは?
前々から思ってたけど、仮にも提督権限持ってる人間のオフィスにそんなの置かないでくださいよ。
つーかその提灯はなに? 壁に立てかけてあるコタツは? 今は10月ですよ10月。
いい加減、とっとと片してください。もうちょっとで時期が一回りするし。
などと考えつつも、表情は真剣だったりする。
・・・・・・いや、仕事の話の最中だしね。真剣にやらないといけません。
相手のこの部屋の主であるえらーい人・・・・・・ようするに提督さんだね。
で、その提督さんは仕事用の机に座って僕の目を見ながら詳細説明の真っ最中。
僕はというと、その前で直立不動で話を聞いている。
普段ならジーンズにジャケットという格好でもいいのよ。顔見知りだから。
だけど、一応お仕事モードで提督さんに会うので今日は仕事着。
武装隊のアンダーウェア(男性用)を着ている。あ、色は青ね?
一般の武装局員はこの上からバリアジャケットを着たりするので、一応戦闘用なのだ。
そういうこともあり、この服も特殊素材で出来ていて防御能力はそこそこ。
このまま戦闘しても、いいくらいである。というか、結構している。
なにより・・・・かっこいいっ! かっこいいのは正義でありジャスティスっ!!
どんな不文律もこれの前には全て無に帰るのですよ。うんうん。
正直な話・・・・・・陸海空のどの制服よりもかっこいいし、素敵だと思う。
そういう事もあって、仕事をする時はいつもこの服を身につけている。
もちろん、『ちゃんとした形で』部隊に所属していたら・・・・・・こんなことは許されない。
同じ制服を階級による装飾の差はあっても全員が身につける事。
それは、規律を守るという意味でも必要なのだ。ただし・・・・・・僕はその限りではない。
こんなモノローグをやりつつも、僕と目の前に居る人との話は、結論に入ろうとしていた。
・・・・・・そう、ようするにこれから僕がなにをやるかという話である。
「・・・・・というわけですので、嘱託魔導師・蒼凪恭文さん。
あなたに時空管理局・古代遺物管理部対策部隊『機動六課』への出向を依頼します」
今、僕にそう告げたのは一人の女性。
翡翠色の長く潤いのある髪を、後ろに一つに束ねてる。
外見はとてもではないけど二人の孫がいるとは思えないほどの美貌。
この人の名はリンディ・ハラオウン。
さっきも言ったけど、管理局・本局務めの提督さんという偉い人だ。
僕が公私共に長年お世話になっている人になる。
世間様で言う所の保護者というか身元引受人というか・・・・・・まぁ、そんな感じ。
で、自己紹介しておきますと、僕の名前は蒼凪恭文(あおなぎ やすふみ)。
時空管理局で仕事をしている、フリーの嘱託魔導師です。
魔導師ランクは空戦魔導師A+。年は18になりたて。
彼女は無し。あ、でも片思いしてまーす♪ ・・・・・・8年ほど。
さて、そんな僕がなぜにここに居るかを説明することにする。
僕の仕事はさっきも言ったけど、嘱託魔導師。非常勤なんていう言われ方もするね。
簡単に言っちゃえば、今のように何かしらの仕事を局から依頼されてそれを遂行する事である。
僕は捜査スキルとかはないからもっぱら荒事を手伝うというのが多いかな?
それにそれに、やっぱ暴れて悪党ぶっ潰すの楽しいし〜♪
つまり、僕はリンディ提督直々に仕事を依頼されているわけだ。
しかも、内容もなかなかすごい。正しく、聴いて驚け見て驚けですよ。
内容は、ある部隊への出向命令。ようするに『その部隊で働いてね』ってお願いである。
そして、その部隊の名は、『時空管理局・古代遺物管理部対策部隊 機動六課。
今年の4月に発足され、つい先日起きた『JS事件』を解決へと導いた奇跡の部隊である。
さて、ここで少しだけ、この部隊について説明しておく。
この部隊は、局の中で五課まであった古代遺物管理部機動課の、6番目の部隊である。
古代遺物というのは、別に落し物探しとかではない。いや、ある意味それだけどね。
機動課が探すのは・・・・・・ロストロギアと呼ばれる、オーバーテクノロジーで作られた古代遺産・・・のようなもの。
なお、ロストロギアというのは総称で、その能力や形状、種類などは、多岐に渡る。
それらを詳しく説明していくと非常にめんどくさいので、簡潔に済ませると・・・・・・危険物ということだ。
ロストロギアは、大昔に文明が発達しすぎた故に、争いが起こったり、場合によっては破滅を迎えた世界の遺産。
ものによっては、世界一つを滅ぼすだけの力を秘めたものを存在している。
そして、そんなもんがそこら辺に転がって、好き勝手に使われたらとんでもないことになるのは明白。
つーか、そんな世界は僕は嫌です。怖いもん。真面目に怖いので、管理局もそう考えた。
なので、管理局は発足当初から、このロストロギアの保守・管理を使命の一つとして掲げている。
だけど、それを狙うやつらもいる。自分達の欲望を満たすために。もしくは、密売して巨大な利益を得たりとか。
そう、ここまで言えば分かると思うけど、機動課というのは、それの防止が仕事。
ロストロギア関係の事件を捜査して、解決する部隊なのだ。それは六課も同じ。
あそこは、JS事件を引き起こしたジェイル・スカリエッティが、大きな要因担っている。
レリックと呼ばれるロストロギアを狙っていたことから、事件に関わることになった。
・・・・・・いや、一つ訂正。レリック対策が、色々な諸事情から局ではうまく取れてなかった。
そのために、その対策専門の部隊として、設立されることになった。
まぁ、六課の話はここまでにして・・・・・・とにかくですよ。
JS事件の事後処理やらで、六課の通常業務が少々滞っている。
それを解消するために、そこに出向しろというのだ。
・・・・・・一応、あの部隊には知り合いもいるのでそこそこやりやすいと思う。
実際、先ほどリンディさんから提示された報酬金額もかなりのもの。これで引き受けない手はない。
まぁ、そういうのを抜きにしても、リンディさんには魔導師になってからずいぶんお世話になっている。
なので、その辺りも考えると答えはひとつだった。
「お断りします」
その瞬間、世界が凍りついたのは言うまでもない。リンディさん、お願いだからそのフリーズした顔はやめてください。
そして、ため息を吐かないでください。でもね、聞いてください。僕の話を聞いてください。
5分だけでもいいから聞いてください。断るのにはちゃんと理由があるのよ。
こっちは、あの楽しい楽しい祭りが終わるまで、これまた某提督さんの依頼で仕事してたのよ。
休み無しでね。うん、今はね・・・・・・・大体一ヶ月くらい休みなし?
まぁ、その中で関わった人達はいい人たちばかりで、正直楽しかったし仕事もすごくやりやすかったのは事実。
で、いざ現場で鉄火場っていうのも、普段はお目にかかれないような連中とやりあえた。
・・・・・・半強制的に。まぁ、これまた勉強になったと考えるなら、こちらは大満足なわけですよ。
しかしっ! それと休みとはまた別次元の話っ!!
お願いですから、しばらく休ませてください。いや、ホントに。
買って開封してないゲームとかもあるんですから。
そういうのは抜きにしても、しばらくは平和に過ごしたいのよ。
戦いを終えた戦士には休息って必要でしょ?
ほら、仮面ライダーしかり、戦隊物しかり、プリキュアしかり。
ちゃんと休まないと、戦えないのよ。
なんでぶっ続けで、そんなイワク付きな部隊に突っ込んでいかなきゃならないのさっ!? おかしいでしょどう考えてもっ!!
