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小説(魔法少女リリカルなのは:二次小説)
第30話 『???』:1




































































































古鉄≪・・・さて、詳しい事情がさっぱりなみなさんに謝らなければならない事があります。本編再開と思ったそこのアナタ、すみません。実は・・・今回は特別編。全編ラジオ形式でいきたいと思います≫

恭文「ども、そうらしいとしか聞いてない蒼凪恭文です。・・・で、なにするのさ。タイトルもそれっぽいの付けて、これ完全に詐欺じゃん。知らない人が見たら、ただの始まる始まる詐欺じゃないのさ」

フェイト「あ、どうも。フェイト・T・ハラオウンです。えっと、私もヤスフミもなにするかとかは聞いてないんだけど」

古鉄≪簡単です。・・・先日、名セリフや名シーンを募集しました。なので、それをネタに本編の第2シーズンが始まる前に少し話を振り返っていこうという話ですっ!!≫





(鳴り響くBGMは、当然運命の1小節。それを聞くだけで、嫌でも空気が盛り上がる)





恭文「な、なるほど・・・」

古鉄≪ただ、全部は無理なんですよね。予想以上に来ましたので、その中でも選りすぐりのをお送りしたいと思います≫

古鉄≪あと、それもやりつつダメ出しもしたいですね≫

フェイト「そこはする必要ないよねっ!?」

古鉄≪ありますよ、ダメ出ししたいとこが沢山あるんですから。例えば最近のあなた方とか。なんですか本当に≫

恭文・フェイト「「いや、どうしてっ!?」」

古鉄≪無駄にイチャイチャしてるからに決まってるでしょっ! フェイトさんがミッション06で『いちゃいちゃなんてしてない。私とヤスフミは普通』なんて発言をして、どれだけ反論が来たと思ってるんですかっ!?≫





(青いウサギ、机をドンと叩き声を上げる。そう、大量に来た。それはもうどっさり)





フェイト「そんなこと言われても困るよっ! 私もヤスフミも普通の付き合い方を・・・」

恭文「そうだよっ! 僕達はちゃんと節度ある付き合い方をしてるからっ!!」

古鉄≪・・・よし、もうここはいいです。セカンドシーズンでじっくり攻めていきますから。それでは・・・特別編、スタートですっ!!≫




















魔法少女リリカルなのはStrikreS 外伝


とある魔導師と機動六課の日常


第30話 『一応の最終回。だけど・・・まだまだ続きます』




















古鉄≪この特別編は『喫茶翠屋』の提供でお送りします≫




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



恭文「・・・え、翠屋提供なのっ!?」

古鉄≪そうです。スポンサーになって欲しいとお願いしましたら、快く引き受けてくださりました。・・・さて、まずは皆さんから募集した名シーンや名セリフの紹介です。マスター達に対するツッコミは、後ですね≫

フェイト「だから、いちゃついて・・・あぁもういいよ。あの、それで・・・どうしていくの?」

古鉄≪まぁ、そのシーンを流して、それに付いてコメントしていこう・・・という感じですね。一種のコメンタリー的にやっていくわけです≫

フェイト「なるほど・・・」

古鉄≪というわけで、早速始めたいと思います。なお、最初に流すのは・・・募集をかけて本当に一番目に来たシーンです。どうぞっ!!≫




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「フェイト執務官、ここからはちょっとだけ真剣なお話ですわ」



え、また無視っ!?



「はい」

「もし私があなたの上司なら、最優先であなたを保護という名の軟禁状態に置きます。・・・いえ」





言いながら、シスター・シオンが笑う。でも、先ほどとは違う、嘲りの笑い。まるで、私達をバカにしているような・・・そんな笑い。





「こんなピーキーな精神状態の人間を現場に出す上司の神経を疑いますわ。いくらなんでも熱くなり過ぎです。例えあなたがオーバーSの優秀な魔導師だったとしても、今の状態なら赤子でも倒せますもの。知ってます? あなた・・・今、とても弱いですよ」

「・・・あなたに、何が分かると言うんですか」



挑発にも、嘲りにも似た言葉に、つい、私とフェイトちゃんの視線が厳しくなる。そう、なにも分かってない。フェイトちゃんとスカリエッティの間に何があるのかとか、どうしてそう思うのかとか・・・なんにも。

なのに、こんなこと言われたくない。それだけじゃなくて、さりげなくはやてちゃんのことまで・・・! ついでのついでに、私のことも魔王とか冥王とか・・・!!



「分かりますわ。だって・・・」





シスター・シオンは、にっこりと笑ってフェイトちゃんを見上げながら・・・こう言った。





「昔、顔見知り程度に付き合いのあった嘱託魔導師、今のあなたと全く同じシチュエーションで戦って、負けて、捕まって、そして・・・死にましたから」





・・・え?





「もちろん、ただ死んだのではありません。人権という人権を、徹底的に踏みにじられた上で。スカリエッティと同じように、相手方もマッドサイエンティストの類でしたから、ここでは言えないような実験を数々加えられていました。
それで助けが入ったんですけど、その人間に・・・あぁ、私ですね。もう見るに耐えない状態で、懇願されましたわ。『殺してくれ』と。『もう死なせてくれ』と。まるで狂ったように・・・いえ、狂ったのでしょうね。何度も・・・何度も・・・」





言葉が出なかった。





「さすがに躊躇いましたわ。だって、付き合いはさほどでは無いとは言え、仮にも顔見知りなわけですもの。・・・迷っている間に、閉じ込められていた生体ポッドが異常をきたして・・・そのまま。
忘れられませんね。あの時、死ぬ寸前まであげ続けていた苦しそうな声と、なぜ殺してくれないのかと責めるように私を見る目。そして、考えます。・・・この手にかけた方が、もうあれ以上苦しませないで死なせて上げられたのかなと」





私もフェイトちゃんも、まるで普通のことのように話すシスター・シオンの言葉に、何も言えなかった。さっきまでのおちゃらけムードが、一瞬で壊れた。





「さて、フェイト執務官」

「は・・・い」

「・・・あなたは、そんな風に死にたいのですか? 自らを大事に思う存在を・・・高町一尉のような方々を遺して」





シスター・シオンは、変わらず笑う。普通に話す。でも、それが余計に棘となり、私達の胸を貫く。私達はただ、私より背の小さいシスターの言葉が生み出す空気の波に、翻弄され続けていた。





「死にたいのであれば、あのスカリエッティという男にあらゆる意味で陵辱されて、身も心も壊されたいのであれば、私は止めません。それも選択の一つなのですもの。・・・でも」





でも・・・。そう言いかけて、笑顔が深いものになる。





「そうして壊れてしまった時は、ぜひ私に連絡をください。迷わずに殺して差し上げます。きっとあなた、本当の意味で死にたくなっているでしょうから」





その言葉に寒気が走った。比喩じゃない、この人はもしフェイトちゃんにそんな状況が襲ってきたら・・・迷わずに、殺す。そう実感させるものがあった。



例えば、子ども同士の喧嘩で『死ぬ』とか『殺す』なんて言う人が居る。私はそういうの無かったけど。

でも、今シスター・シオンが放った言葉はそれとは明らかに違う。さっきも言ったけどそんな甘い比喩じゃない。そうなったら、連絡さえくれればそうします。ただ事実を私達に告げている。