・・・・・・いや、仕事するのが嫌とかじゃないの。うん、そこは本当。
ただ・・・・・・部隊に常駐って、好きじゃないの。なにより『今行く』のが嫌なの。
あれだよ、どうしてもって言うなら、年明けからとかならいいよ? 充分休めるだろうし。
つか、嘱託魔導師ってどっかのカラス傭兵ばりに自由なのよ?
そのくせして、福利厚生の対象にも何故かなっているのよ?
なので、あんまり休みとか取ってなかったり、有給も消費していないと、まずいの。
人事の人とかに、怒られるし。と言いますか、ついさっき顔見せたら泣かれたし。
なので、僕としては是非今日からその辺りにしっかりと協力を・・・・・・。
「それで、六課への出向の日程ですが」
シカトする気かい。
「すみませんが、今回はお断りさせていただきますので」
「向こうは出来るだけ早く来てほしいとの事で」
「行きませんから」
「とは言え、あなたの都合ももちろんあると思います。なので」
そして、まだシカトする気かい。
「無理ですって」
「遅くとも、二週間後には向かってもらうことに」
「では、そういうことなので失礼しましたっ!!」
そう言うと、180度回れ右して早足で部屋を立ち去ろうとする。
人間、話しても無駄な時ってあるよね。うん、それが今なのよ。
「だから、待ちなさいっ!!」
ガシッ!!
「話は、まだ終わってないのよっ!?」
ドアが開いて部屋を出ようとした瞬間、誰かに肩を掴まれた。
・・・・・・って、誰かなんて考えるまでもないけど。
「話もなにも、行かないって返事したじゃないですか。
『依頼の承諾の判断は、各個人に委ねられる』って局のマニュアルにも書いてますよね?」
「ただ行きたくないと言われただけで、納得できると思う? ちゃんと理由を言ってください」
「部隊に常駐なんて嫌です。めんどくさいの嫌いなんです」
「却下します。仕事に忌避は持ち込んではダメよ」
あぁ、なんつうもっともらしいことをっ! そう言われたら反論できないじゃないのさっ!!
・・・・・・仕方ない、マジな話をしよう。
「・・・・・・休ませてください」
「・・・・・・・・・・・・はい?」
いや、『はい』じゃないから。マジな話、僕の今の気持ちをようやくするとこの一言になるのよ。
「ほんとに休みたいんです。リンディさんも知ってるじゃないですか。
僕この数ヶ月ほんとに頑張ったんですよ?」
必死ですよ? 全力全開ですよ? そしてスルーですよっ!?
「それは関係ないでしょっ!? フェイトに言ってちょうだいっ!!」
「気にしないで下さいっ!」
「するに決まってるでしょっ!?」
むむ・・・・・・相変わらず、注文の多い人である。
「・・・・・・まぁ、そことか目立ったところは、憎たらしいことに全部六課のあやつらに持っていかれたこととかはいいですよ」
だったら、最初から六課に入っておけってお話だもの。・・・・・・一応、誘われてはいた。
友達が中心になって、作った部隊だしね。でも、断った。そういうの、趣味じゃないし。
「僕が言いたい事は・・・・・・ただ一つだけです」
思いっきり頭を下げる。というか、泣く。
「お願いします、休ませてください。本当に休ませてください。
つーか、これ以上未開封のゲーム増やしたくないんです」
軽く涙目になってきた僕の様子にため息を吐きつつ、リンディさんはこう言った。
「わかりました」
「え? いいんですかっ!?」
やったー! これでゲームが出来る溜まったアニメや特撮も見れる〜♪
あ、さらば電王、もう公開されてるし、地球に行ってくるかな? よし、けってーい♪
「六課部隊長には、定期的に休みを出すように私からお願いしておきます。
向こうはレリック事件が解決して、24時間体制も解除になると思いますし、大丈夫でしょう」
えー、その言葉に見事に崩れ落ちました。そりゃもう誉めて欲しいくらいに。
そういうことじゃないよっ! 頼むから一ヶ月とか呑気に隠遁生活を送らせてくれって言ってるんですけどっ!?
そして、それだとさらば電王見れないじゃないかよっ! モモ達の最後のクライマックス、見たいんだよこっちはっ!!
「ですから、二週間後に出向してくださいと言っています。
・・・・・・それだけあれば、休みとしては十分でしょ?」
ええい、そんな魅力的なウィンクしても今回は騙されんぞっ!!
幾度となくそれに振り回された経験が告げてるのよっ! 絶対に引き受けるなとっ!!
「どこがですかっ! 大体、僕の方だって自分の後処理やらがまだ済んでないんですよっ!?
しかもあの人・・・・・・! 空気読まずに、遠慮なしに追加の報告書の作成とか命じるしっ!!」
時空管理局は、とても緩く若干お馬鹿な組織だ。それは、JS事件を見ればお分かりになると思う。
ただ、それだけじゃない。KYな人間が提督になれる時点で、組織としてどうかと思う。
「それ終わらせて、準備して・・・・・・なんてやってたら、完全に休みなしじゃないですかっ!!」
アンタ死ねとっ! 僕に死ねというのかっ!? こっちは現時点で書類に溺れて溺死しそうなんだよっ!!
「なら仕方ありませんね。提督権限で強制的に出向してもらいましょうか。今日からお願いしますね」
「・・・・・・リンディ提督、人間、権力を盾にかざすようになったらおしまいですよ」
真面目に思う。そこは真面目に思う。なお、僕はそんな人間が嫌い。なので、こうする。
「つか、僕は言いましたよね? 『そんな真似したら、暴れますよ?』と。
ということは、現段階で交渉決裂ですね。うし、いくか」
「・・・・・・あの、お願いだからその眼はやめてくれないかしら?
というか、セットアップしようとするのはやめてほしいわ。さすがにそんなことしないから」
気にしないで欲しい。つーか、そんな真似はぜひ止めて欲しいです。
はい。権力者として超えちゃいけない一線ですよ?
「お願い。出向の話を、受けてくれないかしら? 私個人としても、あなたが一番適任だと思うの」
・・・・・・そんないきなりお仕事モードオフにしないでくださいよ。戸惑うじゃないですか。
と言いますか、色々おかしいから。
「僕が居ても、そんなに役に立ちませんよ?」
そう、おかしいところの一つは、これ。僕が行く理由がないのよ。
「事件は解決してるわけですし、なのは達だったらなんとかするでしょ。
まだ鉄火場があるとかなら、また話は別ですけど」
六課は相当のエリート部隊な編成になっている。
なんか反則気味な最強チート部隊とも囁かれているくらいだ。
実際、部隊が設立されたときには、それはもう期待度が凄かった。
世界の一つや二つは救えるんじゃないかって噂が飛び交うくらい位のノリで、戦力が整えられていた。
確かに機動課というのは、ロストロギアなんていう物騒なもんを扱うので、任務の危険度も大きい。
だからこそ、部隊員はエリートやら、特殊な能力持ち揃いというのが定説。
だけど、それすらブッチギリな勢いだったのだ。そんな噂が飛び交うのも当然と思った。
というか、本当に救って見せたし。冗談混じりで救えるんじゃないかって言ってた奴は、驚いたさ。
というか、きっと何人か腰を抜かしたのは、間違いないね。うん、僕が言うんだから絶対だ。
とにかく、今はゴタゴタしていて仕事が滞っていると言っても、問題ないはずなのよ。
それくらい優秀な人間がどっさりいれば、近い内に業務は通常どおりになっていく。
戦闘要員だけじゃなくて、バックヤード・・・・・・事務的なことを請け負う人間も、当然居る。
それまで未来のエリート揃いなんだから、なんの問題があるのか分からない。
つまり、そこにフリーの魔導師一人をよこしてどうするのかがさっぱり分からないのだ。
いや、現在進行中で事件が起きてるとかなら分かるけど、解決直後だよ? ありえないって。
もっと分からないのは、いくら長年の友人だからと言って、僕を寄こす事にここまで拘るのかが正直分からない。
「そんなことないわ」
リンディさんは首を横に振りながらそう言い、さらに言葉を続けた。
「あなたは確かに、ちょっとアレなところがあるけど」
さて、帰るか。書類片付けなきゃいけないし。よし、すぐに地球に行くか。
・・・・・・時間の波を捕まえて〜♪ たどり着いたね♪ 約束の〜場所♪ 以心伝心♪ もうま〜てな〜い♪
「お願いだから待ってっ! そして話は最後まで聞いてっ!?」
「答えは聞いてないっ!!」
「なに言ってるのあなたっ!? ・・・・・・そうなのね、私のことが・・・・・・嫌いなのねっ!!」
「そうですが、何か?」
あ、なんか蹲った。・・・・・・あー、これフォローしなきゃいけないの? うん、いけないんだね。分かってた。
「お願いですから、泣かないでください。さすがに罪悪感が沸いてきますから」
「・・・・・・とにかくよ。あなたの実力は私も、そしてなのはさんにはやてさん、フェイトもよく知ってる。決して彼女たちに見劣りするものじゃないわ」
「魔導師ランクAですけど」
なのはもフェイトもはやても、あと師匠達も、強いでしょ。
みんなSランクor二アSランク魔導師じゃないですか。足元にもおよびませんって、私。
「それは、あなたが昇格試験を受けないからでしょ? 実際はそれより上なのは皆知っていることよ」
・・・・・・そう、でした。
「なにより・・・本当にAランクレベルなら、そのSランク魔導師を相手に互角の戦いなんて、出来るわけないもの。いえ、実際勝ってるわよね。何度も」
だって、魔導師ランク上がっても嘱託魔導師の仕事にはあんま関係ないし。
つか、互角って言うな。かなり苦戦するんだから。あと、勝ってるのは勝たなきゃ死ぬからだよ。
人間死ぬ気になれば、炎も出せるしオーバーSにも勝てるもんなの。
「と言いますか、六課に行くのは事務仕事やるためってことですよね?
それなら、なんでいきなり魔導師としての実力の話になるんですか」
正直、それならどっか本局付きの事務員数人送って欲しい。
ゴタゴタしててダメとかぬかすようなら『提督権限』使えばいいわけだし。
それで僕の休みが確保されるならきっと素晴らしいことだと思う。
「・・・・・・そうね。その通りだと思うわ」
「だったらそれで」
「でも、そういう訳には行かないの」
「だから、なんでそうなるっ!?」
・・・・・・そんな僕の疑問をリンディさんは答えてくれた。ただし、表情は重い。
それだけじゃなく、暗いものへと変化させてから。あー、ひょっとして地雷踏んだ? 失敗したかこれは。
「あの子たちは今、とても傷ついているわ。『奇跡の部隊』なんて周りは持て囃す。
だけど、実際はそうじゃない。この勝利は本当に・・・・・・ギリギリで勝ち取ったのよ」
傷・・・・・・ついてる? ぎりぎり・・・・・・まさか。
僕はその言葉の意味を考える。そして、ひとつの結論に達した。そして、頭が痛くなった。
「・・・・・・リンディさん、正直に答えてくださいね? なのは達、そんなにヤバかったんですか」
JS事件で管理局側の中核を担った六課は、当然のように相当な激戦を潜り抜けた。
一応知り合いなので、その辺りはメディアなどで広報されているよりは・・・少しは詳しい形で知ってる。(機密に触れない程度に)
みんなは、その戦いのダメージがまだ抜けきってない。そういうこと?
でも、みんなからのメールでは、大丈夫って・・・・・・いや、信用出来ないか。
みんなのことだから、そう言うに決まってるか。例え・・・・・・身体がどんな状態でも。
「その通りよ」
「特になのはですか?」
僕の知る限り一番無茶するのはあの横馬だ。スペック勝負しか出来ないバカだもの。
あとは・・・・・・うわ、全員疑おうと思えば、バッチリだし。
「えぇ。あとヴィータさんも・・・・・・って、あなたは知ってるわよね」
「なかなか派手に怪我したけど、もう退院したから心配ないって本人から連絡来ました」
そう、師匠だ。入院って聞いてちとびっくりしたよ。ま、事後連絡で有無を言わせないのが師匠らしいよ。
おかげで、見舞いにもいけないと来たもんだし。いや、いける余裕すらなかったけど。
「あの子らしいわね。言っておくけど、派手どころじゃないわ。危うく死ぬ所だったわ」
「はぁっ!?」
なんでも、敵地内部に突入した師匠は、そこの動力炉破壊のためにハッスルしまくったとか。
で、相当数の賊を、たった一人で相手したそうだ。結果・・・・・・。
「大ケガしたと。それも・・・・・・瀕死の重傷」
「えぇ。完全回復するまでにはもう少しかかるそうなの。
ただ、今はもう現場に復帰しているそうだから安心していいわよ?」
そこまでかい。それならそうと言って欲しいんですが。・・・・・・ったく。うし、会ったら一言言ってやる。
なんで黙ってたのかと。知ってたらアイス作って見舞いに速攻で行ったのにと。
「とにかく、もしレリック事件のような事に六課が対処する事になった場合、まずいの。
現状がこれだから、なのはさん達が本調子で対応できるかどうかは、微妙なのよ」
いや、対応できないでしょそれじゃ。そもそも本調子かどうかすら、考えるまでもないいし。
・・・・・・というか、そんな状態なのにまた何か起きたらあのチート部隊に頼るつもりですか?
局の上層部は、マジで何を考えてる。もう解散して、解放してあげてよ。ゴールさせても、問題ないでしょ。
・・・・・・まぁ、仕方ないと言えば仕方ないのか。
六課はなのはやフェイト、はやてに師匠達守護騎士さんも居るわけだから。
現状で言うと教導隊みたいな特殊なのを除くと、局内で一番戦力が整っている部隊。
しかも、JS事件解決してミッド救ってるしなぁ。
また何かあったら、どこもかしこもなんとかしてくれると思うに決まってる。
勝手な期待と信頼を押し付けて、傍観者に徹するわけですよ。反吐が出るね。
・・・・・・いや、みんなだったら、そんなのとは関係なく、なんとかしようとするに決まっている。
なんていうか、お仕事大好きワーカーホリック的なんだよね。
局員としての使命感とか、そういうのに燃えてるのよ。それはもうすごい勢いで。
マテマテ、そう考えると今の六課って、そうとう危ない状態なんじゃないのっ!?
ただでさえレジアス中将の一件で管理局の威厳ガタ落ち。
そのせいで、犯罪率も少し上がっているって言うし。
「その通りよ。・・・・・・あの子達、本当に無茶するから」
あー、そうですね。僕も人の事言えないですけど。
なんていうか、一般人が止められないレベルで無茶しますからね。
正直アレは迷惑なんで止めて欲しいですよ。
特に今だよ今っ! 主に僕に迷惑かかってるしっ!!