「・・・あ、これはシスター・シャッハには内緒でお願いしますね? シスターである者がこんな発言をしたと知られては、ひどく叱られてしまいますから」





笑みが先ほどとは打って変わり、にこやかな、柔らかいものに戻った。右の人差し指が、柔らかく、ゆっくり動いて唇に触れ、内緒のポーズになる。でも・・・怖い。どこかで刃を突きつけられているようで、その笑みをそのまま受け取ることが出来ない。





「シスター・シオン、あの」

「ただ、死にたくないのであればそのヒステリーにも似ている部分は、改善したほうがよろしいですよ? そんなことでは、戦いの流れを・・・ノリを掴むことなどは到底出来ません」










そこまで言って、シスター・シオンは黙った。にこやかな笑みを浮かべたまま、歩いていく。





だけど、私も、フェイトちゃんも、笑うことが出来なかった。胸に残るのは・・・どこか、苦い思いばかり。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



古鉄≪・・・えー、とある魔導師と古き鉄の戦い、ミッション04『鳴り響く終焉の始まり』のワンシーンです。実際は後にも少しあるんですが、今回はここでとどめました≫

恭文「・・・えっと、どういうこと?」

古鉄≪この中の名セリフはこれです。『シスター・シオンのフェイトに対する説教全部』≫





(注:ほぼ原文です)





フェイト「えっと・・・あの・・・これが一番最初に来たの?」

古鉄≪そうです≫

恭文「これが、本当に一番最初?」

古鉄≪そうですよ、シスター・シオン≫

恭文「・・・こんな馬鹿なことがあるかぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ! つーか、これシスター・シオンっ!! なんで僕のセリフじゃないのさっ!!」





(青い古き鉄よくわけのわからない話をする。だって、シスター・シオンはあなたなのに)





恭文「うるさいわボケっ! なんで女装キャラっ!? なんで女装キャラのセリフが名セリフ入りしてるんだよっ!!」

古鉄≪仕方ないでしょ。人それぞれなんですから。あなた、人の感覚を否定するのは・・・最低ですよ?≫

恭文「う・・・」

フェイト「ま、まぁ・・・いいことだよ。少なくともこれで一つは名シーンがあったわけだし」

恭文「それはまぁ・・・ねぇ」

古鉄≪さて、実はこれ関連で一つまた名セリフがあります。話もまったく同じで、このシーンの前段階ですね。なお、この次に来ました。そちらも合わせて紹介しますっ!!≫

フェイト「まだあるのっ!?」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


「特に高町一等空尉、あなたの話が多かったです」

「え、そうなんですかっ!?」

「はい」



シスター・シオンがにっこりと笑ってそう言った。



「彼、あなたのことが好きなようですよ?」

「「えぇっ!?」」

「だって、あなたが彼の話をするとき、とても楽しそうなんですもの。あれはきっと・・・恋、ですわね」



そ、そうなんだ。恭文君、私のことそんな風に・・・。あの、嫌とかじゃなくて、私にも心の準備というか、その前にシャワーを浴びたいというか、とにもかくにも告白イベントをこなさないとどうにもならないというか・・・!!



「本当に楽しそうに・・・」

「「楽しそうに・・・」」





と、とにかく・・・あの、私もちゃんと返事しないといけないよねっ! うんうんっ!!





「魔王とか冥王とか作画崩れとか悪魔とかナチュラル外道とか。同じ女性として羨ましいですわ。殿方にあそこまで好かれていらっしゃるなんて」





やっぱりそっちなのぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉぉっ!?




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



恭文「あぁ、これは名セリフだわ。アレでしょ? ここで言うと・・・『魔王とか冥王とか作画崩れとか悪魔とかナチュラル外道とか。同じ女性として羨ましいですわ。殿方にあそこまで好かれていらっしゃるなんて』・・・ってやつ」

古鉄≪正解です≫

フェイト「あ、あはは・・・。これが名セリフって・・・どうなんだろ」

恭文「いや、さすが皆さん分かってらっしゃる。これがランクインしてなかったらどうしよう・・・かな・・・って・・・」

フェイト「・・・ヤスフミ?」

恭文「だぁぁぁぁぁかぁぁぁぁぁらぁぁぁぁぁぁぁぁっ! どうしてシスター・シオンがワン・ツー独占っ!? おかしいでしょうがこれっ!!」





(青い古き鉄、やっぱり色々と納得がいかないらしい。そりゃそうだ。だって自分の女装の時のが来たんだから)





古鉄≪でも、あなたのも来てるんですよ≫

恭文「え、まじ?」

古鉄≪まじです≫

フェイト「ヤスフミ・・・よかったね。やっぱりみんなちゃんと見ててくれてるんだよ」

恭文「うん・・・うん、よかった・・・よかったよ」





(青い古き鉄、いきなり涙ぐむ。どうやら・・・マジで色々と思うところが有ったらしい)





フェイト「それで、どんなセリフなの?」

古鉄≪まぁ、簡単に言っちゃうと・・・これですね≫





(「いや、主役は僕だからねっ!?」 「僕はフェイト一筋(本命)なのっ!!」)





古鉄≪というわけで、こちらの二つがマスターの迷言として届いたものになります。あとは『僕は変態と言う名の紳士だよ』・・・とかですね≫

恭文「・・・帰る」

フェイト「ヤスフミっ!? あの・・・ダメっ! ダメだから帰らないでー!!」

古鉄≪なお、前者を送って来ていただいた方の一人はこんなメッセージを残しています。『色んなところで何度も言ってますけど、これは迷言ですよね。だって、主役はアルトアイゼンお姉さんですよ?』・・・と≫

恭文「・・・・・・帰る」

フェイト「ダメだからっ! あの・・・大丈夫っ!! 大丈夫だからっ!!」





(青い古き鉄、なんだか脹れっ面になった。というか・・・もう不機嫌マックスらしい)





古鉄≪ただ、かっこいいのも届いてるんですよ≫

フェイト「ほら、ヤスフミ。ちゃんと他のも届いてるんだってっ! だから・・・ね? 機嫌直して」

恭文「どーせあれでしょ? アルトがかっこいいとかそういうのでしょ? もーいいよ。どーせ僕は主人公じゃないんだし」

フェイト「お願いだから拗ねないでー!!」

古鉄≪まぁ、そこは見ていただいて・・・ですね。なお、心してごらんください≫




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「選んで。潰されるか、壊されるか、ひき肉にされるか、消されるか」

「はぁ?」

「いやだなぁ。僕だけならまだしも、僕の友達にこんなくっだらないケンカの振り方しておいて、ただで済むと思ってんの?」





にこやかな笑みを浮かべている。だけど・・・雰囲気が、それをそのまま受け取ることを否定する。

そういえば、さっきも普段は絶対使わないような撃ち方でクレイモアを撃ってた。普段とは違う、全く容赦の無い攻撃。つまりそれは・・・。





「なに言ってやがる? いいか、その女は人間じゃねぇんだよっ! 化け物だよっ!! どっかの映画みたいなサイボーグだっ!!」



・・・知られた。

なぎ君に・・・知られた。私が・・・人間じゃないって・・・。



「そんなのと友達って、てめぇバカじゃねぇのかっ!? そいつは・・・ごふ」

「・・・しゃべるな」





その声は、さっきまで喋っていた男の前を発信源としていた。



なぎ君が、何時の間にかその男の前に居て、アルトを左から振りかぶり、胴へと打ち込んだ。

刃ではなく、峰の方で。





「・・・バカな奴らだよ。最後の一線踏み越えやがった」

≪ボーイ、俺達は止めないから、好きにやっていーぞ≫





辺りに骨が軋み、砕ける音が聞こえる。男の口から、赤い何かが吐き出される。

それに構わずなぎ君は、自分の身体を回転させながら、アルトアイゼンを右斜め上へと振り抜いた。



その衝撃によって、男がなぎ君の頭上へと吹き飛ばされた。





「うん、言われなくても・・・」





それを狙うように、なぎ君が左手を上に上げる。手の平に、青い魔力が砲弾上に集まり、そして・・・。





「そうする」

≪Icicle Cannon≫





放たれた砲弾は、男を飲み込み、青く、冷たい息吹を巻き上げながら爆散した。

その爆煙の中を突き破るように、男がコンクリートの地面へと叩きつけられ、動かなくなった。



全身に、氷が張り付いて、口からは血。腕と胴が、ひしゃげているようにも見える。そのあまりの様子に、私も、男たちも言葉を無くす。





「・・・どうしたの、僕やらグラース執務官を殺そうとしたでしょ?
なのにそれでなんでそんなに驚くのさ。そんな権利、お前らには無い」





なぎ君の口調はいつもと変わらない。いつもの、トボけたような、ふざけてるような、そんな口調。



だけど、それに震えが走った。言葉とは裏腹に、なぎ君の周りの空気が、完全にいつものなぎ君の物じゃない。

もっと、冷たくて、刺すような、そこ冷えのするものに変わったからだ。あの女の人と同じくらいの・・・殺気。



間違いない。なぎ君、怒ってる。それも、本気で。



多分、あれがはやてさんの言ってた・・・修羅モードのなぎ君なんだ。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



フェイト「えっと・・・これは、幕間そのにの後半部分だよね」

古鉄≪そうです。マスターが初めて本気中の本気、修羅モードを開放した状態ですね。さらわれかけたギンガさんに対する不埒な行動と発言に完全にキレて大暴れしました。なお、これは一部抜粋です≫

恭文「・・・ほんとに、コレきたの? 僕の名シーンでだよ?」

古鉄≪来ましたよ。これに関しては複数です。その上『このシーンが無いととまとの人気が片手落ちになる』・・・とまで言われてますから≫





(青いウサギがそう言うと、古き鉄、ちょっと嬉しそう。というか、機嫌が少し直ったらしい)





古鉄≪そして、これ関連であるシーンが名シーンとしてあげられています。続けてそちらもどうぞ≫




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・どうして?」

「え?」





俯いていたギンガさんが、顔をあげた。



その表情は硬く、不安で満ち溢れていた。そして、瞳は・・・僕を真っ直ぐに見る。ゲンヤさんでもマリエルさんでもない。僕を。





「どうして・・・そんなに平気な顔してられるの?」

「どうしてと言われましても・・・」

「アルトアイゼンやそちらの方が大丈夫なのは・・・分かったよ。でも、なぎ君はどうして平気なの?」



・・・納得出来ませんか。



「・・・私、人間じゃない。生まれた目的も、守るためじゃない、何かを壊すため。今だって、身体の中に、そのための力が・・・ある。
それに・・・なぎ君を危険に巻き込んだ。迷惑をかけた。危うく、死なせるところだった」



はぁ。このまま日常には戻れないってわけですか。うん、わかってた。・・・じゃあ、もうちょい真面目にやるか。



「それで、ギンガさんは疑問なわけだ。
そんな目に遭わせたのに、なんで僕が平気でいられるのかとか。人間じゃない、壊すために産まれた自分を、怖くないのかとかどーだとか」

「・・・うん」

「平気だよ。で、怖くもないよ」



ハッキリと断言してやった。正直な気持ちを。



「うそ・・・。だって・・・私・・・」

「まず一つ、人間じゃないからどーこーって話をしたら、アルトはどうなるのさ。はやての家の末っ子のリインは?
・・・二人とも、人じゃないかもしれない。だけど、僕にとっては大事な存在だもん」



二人とも、僕の大事なパートナーだよ。二人が居たから、僕はここに居るし、戦える。うん、一人じゃないから・・・強くなれるの。



≪マスター・・・≫

「逆にギンガさんに聞きたいよ。それを言ったら、僕は怖くないの?」





あんな大暴れかましてるし。特に今回は、ぶちギレ修羅モード開放しちゃってるし。



なお、僕の後ろで傍観決め込んでるお姉さんは怖かったそうです。真面目な話、アレとはやりあいたくないって思ったとか。





「でも、なぎ君は・・・人間だよね」





自分とは、違う。



そう言いたげなニュアンスを含んだ言葉に呆れつつも・・・僕は言葉を続ける。今のギンガさんの考えが、間違いにも程があるって伝えるために。





「そうだね。でも・・・僕だって、ギンガさんの言う人間の力だけど、場合によっては壊すための力だよ?」





いや、ちょい違うか。場合によってじゃない。





「僕ね、殺したことがあるの。この手で・・・人をね」





ギンガさんが『え・・・?』というような表情で僕を見る。



まぁ・・・リインと会ったばかりで、アルトや先生、なのは達と会うまでの間の話だけど、僕は魔導師としての戦いの中で人を殺した事がある。

小隊規模の連中を相手にして、正当防衛もいいところだったけど・・・人をこの手で殺めた。命を、踏みつけにして、奪った。





まぁ、今は人の命を奪うようなとこまで真似はやっていないけど。そう思わせるような発言をして、相手をビビらせることはしてもね。

・・・うん、結構ギリで踏みとどまってる。今回もそれだったし。一応心構えはしてるけど・・・それでも、ね。



殺しても、守りたいものの全部は守れないから。取りこぼして、悲しい思いをさせるから。出来るなら、やりたくない。





「僕から言わせれば、壊すための力なんてのは、人間か人間じゃないかって話とは、明らかに別問題だよ。
僕達はそういう意味で言えば、みんな壊すための力がある。・・・殺すための力が。誰かを傷つけて、不幸にして、奪うための力がね」





今回やりあったあの雑魚もそうだし、なのはも、フェイトも、はやても。僕もそうだし、ギンガさんも。みんな、基本は同じだ。





「ギンガさんはさっき、生まれたのは壊すためって言ったけど・・・今までそのためだけに力を振るってたの? そうしようと思って生きてきたの?」

「そんなことないっ! 私、母さんや父さんから、人間として育てられたっ!!
そんな生き方だけが全部じゃない。そう教えられたっ! だから・・・私・・・!!」





でしょ? だったらいいじゃないのさ。





「そりゃあ、ギンガさんがそういうことを平気な顔してやる悪党だったら怖いし、お近づきになりたくないって感じるかもしれない。けど、そうじゃないもん。それで、なんでギンガさんを怖がる必要があるのさ」