「まぁ、今ので理解出来ました」
ぶっちゃけ、したくなかったけど、してしまった。
「・・・・・・万が一に備えて戦力補強のために、増援が必要」
で、そこで白羽の矢が立ったのが、今回の件で特にその手のダメージが残ってない僕。
「だから、僕を六課に仕向けるってことでいいですよね?
で、この話は他の部隊員には、当然内緒・・・・・・と」
ようやく意図を悟った僕の言葉に、リンディさんが頷く。
なるほど、後処理の手伝いってのは表向きの理由ってことですか。
この話が六課の部隊員にバレると、色々と面倒そうだし。
でも、それなら僕より強いやつを何人か送るとかしたほうがいいんじゃ?
正規の局員で居るでしょ。あとは、ちょい無理だけど教導隊とかならゴロゴロと。
「それでね、正規の局員を増援として送るのは今は難しいわ。
あなたも知っていると思うけど、まだどこの部署も事件のせいでゴタゴタしているもの」
「してますね。自業自得なのに」
「・・・・・・そこは、言わないで欲しいわ。それで特に地上部隊は、実質のトップが居なくなった事が大きいの」
それは知っている。実際、今の僕がかなり大変な事になっているのだ。
特に、地上部隊の実質的なトップであったレジアス・ゲイズ中将が亡くなった事。
そして、中将が今回の一件に一枚噛んでいたというスキャンダルによって、地上部隊の大半はガタガタだ。
・・・・・・確かに、そんな状態で各部隊から腕利きの人間を呼んで仕向けるっていうのは、厳しいかもしれない。
ここまでの状況だと、きっと運営体制やら戦力やらの見直しも行われる。
その時に、そういう人間がその見直し計画の一部に入らないわけがない。
「その通りよ。それに、あなたの言う通りに何人も『事務仕事の手伝いのために来ました』なんて・・・・・・送れないでしょ? いくらなんでも無理がありすぎるわよ」
まぁ、そうですよね。つまり、対外的に強いのが有名なのは送れないってことか。
だって、送ったらバレるし。どっかあきれ気味なリンディさんの言葉に、僕は一応同意しておく。
休み・・・無しなのかな。いや、まだだ。
「その点あなたなら、立場上すぐに動けるし、あの子たちとも知り合いでやりやすい。
そこにさっき言った通り、実力はあるときているんですもの」
そうして、リンディさんの顔が近くなる。というか、まっすぐに見つめてくる。
「恭文君、お願い。あなたの事情も理解はしてる。正直、また面倒事を押し付けてるとさえ、思う。
だけど今、なんとか出来るのはあなたしかいないの。あの子達の力に、なってくれないかしら」
「いや、だから僕は仕事が・・・・・・あの書類の海は、どうしろと? 放置すればいいんですか?」
「それなら問題ないわ。実を言うと、あなたの今の依頼主・・・というか、クロノの方にはもう話していてね。
許可ももらってるの。書類の方も、多少だけど大目に見てくれる話になってるから」
「・・・・・・しっかりと退路を断つのは止めてほしいんですけど?」
リンディさん、舌をぺロっとだしても騙されませんよ? 可愛いとは思いますけど。
奥の手・・・・・・あっさり潰されたしっ! くそ、放置もダメだって暗に言われてるよね、これっ!!
くそ、いざとなったらクロノさんに、ここ数ヶ月の労働基準法無視な僕の働き振りとかを盾に休みを要求しようと思ったのに。
もしくは、あの告白してきた女性局員の事とかですよ。
それを、市井の人々やエイミィさんやアルフさんにバラすとか言って、守ってもらおうと思ったのに。
あれですか、そんなに僕を働かせたいのかハラウオン家はっ!?
「だって、あなたはこうでもしないと動いてくれないでしょ?
・・・・・・もちろん、休みについては貴方の要望に、出来る限り応えられるようにするから」
僕の事をじっと見つめ、そう言ってくるリンディさん。
瞳と表情に、懇願するようなものが見えるのは気のせいじゃない。というか、辛い。
・・・・・・あぁもうっ! 結局またこのパターンかいっ!!
とりあえず、スペック勝負に走るなのははシバいてやる。
今回のこと、話を聞くにアレの無茶が大きな要因になってるのは明白だし。
「リンディさんってほんとにずるいですよね」
「ちょっと、いきなりひどいわねっ!?」
「だってそうじゃないですか。そんな話をされて、根回しまでしっかりとされて、僕が断れると思います?」
「・・・・・・なら、六課への出向。受けてくれるの?」
・・・・・・ぶっちゃけ、嫌です。単発ならともかく、六課は解散まであと半年近くある。それまでずっと常駐だよ?
行動に制限は付くだろうし、自由は効かなくなるに決まってる。気が重いのも、事実。
「この状況じゃあ、もうそうするしかないでしょう?
それに・・・・・・そんな状態のなのはは、まぁいいや」
「ちょっとっ!?」
「いいんです。もう何したか、大体予測つくし。てゆうか、リンディさんも後見人なんだから、注意しません?
いい加減、アレとかコレみたいなスペック勝負で行くのはやめろって。なんで変化球投げないのかって」
「・・・・・・安心して。それはシャマルさんやみんなでしっかり話すそうだから。ただ、無駄よ」
「・・・・・・でしょうね」
とにかく、なのははどうでもいい。どーせ一人で突っ走って無茶したに決まって。
ぶっちゃけ、自業自得もいいとこだよ。というわけで、もう一度言う。なのはは、どうでもいい。
・・・・・・あ、どうでもよくないか。絶対フェイトに心配かけたに決まってるし、会ったらいじめておこう。
あれだよあれ。魔王呼ばわりしてやる。そして泣かせてやる。
僕の休みが無くなったという悲しみの涙に、溺れさせてやる。
「フェイトや師匠は、絶対に放っておけないですし」
「・・・・・・なのはさんは放っておいてもいいのね?」
「いや、そんなことしませんよ? フェイトと師匠に怒られるに決まってますし」
・・・・・・リンディさん、なんでそんなに呆れたような顔するんですか?
「いえ、あなたとなのはさんがそういう付き合い方しているのは知っているの。
だけど、怒られなければ・・・・・・放っておいていいの?」
「まぁ、信頼関係にヒビが入らない程度に。第一、別に彼女ってわけでもないじゃないですか。
なのに、深いとこまで面倒見切れませんから。そういうのはユーノ先生に丸投げですよ丸投げ」
さて、頭を抱えたリンディさんは放っておくとして、これでいよいよ引けなくなった。
どこまで出来るかは分かんない。あんまり気が進まないのも事実。でも、だからって・・・・・・ねぇ。
「やれるだけのことはやります。でも、リンディさんも六課へのフォローよろしくおねがいします。
・・・・・・僕一人に全部押し付けたら、本気でしばらく行方くらませますからね?」
モモ達の劇場でのクライマックスを、見逃すのは決定したのだ。
それくらいのことはしてもらわなきゃ・・・・・・ごめん、泣いていいかな?
「わかったわ。こちらもできる限りの事をします。・・・・・・恭文君。ありがと」
「いいですよ別に。その代わり」
僕は、右手の人差し指を一本、上にピンと立てて、言い切った。
そう、これで確定。後戻りなど出来なくなった。
「これが終わったら、たっぷりと休暇をもらいますから」
・・・・・・思えば。いや、思わなくてもいいか。これが始まりだった。
ようやく手にしたつかの間の平和を享受する暇なんて、僕には無かった。
そう、僕はまた新しい戦いに、遠慮なしに赴くことになった。
そう、勝利を勝ち取った次元世界の女神達と共に戦う道へと・・・・・・僕は足を踏み入れた。
・・・・・・あ、女神ってのはなのは以外ね? あやつは魔王であり冥王であり若○ボイスの似合う女ですよ。うんうん。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「・・・・・・はっくしゅんっ!!」
・・・・・・うわ、ビックリしたっ!!