少なくとも、僕にはない。そんな理由、0だ。





「まー、さっきはちゃんと言ってなかったしね。だから、言うね。普通の人とは身体が違うからなんて、ギンガさんを怖がる理由にならない」

「なぎ君・・・」





力は、結局力でしかない。

力をどういう形で振るうかは自分自身で決めること・・・なんだよね。きっと。





「それと、最期。僕を危険に巻き込んだことだけど・・・」



座り込んでいたギンガさんと視線を合わせるようにして・・・しゃがむ。



「別に気にしてない。僕だって・・・ギンガさんを巻き込むことがあるかもしれないわけだし」

「でも・・・!」

「それにね、ギンガさん。一つ、大事なこと忘れてる」





ギンガさんの両手を握る。伝わるのは・・・暖かくて、優しい温度。

少しだけ、ドキドキしてしまうような、そんな甘くて熱い温もり。





「大事なこと?」

「そうだよ。・・・僕達、友達でしょ?」





少なくとも、僕はギンガさんを友達だって思っている。今この瞬間も。友達だったら、相手が困っていたら助けたいと思うのは当然である。



まぁ・・・色々考えましたよ? 説教は適度に聞き流しつつ謹慎中ずっと。つか、説教なんぞよりこっちの方が大事なのよ。



真面目に話せば、ギンガさんが人じゃないって聞いて、衝撃も受けた。これからどうしていこうって、アルト共々かなり考えた。



で・・・出た結論は一つ。



ギンガさんと友達でいる。というより・・・友達で居たい。

こんなことで、せっかく仲良くなれた女の子との縁を切るのはバカバカし過ぎる。

もう一回くらい、アイツらをぶっ飛ばしたくなるくらいに、バカバカしいと思う。もちろん、非殺傷設定で。





「なぎ・・・くん・・・・」

「まぁ、ギンガさんが僕を友達って思うのが嫌だっていうんならしかたないけど。
僕は、ギンガさんの言う『壊す』戦いをしてるわけだし。今も、形は違うけど継続中だしね。この間みたいな事も、必要と思ったら遠慮なくやるし」





実際問題として・・・僕は壊すために、殺すために戦ったことがある。そして現実に殺した。

生きるためとはいえ、友達を守るためとはいえ、その事実は変わらない。

そして、誰かの何かを壊すことはやめてない。願いを壊し、想いを壊してる。



それが歪んでるかどうかなんて、問題じゃない。壊しているのは事実なんだから。

だから、ギンガさんが今の話を聞いて僕を拒絶したとしても、それはきっと・・・仕方ない。





「そんなことないっ! 私、今の話を聞いても、あの時の怒ってるなぎ君を見ても、なぎ君のこと友達だって思ってるよっ!!
こんなことで、なぎ君の見る目を変えたりなんて・・・」

「・・・変えたり・・・なんて、なにかな?」

「変えたりなんて・・・しない。絶対に。・・・ごめん、なぎ君。私・・・怖かったの」





ギンガさんの瞳から、ポロポロと涙が零れ落ちる。

いつもの凛として強気な印象は・・・そこには感じられない。





「私・・・こんな身体だから・・・。なぎ君、離れちゃうんじゃないかって。化け物だって思うんじゃないかって・・・。
すごく、怖かったの。そんなの絶対に嫌で・・・嫌で・・・」

「・・・どうして、嫌だったの?」

「友達・・・だから。私、なぎ君のこと・・・大好きな友達だって思ってるから。だから・・・絶対に・・・」

「そっか。なら、安心して欲しいな」





ギンガさんを優しく抱き締める。そして、安心させるように頭を撫でる。大丈夫だから・・・。





「僕も、ギンガさんと同じだよ。せっかく友達になれたのに、離れるなんて嫌だよ」

「ほん・・・とに?」

「ホントだよ。つか、化け物なんて、思うわけがないじゃないのさ。
ギンガさんの身体がなんだろうが、それでギンガさんと僕が一緒に居た時間の何が変わるの? ・・・変わらないよ。変わるわけ、ない」





正直、身体のことは・・・何にも言えない。

僕がそれをあーだこーだ言うのも違うから。だけど、これだけは言える。ギンガさんと一緒に居て、刻んだ時間と記憶。それは、変わらない。

変わるわけがない。僕だって・・・楽しかったんだから。



ギンガさんが居るのが、楽しかった。一緒に過ごした、ほんの少しの時間が、大事な思い出になってる。

僕は知ってる。人は偽る。世界も偽る。だけど・・・自分の中にある記憶と時間は、偽らない。ただ、そこにあるだけだから。

それは、ギンガさんの中にもあるはずだから。だから、偽れない。



だから、選ぶ。身体のことも全部含めて、ギンガさんと友達で居る道を。僕が、そうしたいから・・・選ぶ。



そんな気持ちが伝わるように、ギンガさんを抱きしめていると・・・ギンガさんが、僕の肩に顔を埋めてくる。というか、髪のいいにおいが鼻をくすぐる。

なんていうか、やましい気持ちは無い。ただ・・・安心させたい。きっと、本当に怖かったはずだから。





「だからね、僕は大丈夫。ギンガさんは、ギンガさんだもん。
ギンガさんも、僕で大丈夫かな。僕のこと・・・怖くない? 嫌じゃ、ない?」

「・・・うん、怖くない。怖くなんて・・・ない。嫌なわけ、ないよ。なぎ君は、なぎ君だから。私も・・・変わらないよ。変わるわけ、ないよ」

「ありがと。・・・ほら、僕達同じこと考えてたんだよ。だったら、今まで通りだよ。ね?」

「うん・・・!」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



古鉄≪はい、今見ていただいたのは、同じく幕間そのにの後半部分。マスターによるギンガさんへの励ましです。またの名を、フラグ一気に成立≫





(・・・誰もが気づいていた。なんだか閃光の女神の視線が厳しいのを)





フェイト「・・・うん、いいシーンだもんね。わかるよ、私すっごくわかるよ。うん、だから・・・来てもおかしくないよね」

恭文「そ、そうだね。まぁ・・・あれだよ、来てもおかしくないんだよ。うんうん」

古鉄≪まぁ、フェイトさんが不機嫌になるのも分かりますけど、ここは仕方が無いんですよ。なにせ『フラグを立てた瞬間に言った事が、恭文の名セリフ』というご意見もありましたので≫





(・・・マジです)





フェイト「そっか、なら・・・仕方ないよね。うん、ここは納得する。その・・・束縛とか独り占めとか、出来る限りまだ我慢するって決めてるし」





(閃光の女神、一応納得らしい。まぁ・・・ここは仕方ないと思う。うん、本当に)





古鉄≪で、マスターに関しては最後にまた紹介したいので、他の方々をざっとだけ紹介していきましょうか。まず・・・ヒロさん≫





「・・・ごめん。あの、お願いだからうずくまって泣くのはやめてくれないかな。お姉さん、意外とそういうの気にするんだ」(本編第18話より)





恭文「まさかこれが来るとは・・・まぁ、こんな殊勝な態度はこの時だけだったけど」

古鉄≪そうですね、初対面でしたから。で、次はこれです≫





「鉄はね、引き合うんだよ」(幕間そのにより)





フェイト「これもかっこいいよね。あ、それで次はサリさん。あ、まず最初は同じ本編第18話だね」





『後半部分、フェイトへの説教』(本編第18話より)





フェイト「・・・おかしくないかなっ! なんでいきなりこれなのっ!?」

古鉄≪ここはいい意味でパンチが効いてましたからね、仕方ないんですよ。さて、サリさんはまだ名セリフがあります≫





「俺は誰がなんと言おうと、自分の理性って奴が止めようと、その鉄に嘘つくような真似すんのだけは・・・死んでもごめんなんですよ。んなことしたら、俺じゃなくなる。
どんだけ錆びようと、古臭くなろうと、最後の時まで一つの鉄で有り続ける事。それが、俺のプライドですから」(ミッション06より)