「なのは、大丈夫?」
「あー、うん。大丈夫だよ。みんなもビックリさせちゃって、ごめんね」
そう言いながら、目の前の人は口元を押さえる。栗色のサイドポニーが、まだ揺れている。
「いえ、それは大丈夫なんですけど」
「ひゃっくしゅんっ!!」
『二度目っ!?』
「・・・・・・なぁ、なのは。体調悪いなら、医務室でシャマルに見てもらえよ。
ここはアタシ達だけで、大丈夫だからよ」
赤毛で三つ編みの女の子・・・・・・いや、私の上司なんだけど。
ヴィータ副隊長が同じく私の上司であるサイドポニーの女性、高町なのはさんを心配そうに見上げている。
それは・・・多分この場にいる全員同じ。だって、あの戦いが終わって、まだそれほど時間が経ってない。
もし、なにか大事になったら・・・・・・。
「ううん、もう大丈夫だよ。というか、私は今朝、病院から帰って来たばかりなんだよ?
その時は異常が無かったんだから、大丈夫に決まってる」
「あー、そういやそうだったな。・・・・・・ということは、今のくしゃみはなんだ?」
・・・・・・あれ? なのはさん、どうして俯くんですか? というか、なんか泣きそうにっ!!
「・・・・・・なんだかね、また意地悪されたような気がしたの。
またね、魔王とか・・・・・・冥王とか、若本ボイスが似合うとか言われたの」
・・・・・・また? というか、魔王ってなにっ!?
「・・・・・・またかよ」
ヴィータ副隊長がなんか納得してるっ!?
「時間的には、リンディ提督が話をなされているころだしな。十二分にありえる」
シグナム副隊長もなんで通じ合ってるんですかっ! 私達ちっともわかんないですよっ!!
「なんというか、ごめんねなのは。あの、別にヤスフミは嫌いとかじゃないと思うの。
ただ、ちょっと素直じゃないというか・・・・・・あぁ、ホントにごめん」
「ううん、大丈夫だから。というか、今度会った時にしっかりお話させてもらうしね」
・・・・・・これ、なに? というか、真面目に私達は訳が分からない。
なのはさんもそうだけど、ヴィータ副隊長もシグナム副隊長もフェイトさんも、何言ってるの?
「ううん、なんでもない。とにかく」
なのはさんは顔を上げると、泣きそうだった自分の顔を両手で『パンパンっ!』と叩く。
その手が離れると・・・・・・うん、私の知っているいつものなのはさんの顔だった。
「話の続きね。・・・・・・そういうことなんだけど、みんな大丈夫かな」
「はいっ! 大丈夫ですっ!!」
「六課に・・・・・・新しい部隊員が来るということですよね?」
私達の言葉に頷いたのは、金色に輝き、腰まで伸びる揺れるストレートヘアーの女性。
「うん。事件の事後処理なんかで、みんな大変でしょ? それに、隊舎がもうすぐ復旧する。
そうなると、通常業務もこなしながらやっていくことになる。それは大変だからってことで」
「アタシらの知り合いに、そこそこ腕の立つフリーの魔導師が居てな。そいつを呼ぶことにしたんだ」
「本来であれば、正規の局員を呼ぶのがいいのだろうが」
まぁ、そうだよね。普通は、そっちの方が多いと思うもの。
「お前達も知っている通り、今はどこの部隊もゴタゴタしているからな。
手の空いていてすぐに呼び出せて、その上能力もある人間というと・・・・・・アイツしかいなかった」
「蒼凪恭文君っていう男の子でね。ヴィータ副隊長も言ってたけど、私達とはずっと前からの友達。
それで後見人のリンディ提督から話を聞いて、すぐに準備してきてくれる話になってるの」
そう口々に言うのは、フェイトさん、ヴィータ副隊長、シグナム副隊長、そしてなのはさん。
・・・・・・私達はこの四人に・・・・・・というか、上司に急に呼び出された。
そして、いきなり言われた事は、中々に衝撃的だった。
私達が所属する部隊、機動六課に新しい部隊員が来るという話。しかも、私達と同じ魔導師。
うーん、でも、なんで事務仕事なんかの手伝いで魔導師の人を呼ぶんだろ・・・・・・?
まぁフリーでやってるってことだし、色々と器用な人なんだよね。きっと。
そうだ、自己紹介が遅れた。私の名前はスバル・ナカジマ。機動六課所属の魔導師です。
ここは、六課が臨時の本部として使用している、時空航行艦アースラのミーティングルーム。
今、なのはさん達の言葉に頷いたのは、私と長年のパートナーになるティアナ・ランスター。
オレンジ髪でツインテールのツンデレっ!!
あ、私はティアって呼んでるの。で、ここに居るのは私達だけじゃない。
「フェイトさん達の知り合いの魔導師・・・・・・・どんな人なんですか?」
「名前の感じからすると、なのはさんや八神部隊長と同じ響きみたいですけど」
疑問一杯な顔で聞いてきたのは、私とティアのチームメイトになる、エリオ・モンディアル。
そして、そのパートナーで同じ分隊の、キャロ・ル・ルシエ。
その言葉に頷くのは・・・・・・二人の所属するライトニング分隊の分隊長であり、保護者でもあるフェイトさん。
さっきも言ったけど、金色のロングでストレートな髪に、ルビー色の優しい色合いの瞳が特徴の人。
それで、とても素敵な人。優秀な執務官でもあるけど、ちょっと・・・・・・ボケボケっとした人。
あと、少し親ばかだしね。フェイトさんは、二人を見て、優しい微笑みを浮かべながら、話を続ける。
「うん。・・・・・・ほら、覚えてないかな。前に話したでしょ?」
フェイトさんがそう言うと、エリオとキャロは顔を見合わせる。
そして・・・・・・二人同時に思い出したみたいな顔になる。
「あ、ひょっとしてフェイトさんの」
「そうだよ。前にも言ったけど、私にとっては・・・・・・大事な友達で、仲間で、弟なんだ。
エリオもキャロも、仲良くしてあげてほしいな。きっと、すぐに仲良くなれると思うから」
「「はい」」
「スバルとティアもお願いね。色々・・・あるかもしれない。
だけど、基本的には悪い子じゃないから。というか、すっごくいい子なんだよ?」
なのはさんが続けてくる。というか、私もティアも気づいた。瞳が、心配の色で溢れてる。
「優しいとこもいっぱいあるから、嫌わないであげてね。
ただ・・・・・・少しだけぶっ飛んでるの。頭のネジが外れかけてるの」
「まぁ、アレだ。アイツがなにかやらかしたら、アタシに言え。
師匠のアタシから、キツイお灸をすえてやるからよ」
「はい」
「わかりました。・・・・・・師匠?」
師匠って・・・・・・なに? というか、なんでなのはさんはそんな微妙な言い方をしてるの?
私達がハテナマークを浮かべてると、シグナム副隊長が補足を入れてくれた。
「蒼凪は、魔導師になりたての頃にヴィータから、魔法戦の技能を叩き込まれていてな」
「あ、それで師匠なんですね」
「そうだよ。ヴィータ副隊長が教官資格を取ろうと思ったのも、恭文君に魔法を教えていたのがきっかけなんだ」
「そうなんですかっ!?」
おぉ、それは知らなかった。そういえば・・・・・・前にヴィータ副隊長に、どうして教官資格を取ろうと思ったのか聞いたことがある。
ただ、その場ではなぜだか顔を赤くして、全然話してくれなかったけど。
「弟子などというものが居るとは、話しにくかったのだろう。
とにかくだ、師匠という立場から見て、蒼凪が成長していく姿を見るのが楽しかったらしくてな」
楽しい・・・・・・ギン姉が、私にシューティングアーツを教えてる時みたいな感じかな。
父さんから見ると、そういう風に見えるらしいし。
「蒼凪がある程度出来るようになって、手を離れた途端に猛勉強して、意気揚々と取りに行ったんだ」
「なら、蒼凪さんという人は、私達の先輩で」
「ヴィータ副隊長の最初の生徒というわけですね」
「うん、そうなるのかな。それに、恭文君と訓練しているときのヴィータちゃん、すっごく楽しそうなんだ。
見てるこっちが楽しくなるくらいに。ね、ヴィータちゃん?」
「バ、バカッ! ちげーよっ!! アタシは、アイツの師匠として色々と・・・・・・そうだよ、色々とあんだぞっ!?」
ヴィータ副隊長が慌ててる。やっぱりその人って、なのはさん達とすっごく仲のいい人なんだね。
だって、先生と生徒とかじゃなくて、師匠と弟子なんだもん。よっぽど深い付き合い方してないとそんなの無理だよ。
「あ、でもそれは、スバルも同じでしょ?」
「え、私ですか?」
私の言葉に、隊長陣四人が顔を見合わせる。
・・・・・・あの、私なにか変な事言いましたか?
「・・・・・・スバル、ひょっとして知らないの?」
「あの、何がですか」
「ヤスフミは、ギンガと友達なんだよ?」
ギンガというのは、私の姉で、今は本局の医療施設に入院しているギンガ・ナカジマのこと。
なお、私はギン姉って呼んでる。・・・・・・えっ! その人って、ギン姉の友だちなんですかっ!?
「あぁ。八神部隊長が108部隊で仕事してた時に、恭文のやつもそこに居てな。
それからの付き合いなんだよ。大体、3年・・・・・・つってたか?」
「うん、それくらいだよ。だからヤスフミ、ギンガとはとっても仲が良いみたいなの」
「そうだったんですか」
・・・・・・そんな感じで、その場は解散になった。
そして、部屋に戻って、早速連絡。相手はもちろん・・・・・・私の大事なお姉ちゃん。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『・・・・・・えぇ。なぎ君が六課に来ることは知っているわ。八神部隊長達からメールをもらったの』
「ね、どんな人なの? なのはさん達の話だと優秀なフリーの魔導師って話だけど」
ギン姉に通信をする。ギン姉は今、あの事件でのダメージを治療中。
だから、着ている服は入院着。でも・・・・・・こうやって話せるだけでも、私はすごく嬉しい気持ちになる。
というか、世間は狭いなぁ。ギン姉とその人が友達だったなんて。
『そう言えば、スバルには少しだけしか話してなかったね。
・・・・・・ほら、嘱託で仲良くなった男の子が居るって言ったでしょ?』
「あ、もしかしてその人?」
『正解』
3年くらい前かな。ギン姉が同い年で友達が出来たと話してた事がある。
それで、その人の事を凄く楽しそうに話すの。そっか、それが蒼凪恭文さんだったんだ。
『それでなぎ君は、一言で言えば・・・・・・面白い子、かな? 本人も、パートナーデバイスも含めてね』
・・・・・・パートナーデバイスも?
『ちょっとクセはあるけど、悪い子じゃないから、スバルやティア達とも仲良くできるはずよ。
というか・・・仲良くしてあげて。本当にお願い。というか、いい子なんだよ? すごく優しいとこもあるし』
あ、あれ? なんだか色々と雲行きが怪しいような感じが・・・・・・というか、デジャヴ?
『ただ、ちょっとおかしいというか、ぶっ飛んでるというかノリすぎというか。
頭のネジが2,30本ほど外れているというか・・・・・・そういう、子なの』
「いや、どんな子っ!? ・・・・・・というかさ、なのはさんと同じこと言ってるよ、ギン姉」
『そうなの?』
「うん。というか、もっとヒドイ」
ギン姉もそうだけど、あのなのはさんにそこまで言わせるなんて。
・・・・・・なんか、興味出てきたなぁ。どんな人なんだろ?
『とにかく、私はこの通りだし・・・・・・スバル、なぎ君が来たら色々と面倒見てあげてね』
「うん、分かったよギン姉。あ、それならもう少し詳しく教えてもらってもいいかな? その人のこと」
『えぇ、いいわよ。それじゃあ、なにから話そうかな』
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
『・・・・・・はぁっ!? 機動六課に出向って・・・・・・マジかいっ!!』
「マジですよ。うぅ、すみません。普通に電王見れそうにありません」
自宅に戻って、ちょっとだけ友達・・・・・・まぁ、年上なんだけど、連絡。
僕が、この書類の海を2週間で片して、部隊出向しなければならないと。
『なぁ、やっさん。普通にお前関わる義理立て、なくないか?
今の話を聞く限り、完全に尻拭いもいいところだろうが』
『そうだよ。大体、アンタだって・・・・・・ダメージ、あるよね?』
まぁ、そこはなぁ。そこは・・・・・・なんだよなぁ。全く否定出来ないのが、辛い。
真面目な話をするとさ、今後の部隊運営に支障が出るまで無茶しまくるって、ありえないよ?