フェイト「・・・かっこいいよね。なんというか、普通にかっこいいと思う」

恭文「・・・そこは僕も。これでなんで影が薄いとか言われるんだろうね。普通にあの人はすごい人なのに」

古鉄≪あ、それとサリさんはもう2つありましたね。・・・まず、一つ目はコレです≫





「「「さらば電王っ! 絶対見に行くんだぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!」」」(ミッション05より)




恭文「これは一番最後だね。事件を解決させないとさらば電王が見にいけなくなるから、頑張ろうと。いや、ここに僕とヒロさんも加わってるけど」

フェイト「どちらかと言えば、恭文達三人の名セリフだね。それで・・・あと一つは?」

古鉄≪これです≫





『お前なら出来るっ! いや、お前にしか出来ないっ!! 何ものにも捕らわれない本当の音楽というものを、世間様に教えてやれっ!!
やっさんっ! お前は今からピアノマンになるんだぁぁぁぁぁぁぁぁっ!!』(本編第22話より)





恭文「サリさんの固有結界発動シーンだね。・・・あぁ、なんか思い出した。色々イラってきたイラって」

フェイト「抑えて抑えて・・・。あ、次はセインだね。えっと・・・これ」





「恭文、吐くなら今のうちだよ? 私らだって鬼じゃないんだからさ。じゃないと、恭文の心にディープダイバーして、潜入しちゃうぞ〜?」(本編第17話より)





恭文「あぁ、これか。僕が『誰が上手いこと言えと言ったっ!?』とツッコんだら、まさしくこれは上手いと言う理由で来たのですよ。いや、この時も大変」

フェイト「・・・あれ? ね、ヤスフミ・・・どうしてこういう話になったの?」

恭文「・・・いや、普通の会話だって」

フェイト「でも、普通の会話で『吐くなら今のうち』なんて話にはならないと思うんだ。・・・なにか隠してるよね」

恭文「か、隠してないよ?」

古鉄≪あー、はいはい。そこまでにしておいてください。今度は別の方の名シーンに移りますから。それでは・・・この方ですっ!!≫




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



あー、すっかり遅くなっちゃったー!!





ルーテシアやみんな、待ってるわよね? もう、先生がもたもた検査してるからー!!





今日の調理実習、私も参加させてもらうことにした。親と子のコミュニケーションも兼ねてね。あと、あの子達とも。





まぁ・・・複雑よ? 色々あったし。腹が立たないと言えば嘘になる。あの子達は、私の相棒や上司の敵でもあるわけだしね。





でも、少なくともルーテシアは、そういうのも含めてもあの子達を嫌ってはいない。むしろ、色々教えてもらって、お世話にもなったと言っている。

だったら、母親である私が器量の狭いところを見せちゃ、あの子の情操教育の妨げになるだけ。

時間をかけて、あの子達のことを知っていくことにしたのだ。わだかまりも、その中で消していくことにした。





あ、これは私の恩師でもあり友達でもあるヒロちゃんの助言ね?

いやぁ、久々に話したら泣かれたし。ヒロちゃんの荒っぽいけど涙もろいところは相変わらずだったなぁ。

で、色々相談して、今みたいな結論に達した。明日は明日の風が吹くってことで、いいでしょ。うん。





とにかく、もう到着はしてるし、急いで向かわないと・・・。





私は、急いで車椅子を走らせる。もう、どこかのイタズラ小僧かと言わんばかりに。





まさか、子どもの頃にイタズラで車椅子レースなんていうのを友達とやっていたのが、ここで役に立つとは思わなかったわ。

あ、みんなはもちろん真似しちゃだめよ? うん、絶対に。車椅子はオモチャじゃないんですからねっ!





自分はどうかと言われてしまえばそれまでだけど、こっちには大義名分がある。問題はないわっ!

天国のクイント、ゼストさん、見ていて。私・・・元気ですっ!!





そうして見えてくる。受付が。私は、そこにむかって全速力で・・・・飛んだ。





多分、段差かなにかがあったのだろう。私の身体は宙を舞い、見事に飛んだのだ。





あぁ・・・やっぱり車椅子で敷地内で20キロとか出すものじゃないのね。ごめん、ルーテシア。





お母さん・・・飛ぶわ。

羽ばたいた鳥の歌を歌うわ。

きっと将来は武道館よ。





私が、落下の痛みを覚悟して目を閉じると・・・え?





痛みは無かった。車椅子が落ちたガシャンという音は聞こえたけど。私は・・・誰かに抱きとめられた。










「あの、大丈夫ですか?」





耳元から、くすぐるような声がする。柔らか味のある優しい声。でも、私の思考は別のところにあった。



だって、この人・・・私の胸、触ってるんだもん。それも、思いっきり鷲掴み。



あぁ、どうしよう! なんでこんなベタなことになっているの? あ、でもこの感じはけっこうひさび・・・いやいやいやっ!!

で、でも・・・これも運命の出会いよ。旦那はとうの昔にいなくなったし、私はシングルマザーだし、問題はないはずっ!



あぁ、自由恋愛バンザイよっ!!



さぁ、目を開けて、勇気を出して・・・!!



そうして私が目を開けると、そこに居たのは・・・栗色の髪と黒い瞳をした・・・え?





「女・・・の子?」

「・・・男の子です」





あぁ、それなら安心だわ。さすがに百合の気は無いし。

・・・ちっちゃっ! え、本当に男の子っ!?

だって、よく考えたら声とか顔立ちとか女の子で通るし、身長だって、今は蹲って抱きとめられているけど私より下よっ!?



・・・あれ? この子、もしかして。





「・・・なんか元気そうで安心しました。というか、思考が顔に出てますよ? というか、聞こえました」

「あ、ごめんなさいね。ところで・・・」

「はい?」

「ひょっとしてあなた、蒼凪恭文くん?」

「え、えぇ・・・」



やっぱり。ルーテシアや、ヒロちゃんから聞いてた特長と同じだったもの。



「あ、私はメガーヌ・アルピーノ。よろしくね。・・・あの、ヒロちゃんから聞いてないかな?」

「えっと、メガーヌさんですよね。ヒロさんと友達だって言うのは本人から・・・」

「そうだよ」





ヒロちゃんの一回り下の友達で、魔導師。なかなかに見所のある面白い性悪な子って誉めてたわね。・・・最期のも誉め言葉だそうよ?

ルーテシアからも聞いていたし、あのヒロちゃんが共通の趣味があるとは言え、仲のいい友達と言ってたから、どんな子と思って期待してた。



まぁ、それは置いといて。お姉さんは君に言いたいことがあるわ。別にこのままでも・・・いいけど。でも・・・。





「意外と大胆なのね。でもだめよ? いきなり初対面の女の子の胸を触るなんて・・・めっ!」





そう言うと、その子は手元を確認した。私の胸を鷲掴みにしている自分の手に、そこでようやく気付く。.





直ぐに顔を真っ赤にして、私の前でひたすらに土下座を繰り返して謝り倒した。





あぁ、気付いてなかったのね。・・・私、そこそこある方だと思うんだけどなぁ。ひょっとして、慌ててたのかな?