一般的な会社組織で考えて欲しいのよ。例えば、すっごい締め間近な仕事があるとするよね。
それを超えるために、いつまでに復帰可能になるか読めないダメージを蓄積するのは、意味がないのよ。
それも、明日明後日でどうにかなるって話じゃない。僕の出向だって、解散までって話になってるんだから。
後見人であるリンディさんの目から、部隊長であるはやての目から見て、問題だと言える爆弾を抱えてるのが、今の六課。
そしてこれが、目の前で苦い顔をしている二人が『尻拭い』とまで言った理由。
もちろんさ、JS事件で六課は中核とも言える働きをしたし、仕方ないとも言える。
ただ、逆を言えばたった一つの部隊の人間を、酷使させた局には相当問題があるのよ。
・・・・・・うん、マジでイライラしてきた。ただ、表に出すのはやめておこう。
だって、僕は六課に居なかったんだから。誘われて、入るチャンスはあったのに、断った。
だったら、言う権利なんてない。イライラは、適当にやけ食いでもして消化する事にする。
「僕のダメージは・・・・・・まぁ、フェイトの笑顔と天然ボケにでも癒されてますよ。
あ、そうか。普通に落とせばいいんだ。それで、R18コース行けば・・・・・・かつる」
『お前、結局そこかっ!? てーか、マジでハラオウン執務官は可能性ないだろうがっ!!』
「分かってませんね。可能性は自分で切り開くものなんですよ?」
『かっこつけてどうにかなる問題っ!? というか、例えどんな神様でも、その可能性は絶対切り開けないからっ!!』
・・・・・・こうして、夜は更けていくのだ。そう、更けていく。
背中に感じる、書類からのプレッシャーを、今だけは忘れる。
いや、お願い。今だけでいいから現実から逃げさせて。というか、逃げたいの。
だって・・・・・・普通に辛いの。これ、二週間で片付くかなぁ。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
「・・・・・・やっと、帰ってきました」
ここは、時空管理局所属・機動六課隊舎のロビー。
部隊員は、前線もロングアーチもバックヤードも、みんな並んで整列しとる。
うちはそれを見て、泣きそうになる。でも、今は我慢や。
「あの襲撃事件から2ヶ月が経ちました」
隊舎は丸焼け、人員は怪我しまくり。そして、攫われた人間まで出た。
マジで、負け戦やったなぁ。ほんま・・・・・・辛かった、なぁ。
「今日、私たちはようやく自分たちの居場所に帰ってくる事が出来ました。
この2ヶ月の間、アースラに乗り込んでくれていたクルーを始め、みなさんには本当に苦労をかけました」
あの事件で隊舎が壊滅してから早2ヶ月。ようやく隊舎は復旧して元通りになってくれた。
だけど、全部が全部元通りゆうわけやなかった。例えば、前線メンバーや。
なのはちゃんとヴィータはゆりかご内部での戦闘が原因でまだ本調子やない。二人とも、相当無茶したしな。
完治するのにも、時間がかかるやろうというのは、シャマルの談や。
ヴァイス君やザフィーラ、ロングアーチやバックヤードのスタッフも負傷。
ほんまやったら、ここに来て通常業務するだけでも厳しい人間も、多い。
でも、みんな来てくれた。・・・・・・ありがとう。ほんまにありがとうな。
「私のような未熟者にここまでついて来てくれた事。ただただ感謝する他ありません。
ほんとに・・・・・・今日ここに来てくれて、ありがとうございます」
そんな訳で、機動六課はまだまだ完全復活には程遠い状況や。
でも、リンディさんのおかげで人を借りる事が出来た。
うちとうちの子達になのはちゃん、それにフェイトちゃんの昔からの友達。
ちゅうか、幼なじみやな。嘱託として、あちこちの現場を渡り歩いてきた優秀な魔導師。
実力はうちらがよく知っとる。もう8年の付き合いや。あんなことからこんなことまでよう知っとる。
アイツが居てくれたら、うちらは相当に楽になる。長年の友達でやり口や性格は熟知しとるもん。
そのために、うちら隊長陣とも連携も取り易い。あと、気持ち的にも楽になれるしな。
・・・・・・まぁ、事件中はアイツも大変な目に遭ってたわけやし、呼ぶことに躊躇いが無かったわけやない。
ただ、緊急事態やし、どうしても手段を選べなかった。今回の一軒で、アイツはほぼノーダメージやったのも大きい。
ただし・・・・・・精神関係と、後処理以外な?
嬉しいのは、うちらの現状を聞いて、休みも返上で準備して来てくれたっちゅうことや。
まぁ、返上させられたと言うのが正解かもしれん。ただ、最後は自分で決断してくれたそうや。
アイツは、ホンマに嫌やったら雲隠れしてでも拒否ろうとする奴やから、それは本当に嬉しかった。
自分の後始末かてまだ済んでなかった言うに・・・・・・ほんまに、ありがとうな。
「さて、湿っぽいのはここまでにしましょう。・・・・・・実は、今日という日を祝うように、めでたい話があります。
今日から、この機動六課で私達の新しい仲間として、一緒に仕事をしてくれる方がおります。では、こちらに」
うちがそう言うと、後ろに控えていた彼は緊張しながら壇上に上がる。・・・・・・アンタでも、緊張するんやな。
襟の立った陸士制服が映える。アイツは持ってへんかったから、うちがプレゼントしたものや。卸し立てやから綺麗やなぁ〜。
・・・・・・一応、いつも着ているアンダーウェアがいいと言ってたんやけど、当然却下した。
これからはうちらの同僚なわけやし、そこはちゃんとせなあかん。
まぁ・・・・・・あれや。確かにアンダーウェアの方がかっこいいと思うで?
特にあれや、青色なんてあんまないし、そこはうちもマジで思う。
でもな、『地上部隊の制服・・・・・・ダサいもん』とか言うのはやめとき? いや、ほんまにや。
うちも、海とか空とかのと見比べるとたまに思うけど。
なんていうか、色合い・・・・・・がな? こう・・・・・・アレやし。組織改革、ここからやないかと思うもん。
それはさておきや。2ヶ月ぶりくらいに会ったけど、ホンマにアレや。
『男子、三日会わざればかつ目して見よ』とはよく言うたもんや。
ほんのちょっと会わん間になかなかにいい男に成長し・・・とらんなぁ。
全く・・・・・・しとらんっ! 誰やっ!? こんな適当な格言言うたアホはっ!?
三日どころか、数年単位でも全く変わってへんでアイツっ!!
結構長い付き合いやけど、昔から全然変わってへんしっ!!
主に身長や。髪の長さは普通やけど、体型は小柄な女の子で通るで?
顔立ちもそんな感じやし。あぁ、声も同じやな、3オクターブ出るし。
つかあの身長・・・・・・下手すると、うちより小さいんやないか?
「・・・・・・と」
ドタン
『え?』
・・・・・・あ、コケタ。考えた事、伝わったんやろうか? ・・・・・・一瞬の痛い沈黙が、場を支配する。
その後、それでも、なんとかヨロヨロと起き上がって、挨拶しようとする。あー、そないに早足で前に行こうとしたら危ないで?
「あわわっ!!」
ドーンッ!!
『・・・・・・え?』
案の定、前に行き過ぎて、壇上から足を踏み外して落ちた。
こんな日に、なんつう縁起の悪い落ち方するんや。いや、そういう問題やないか。
みんなそれを見て、どうしたらええんかわからん顔しとる。
いや、シャーリーとルキノ・・・・・・グリフィス君は笑っとるな。
あー、シグナムは睨んどる。シャマルは・・・・・・そのキラキラ目はやめような。
うん、マジで怖いから。それで、ザフィーラはいつも通りやし。
リインは、やれやれって顔しとる。まぁ、凄く嬉しそうやけど。アイツが来るのを、一番喜んでたしな。
なんとも相変わらずやなぁ。変わらんってどういうことや。ま、だからこその古き鉄か。
しばらくシリアス続きやったし、バカ騒ぎのひとつやふたつは期待してるで、恭文。
というか・・・・・・ありがとな。来てくれて、ほんまありがと。うち、マジで嬉しかったんやから。
◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆
期待してるでじゃないよこのチビタヌキっ!!
うぅ、みなさんの視線がチクチク痛いんですけど。
もっと言うと、オレンジとピンクの視線が痛い。
話が話だったから、引き受けて出向してきたけど、しょっぱなから大ポカやらかすし・・・これから先、一体どうなるのっ!? すっごく不安なんですけどっ!!
(第2話へ続く)
あとがき
ミスX≪・・・・・・こんな感じで始めてみました。『とある魔導師と機動六課の日常』。いかがでしたでしょうか?
えー、始めまして・・・でいいのでしょうか? どうも、私です≫
恭文「・・・よし、なにしてる? つーかっ! どこのクリームでシチューな人だよっ!!」
ミスX≪いいじゃないですかマスター。ほら、私は第3話からの登場ですし。ミスXとでもしててください≫
恭文「・・・で、そのミスX様と僕が、どうしてここにいるの?あ、自己紹介遅れました。
さっき壇上で転ぶという、微妙なことをやらかした主人公の蒼凪恭文です」
ミスX≪いつものあとがきですよ。えー、今回始めてこの作品を呼んでいただいたかたに説明しておきますと・・・・・・これ、修正版なんですよね。
第一回目は、作者がまだHTMLとかよくわかってないで、改行無茶苦茶なところがあったりしたので、それやら加筆やらしたものがこれになります≫
恭文「で、今話してるミスXは、このお話のオリジナルキャラです。
第3話から登場しておりますので、そこまで呼んでいただければ正体がわかります」
ミスX≪まぁ、内輪の事情はともかくですよ。そろそろ話を勧めますか。
この作品がどういうものかを、説明したいと思います≫
恭文「なお、キャッチフレーズは・・・・・・これです」
(ーその再生を、破壊するー)
恭文「・・・・・・って、これは違うわボケっ! なんで00っ!? いや、スバル出てるけどっ!!
なんか、死亡フラグたくさん立ててそうな感じだけどっ!!」
ミスX≪いや、いいじゃないですか。ここまで読んでくれているということは、当然話については理解してるでしょうし≫
恭文「そういう問題じゃないでしょ」
ミスX≪そう言う問題ですよ。仕方有りませんね。それなら・・・・・・これでいいでしょ≫
(ー友達に、なりたいんだー)
恭文「何と友達になるんだよ僕はっ!? つーか、これ劇場版っ!!
ここは二次創作だからねっ!? 公式じゃないんだよ公式じゃっ!!」
ミスX≪全く・・・・・・じゃあどうしろって言うんですかっ!!≫
恭文「逆ギレするなっ! 僕が聞きたいよ僕がっ!!」
ミスX≪・・・まぁ、ボケるのはこの辺りにして、真面目に話しますか。
この話は、現在DVD全9巻が好評発売中の、TVアニメ『魔法少女リリカルなのはStrikerS』の、二次小説です≫
恭文「最初からそうしなよ。で、テレビアニメの後日談ですね。時期的には、最終決戦が終った直後。
元々の主人公であるなのはにフェイト、はやてが所属する部隊『機動六課』」
(青い古き鉄、一応のおさらいから始めるつもりらしい)
恭文「そこに、劇中のような事情で昔からの友達で仲間である僕が、出向するというお話です」
(二人とも、台本を捲りつつ話を更に薦める。ペーパーノイズの入らないところから、かなり手慣れている)
ミスX≪正直、アニメ見てない人はぶっちぎりですよね。魔法設定や、人間関係とかも詳しいこと説明しないでしょうし≫
恭文「いや、二次創作って、基本として見ている人対象だから、そこは問題・・・あるか。作者には、あとでその辺りを言い含めておこう。
で、今回はその序盤。僕が六課に出向する経緯と、それに対しての六課メンバーの反応。・・・まぁ、プロローグって感じだよね」
ミスX≪で、みなさま疑問に思っていらっしゃるので答えておきますと、後日談にしたのには理由があります≫
恭文「作者のアホ、TV版にオリジナル主人公が加わって・・・って展開だと、面白いもの書けないかもしれないって考えたそうです」
ミスX≪ちなみに、TVが面白くないとか、そういう方向性で書いている作家さんをバカにしているわけではありません。むしろ、面白いから好きなそうです。
つまり・・・『そんな面白い作家さんより、面白いものが書ける自信が無い』というへたれな理由で、後日談にしたそうです≫
恭文「まぁ、そういう人なんだよね。基本、ネガティブで逃げな姿勢だし。
ま、そこはともかく・・・これで興味が出てきた方はアニメを見ると、更に楽しめると思います」
ミスX≪では、ここからは一応の主人公であるマスター、というか、蒼凪恭文の設定を紹介しましょう。以下がそれになります≫
恭文「一応って言うなっ!!」
名前:蒼凪 恭文(あおなぎ やすふみ)
年齢:17歳相当(なのは達より二歳下)
性別:男
身長:154cm
体重:身長に見合う程度に(というか0.9スバル=胸囲の差)
体型:細身
髪の色:暗めの栗色
髪型:いわゆる主人公的な髪型(瞳は出ている)
瞳の色:黒
顔立ち:柔らかみのある女性的な顔立ち
職業:管理局所属の嘱託魔導師
魔導師ランク:空戦魔導師ランク:A+
声のイメージ:雪野五月さん(園崎姉妹のポニーテールで活発な方のイメージで)。もしくは、千○かなめ
性格:基本的にはお天気屋でひねくれている。自由奔放な暴走ライナー。しかし、人から真剣にお願いされると口ではなんだかんだと言うけど、断れない。
そして・・・師匠である鉄槌の騎士・ヴィータには逆らえない。一人称は『僕』。
座右の銘その1:自分よければ全て良し。他人も良ければまぁまぁ良し。フェイトと師匠が良ければすこぶる良し。
その2:止まらず、揺らがず、躊躇わず。
ミスX≪・・・ちょこっとだけ変わってます。えぇ、体重が≫
恭文「あと、声のイメージは・・・いや、本当に気にしないでください。
書いてて、作者がこういう声かなぁとか考えながら書くと面白いっていうだけの話だそうなので」
ミスX≪でもこうして見ると・・・雪○さんなんですね。○賀さんとか、高○さんとかじゃなくて≫
恭文「あ、ここで作者からの正式コメントです」
(外見は体格が小さめで、少年的。で、声は男性的というよりは、女性的な柔らかさがある感じにしたかった。しゃべり方もキレてない限りはそれで)
ミスX≪あまり男男してる感じでは無いんですね。やはり、外見に精神は引っ張られるんですよ≫
恭文「よし、無視で行く。・・・なにより、シュールで連続的なボケとツッコミをやりたかったので、イメージ出来るのが・・・・・・雪野五月の声しか浮かばなかった。
というか、銀魂見てたら、まさにこれだと思った。声の質は、どちらかというと魅音とか、かなめみたいな感じだけど』・・・だそうです。あぁ、なるほどね。あのノリなんだ」
ミスX≪友人的にも、このイメージキャスティング・・・・・・というか、オタクの妄想ですよね。
納得だったそうです。あぁ、痛いとか思わないでくださいね。ちょっと気にしてますから≫
恭文「でも・・・妄想って大事だよ? それがあるから人類は生きていられるんだから」
ミスX≪まぁ、あれですよ。このネタはあとがきしか出ないですし、もういいでしょ。
とにかく、これで今回のあとがきはこれで終了となります。マスター、修正版ってまだ出すんですか?≫
恭文「2話と3話はちょっと直したいらしいね。まぁ、暇があるとき・・・・・・だろうね。
そんなわけで、今回のお相手は蒼凪恭文と」
ミスX≪ミスXでした。それではみなさん、これから私とマスターの大活躍にご期待ください。それでは、またー!≫
(二人で画面に手を振りテーマソングが流れる。『さらば電○の主題歌。なお、歌詞は2番です』)
ミスX≪・・・・・・馬鹿でしょ?≫
恭文「言わないで。・・・・・・ねぇ、どうしようか、これ」
ミスX≪あれですよ。・・・・・・笑えばいいと思うよ≫
恭文「なんでそこでエヴァっ!? いやっ! 確かにそれしかやりようが無いけどっ!!」
ミスX≪もしくは、みなさんに拍手で『おめでとう』と言ってもらいましょうか≫
恭文「だからなんでエヴァなのさっ! いや、それ以前の問題として、ただのイジメだよイジメっ!!
つーか、この人数にこのシチュでそんなのやられてもトラウマになるわっ! うぅ・・・これから一体どうなるのー!?」
ミスX≪さぁ? 私にはわかりません≫
(おしまい)
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