だとしたら・・・うん、可愛い♪




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



古鉄≪はい、というわけで同じく本編第17話から、マスターとメガーヌさんの出会いのシーンです。なお、セインさんの名言はこの後に飛び出しまし・・・あれ? どうしましたから二人とも。なんでそんなに緊張感漂ってるんですか≫

フェイト「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・ヤスフミ、私・・・この話知らなかったんだけど」

恭文「いや、知らなかったもなにも・・・ねぇ? メガーヌさんにも話さないで欲しいって言われたし、事故だから」

フェイト「うん、そうだよね。事故・・・だよね。なら、仕方ないよね。それに、私・・・こんなこと言う権利が無い頃だもんね。でも、よくわかった。どうしてメガーヌさんがあんなにヤスフミに気持ち許してるのか。
あと、セインがどうしてああいう事を言ったのか、よく分かった。うん、よーーーーーーーーーーーく分かったよ。こういうことだったんだね」





(閃光の女神、なぜかプリプリ。うーん、一体何がいけなかったんだろ)





古鉄≪えー、マスターとフェイトさんがいい感じで修羅場になったところで、今度は私の名セリフに行きたいと思います。まず・・・これです≫





≪マスターより下の立場の人間が居るんですか?≫(本編第9話より)





古鉄≪チンクさん達ナンバーズ構成組に初めて会いに言った時ですね。いやぁ、この時は色んな意味で緊張しましたよ。色々ありましたしね。さて、次は・・・あとがきです≫





≪マスターは運だけはいいですから≫(幕間そのに:あとがきより)





古鉄≪これは・・・どちらかと言えば迷セリフですね。あの人は悪運だけはいいんですけど、運は悪いですから。いや、失敗失敗(てへ♪)。
で、次は・・・私では無いんですが、このデバイスのセリフです≫





≪・・・納得です。どうやら彼は・・・しばらく敗残兵ですね≫(ミッション07より)





古鉄≪えー、バルディッシュですね。いやいや、原作キャラの数少ない名セリフですよ。でも・・・あの人、やっぱり誰に対してもそういう認識なんですね。まぁ、今は全然違いますけど≫





(そう言いながら青いウサギ、いまだにあーだこーだと言い合う二人を見る。そして、ため息)





古鉄≪それじゃあ・・・そろそろ気をつけていかないと分量もあれですし、ここからはマスターの名セリフに戻りましょうか。えー、こんなのが来てました≫





「・・・しくしくと涙なんていらない。遺品みたいな力もいらない。そんなのがあっても、うっとおしい。欲しいのは、一つだけ。
僕が・・・ううん、皆が心から願っているのは、魔法の力とか、技術とかじゃない。いつもなのはが笑顔でいるっていう事実。ただそれだけなんだから」(本編第11話より)





古鉄≪高町教導官の後遺症の事を知って、マスターがかけた言葉・・・ですね。なお、この頃は主人公に見えたのに、どうして今のようになるのかと言うご意見もありました。
そして・・・まだまだ続きます。ここからはマスターが主人公である証が見られるでしょう。では・・・どうぞ≫




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



「・・・あら、遅かったわね。お姉様方」



・・・うそ、恭文くん。え、どうしてっ!!



「・・・あなたがやったんですか?」

「そうね。キザったらしいことを言うから・・・殺しちゃった。念入りにビリビリーってね」



イレイン型の電磁鞭をっ!? そんな真似したら、私達はともかく普通の人間は・・・!!



「・・・許しません」



お姉様が、左腕を赤毛のメイドに・・・ノエインに向ける。



「彼は、すずかお嬢様と、私の妹の大事な友達です。それを・・・」

「・・・私もです。絶対に、許しませんっ!!」



私達がそう言うと、ノエインが笑った。まるで、私達の言っていることがおかしいと言わんばかりに。



「だって、おかしいんだもん。アンタ達・・・まるで人間みたいだからさっ! ねぇ、『自動人形』っ!?
いや、アンタ達だけじゃないかっ! ここの家の人間はみんな」

「ファイエルっ!!」



お姉様の左手の手首が打ち出される。いわゆる・・・ロケットパンチ。でも、それは難なくひょいっと、避けられた。

そして、お姉様の手と腕を繋ぐワイヤーを掴む。



「ばーかっ! 熱くなりすぎなのよっ!!」



女が・・・イレインが、掴んだものをこちらへ放り投げると、右手の鞭を戻そうとする。



「・・・あれ? なによ、このガキしっかり掴んじゃってるし」



瞬間、イレインの体勢が崩れた。まるで、なにかに・・・恭文くんに引き寄せられるように。

そして、薄暗い通路で銀の煌めきが一つ、生まれた。




















「・・・まったく、月村家ってのはすばらしいね」



煌めきはイレインの鞭を、根元から斬り落としていた。イレインは、その発生源から、すぐに距離を取る。



「メイドさんに続いてロケットパンチとは。いったいどこまで僕の心をくすぐりゃ気が済むのさ。いっそ養子になりたいくらいだよ」



その子は・・・立ち上がった。少しふらついた足取りで。右手には先ほど振るった刃。左手には、斬り落とした鞭を持って。



「あー、ノエルさんもファリンさんも下がっててください。というか、すずかさんを頼みます。コイツ、僕が相手しますから」

「アンタ・・・! なんでっ!?」

「んなの決まってるでしょうが」





頭から血を流しながらも、その子は平然と答えた。





「天寿を全うせずに死ぬ権利なんざ、勝手にここから居なくなる権利なんざ、僕には無いのよ」



傷を負った身体を奮い立たせ、いつもとは違う表情で、言葉を続ける。



「そんなもん、とうにおせっかいで心優しい女神達に奪われてる。・・・死んでられるかよ」




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



古鉄≪・・・はい、これは幕間そのごより抜粋しました。なお、ここでの名セリフは『天寿を全うせずに死ぬ権利なんざ、勝手にここから居なくなる権利なんざ、僕には無いのよ』・・・です。
まぁ、結局この時はらしくなかったから負けるんですけどね。そして・・・次にご紹介するのは・・・あー、ちょっとそこの二人? なにいちゃついてるんですか≫





(青いウサギが見るのは・・・ラブラブ空気出し始めた二人。どうやら、色々纏まったらしい)





古鉄≪まぁ、放っておきましょうか。次のシーンを出せばあの二人も復活するでしょうから。では・・・どうぞ≫




















「もしもし」

『恭文、今どこに居る』

「非常階段です。こっちはなのは達をなんとか安全圏までには。ただ・・・」

『なにかあったのか?』

「すみません、全部話しました」

『そうか・・・。いや、そこはいいな』



・・・後が大変だろうけどね。とにかく、恭也さんがこうしてかけてきたって事は・・・。



『あぁ、こちらはなんとか片付いた』



すげぇよ御神の剣士。まだ10分も経ってないのに。僕のさっきの心配をぜひとも返して欲しいよ。



『それよりも問題だ。・・・フィアッセがさらわれた』

「はいっ!?」



まてまてっ! さらわれたってどういうことっ!? 美由希さんもエリスさんも居るじゃないのさっ!!



『美由希は現在交戦中だ。フィアッセには引き続きエリスが付いていたが・・・』

「そこを突かれて・・・ですか」

『そうだ、美由希がやりあっている奴は、相当な手練れ。そちらが片付いても、当然援軍も期待は出来ん。フィアッセは俺達でなんとかするしかない』

「分かりました、すぐに向かいます」





恭也さんに犯人とフィアッセさんが向かったと思われる場所を聞いて、通話を終える。





「・・・アルト」

≪最短ルートの割り出しは完了しています。先回り、いけますよ≫

「ありがと」



・・・助けますから。約束、守るし、守ってもらいますよ。僕はこんな所でお別れなんて、嫌です。



「じゃあ、行ってくる」

「恭文君、待ってっ!!」

「待つ余裕なんてない。今すぐ行かないと」

「・・・・・・げん・・・・・して」



聞こえたのは、声。それで、その場に居た全員が動きを止める。近くにある出入口に走り出していた僕も。

その囁くような、絞り出すような声は、フェイトだった。



「ヤスフミ、いい加減にして。・・・一緒に帰るよ。もう、こんなことはおしまい」

「まだ終わってない」



振り返らず、フェイトの声に僕は答える。そう、まだ終わってない。



「・・・帰るよ」

「嫌だ。つか、何度も言わせないで。まだ」

「なら、終わらせるよ」



・・・見なくても、気配で分かった。フェイト、術式を・・・プラズマランサーをセットした。しかも、複数。

そしてそれを、僕に向けている。フェイトはそうしてまでも、僕を止めようとしている。



「フェイトちゃんっ!!」

「なのは、黙ってて。・・・また、人を斬るの? あんな風に、魔法も使わないで。もしかしたら、また殺してしまうかも知れないのに」

「そうだね」



事実だから、きっちり答える。つか、明らかに目立つ攻撃魔法は使えないでしょ。バレたらどーすんのよ。



「ヤスフミ、思い出して。ヤスフミはあんなことしたくて魔導師になったんじゃないよね。リインを守りたくて、後悔に負けたくなくて・・・」

「そうだね」



事実だから、またきっちり答える。むしろ、したくない。また間違えると思うと、やっぱり怖いから。



「なのに・・・どうしてあんなことするのっ!? あんなの、私達魔導師の戦い方じゃないっ!!
私やなのはにはやて、皆が・・・どんなに心配して、泣きたくなるくらいに悲しいか、どうして分からないのっ!!」

「それでも、守りたいものがあるから」



振り返り、フェイトを見る。そして、向けられた複数の雷の槍を見る。



「目の前の理不尽に抗う力を持たない弱くて・・・だけど、強い人が居るの。だから、その人の心を、その人の歌声を、そんなものから守りたい。
で、僕はそのために戦うって決めた。結果も、全部受け入れる覚悟をして・・・ね」

「そんなの、理由にならないよっ! そんな覚悟しても、なにも変わらないっ!! ヤスフミが言ってるのは、周りの気持ちを省みない、ただの傲慢だよっ!!」

「・・・知ってるよ。とにかく、行ってくるわ」





そして、また行くべき道を見据え、歩を進める。





「止まって。じゃないと」

「いいよ、撃ってくれて。それくらいの事してるのは、分かってるから」





また一歩、階段を降りる。





「ヤスフミ、止まって」




また一歩。




「・・・お願い」





またまた一歩。





「・・・・・・止まってって言ってるよねっ! お願いだから、私の言うことを聞いてっ!!」

「・・・・・・・・・・・だから」





また振り返り、フェイトを見る。・・・いや、睨みつける。





「撃ちたいなら撃っていいって言ってんだろうがっ! もし撃つ覚悟も無いって言うなら、んな真似するんじゃないよっ!!」



僕の怒号が、その場に響く。耳が少し痛くなるくらいに。



≪・・・マスター、時間がありません≫

「分かってる。・・・フェイト、一言だけ言っておく」



・・・・・・きっと、必要だから。言葉に、ちゃんとしておく。



「ゴメン」

「え・・・?」

「心配かけてるのも、悲しませるのも・・・分かってる、つもり。でも、止まれないの。取りこぼしたくないの。
手を伸ばす事を、魔導師どうこう戦い方どうこうで躊躇って」





そう口にした瞬間、自分の中で何かが弾けた。そして、分かった。

そう、僕は魔導師だからとか、魔導師じゃないとか、いつもと違う戦い方だからとか、そういうので躊躇いたくもないし、迷いたくもない。



だから・・・なんだ。僕はただ、迷いたくなかっただけなんだ。だって、気持ちは一つだから。





「目の前の人を助けられなかったら、絶対に後悔するし、なにより・・・僕が、嘘になる」










そうして、僕達は走り出した。囚われた歌姫を取り戻すために。





なお、フェイトのプラズマランサーが飛んでくることは、無かった。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



恭文「え、えっと・・・これって幕間そのはち・・・だよね。それで、フェイトとやりあったシーン」

フェイト「あの・・・ヤスフミ、本当にごめん。私、全然ダメだった」

恭文「ううん、あの・・・僕の方こそごめん。心配してくれてるのに、気持ち傷つけるような真似しか出来なくて・・・」





(復活したけど、結局二人の世界に入ってるバカップルはさておき、別の話をすることにした青いウサギ。まぁ、シーン解説なんだけど)





古鉄≪魔法なしでの実戦に向かおうとするマスターをフェイトさんが止める。で、ぶつかりあうシーンですね。なお、これによってマスターの株は上がりましたが、フェイトさんの株はダダ下がりでした。
もう非常に沢山の抗議の拍手がどっさり・・・ですよ。作者、そこまで考えて書いたわけじゃないので、むしろ『フェイトさんごめんなさい』状態になったそうです≫

フェイト「うぅ、今思い出しても辛いよ。私何回くらいごめんなさいって言ったんだろ・・・」

恭文「ま、まぁ・・・そういう喧嘩もあったりした上での今の関係性だと思ってもらえれば・・・ねぇ?」





(青い古き鉄、誰かに言ってる。でも・・・誰に対してかはよく分からない)





古鉄≪で、残念ながら名シーン紹介は次が最後です≫





(どこかかから『えー!?』という声。まぁ、見てる人が居ると思って?)





古鉄≪というわけで、最後は・・・このシーンですっ!!≫




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



あー、しかしさアルト、リイン。










≪はい?≫

「・・・僕が局員になるって言ったら、どう思う?」

「恭文さん、どうしたですか? さっきから、変ですよ」

「あの・・・実はね」




















全部ぶっちゃけました。昨日のことからなにまで。そして・・・。




















≪「バカじゃないんですか?」≫




















・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・よし。




















「即答っておかしくない!? つか、いきなり過ぎるからねそれっ! 僕、結構悩んでたんですけどっ!!」

「バカなんだから仕方ないですよ。ね、アルトアイゼン」

≪そうですよ。リインさんの言う通りです。・・・あなた、なんで忘れてるんですか≫



忘れてる?



≪まぁ、バカなマスターにも分かるように話すとしますか≫

「ですです。本当にバカな恭文さんにも、分かるように話すですよ」





こ、こひつらは・・・。





≪・・・私はそうなったとしても、いつも通りに行くだけですよ。いつものノリで、いつも通りです≫

「リインも同じくです。恭文さんと、アルトアイゼンと三人で、いつも通りです」



・・・そっか。



≪そうですよ。そして、あなたとて同じです≫

「そう思う?」

≪思います。どこに居ようと、あなたはあなたなんですから。
バカで、性悪で、我が儘で嘘つきでヘタレで天然フラグメイカーで・・・≫

「その上、いつも無茶して、みんなに心配かけまくって、運もなくて、こうと決めたらやたらと強情で・・・」



ちょっとっ!?



≪そして、私がマスターと認めた人です≫



その言葉に胸が震えた。・・・そうだ。僕はあの時・・・アルトに認められたんだ。



「私も同じですよ。・・・大事な、本当に大事な人です。恭文さんは、私に今をくれた人ですから」

「アルト・・・。リイン・・・」





バカ。それは・・・僕だって同じだよ。二人に・・・そっか。

僕、忘れてた。忘れちゃいけないと思う理由、忘れてた。



前にスバルに話したように、戒めている部分もある。でも、それだけじゃない。

あの時、僕は・・・リインやアルトと出会えて、始められたんだ。今に繋がる時間を。今を、守りたいと思うようになったんだ。

でも、あの時のことをどれか一つでも忘れるのは・・・大事なパートナー達との時間も、一緒に忘れることになるんだ。





≪・・・思い出しましたか?≫

「うん、思い出した。なんか・・・ダメだね」

≪その通りですよ≫

「恭文さん」



リインが、真っ直ぐに僕を見る。どこか優しくて、強い瞳で。



「恭文さんは、忘れたいのですか? あの時の事覚えてるのは、ずっと持っているのは、辛いですか?」



さっきまでは分からなかった。だけど、今なら分かる。だから、リインの言葉にこう返す。



「軽くは、ないね。でも、忘れたくない。絶対に」



・・・これなんだ。僕は・・・これが答えなんだ。



「戒めるだけじゃない。重いだけじゃないんだ。だって、あの時の時間の全ては、今に繋がっている。それを忘れる事も、置いていく事も、絶対にしたくない」

「私も、同じですよ」



『恭文さんと同じです』。そう言って、リインは更に言葉を続ける。



「リンディさん達の言うことは・・・きっと、本当です。でも、私もそのためにあの時のこと、忘れて、無かったことになんて、したくありません。
あの時の時間は、私の・・・恭文さんとの今に繋がっていますから。だから、わがまま通しちゃいましょう?」

「わがまま?」

「忘れないで、変わっていけばいいですよ。きっと出来ます」



リインのそう言いながら浮かべた笑顔に、心が・・・決まった。あんなに揺らいでいた心の動揺が、動きを止めた。



≪・・・それでも忘れそうになったら、私達が思い出させてあげます。重いのなら、共に背負います。私達は、そのためにあなたと一緒に居ますから≫

「恭文さん、本当に忘れん坊さんですね。恭文さんは、一人じゃないですよ?
アルトアイゼンも、私も居ます。だから、迷わないでください。恭文さんの答えはもう、出ているはずです」





・・・そうだね、きっと迷ってた。うん、ダメだ。





「そうだね。とっくに出てた。・・・でも、いいのかな」

≪いいんですよ。私達が選んで、私達が生きる時間です。私達のやり方で幸せにならないでどうするんですか。
それに、今日までの記憶は全て、必要であり、幸せなんです。クラジャ○の歌詞にもあるではありませんか≫

「私達の今と、今までの時間の全ては、誰がなんと言おうと、幸せだと思える未来に繋がっています。絶対に、絶対です。
忘れて繋がる未来なんて、私達には必要ありません。それをこれから、証明していきましょう。大丈夫、私達なら、きっと出来ます」



不思議だ。一人だったら、きっとリンディさんの言うようにしてた。でも・・・。



「きっと、すごく傲慢で、図々しいよ? 色んな人から大ブーイングだ」

≪そう言いたいやつには、言わせておけばいいんですよ≫

「ですです。私達は、私達のノリで行けばいいんです」





アルトが居る。リインが居る。それだけで、怖いものがなくなる。どんな状況も、変えていけると、心から信じられる。そのための力も溢れてくる。



リンディさん、エイミィさん、ごめん。忘れることは出来ません。わがまま、通します。

僕達にとって、今日までの記憶は全て必要で、幸せなんです。誰がなんと言おうと、絶対に。

その中で忘れていいことなんて、下ろしていいことなんて、なにも・・・ないんです。





「・・・僕、変わるかも知れないよ? それでも、忘れるくらいに」

≪言ったでしょう? 思い出させると。それに、そんな事が出来るほど、あなた器用じゃないでしょ≫

「言い切ったね」

「当然です。どれだけ一緒に居ると思っているですか?」



・・・そっか。なら、よかった。うん、よかった・・・のかな。



「アルト、リイン」

≪なんでしょう≫

「・・・これからも、僕と一緒に戦ってくれる?」

≪もちろんです。というか・・・私達は約束したはずですよ? 『決して一人では戦わせない』と。その約束に期限を決めた覚えはありません≫

「そうですよ。それに私は、蒼天を行く祝福の風であると同時に、古き鉄・・・あなたの、一部ですから。
だから、守ります。私の総てで、あなたの総てを。絶対に」



・・・うん、そうだね。一人じゃない。だから・・・いつも通りだ。



「分かった。んじゃ、こっからはいつものノリで行こうか。
めんどいのはもうおしまい。僕達は僕達のノリで、僕達の時間を生きる。楽しく、ヘラヘラと、傲慢にね」

≪「はいっ!!」≫



それが罪だって言うなら、背負うさ。それでも、やらなきゃいけない。

忘れたら、無かったことにしたら、諦めたら、ダメなんだ。それで得られる未来なんて、僕達にはいらない。



「それで・・・」

≪ここからが私達の時間であり、私達にしか出来ないクライマックスです。いいですね?≫

「もちろんっ!!」

「やるですよ〜♪」








少しだけ、足取りが軽くなったのは、気のせいじゃない。・・・そうだよね。





どこに居ようと、僕は僕なんだ。だったら、始めてみよう。





今までと違う道になっても、変わっても、変わらないものを持ち続けていられる。そして、なにも諦めないで、掴んでいける新しい僕を。





・・・あの人の言うような、守るべきものを守る騎士としての自分を。

僕の守りたいものも、背負う・・・いや、大事に持っていたいものも、なにも・・・変わらなかったから。




















◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆



古鉄≪はい、これは本編22話のワンシーンですね。・・・人を殺めた過去、JS事件でのゼスト・グランガイツやレジアス・ゲイズ中将の事などで、自身の進路を迷っていたマスターに、私とリインさんがはっぱをかけるシーンです≫

フェイト「・・・えっと、この前段階で私が・・・その、ヤスフミの事を補佐官にして、先の事、どうしたいとか何をやりたいとか、そういうのを一緒に考えていきたいというのもありました。
あと・・・男の子として、異性として見ていきたいなというのもありましたし、それでリンディ母さんやエイミィから言われたんだよね。過去を理由に諦めてる部分があるって。だから余計に、先の事について悩んで迷ってた」

恭文「・・・うん。それで、忘れていいって言われたの。それがあるために信じられないものがあるのは、とても悲しい事だから、もう下ろして、今までとは違う道を進んでもいいんだって。
そうしないと、フェイトと距離が近づいてもお互い不幸になるだけだから・・・そう言われた。でも、僕その場ではどうしても頷けなくて、アルトとリインに相談したの。そう言われて迷ってること、悩んでること、全部ぶっちゃけたの。で・・・これ」





(青い古き鉄、どこか思い出すような表情。見えているものはきっと・・・本人にしか分からない)





恭文「やっぱりさ、忘れてどうこうなんて選択、僕は出来なかった。そんな選択で得られる未来なんて、いらなかったの。でも、それだけじゃあダメだから・・・変わらずに、変わっていくことにしたの。
まぁ、ギンガさんルートでも言ってるけどさ・・・。世界の答えじゃ、背中を預ける価値も、貫く意味もないの。僕達の答えじゃなきゃ、背中は預けられないし、貫けない。でも、ダメだよねー。アルトやリインが居なかったら、僕は簡単に迷うんだもん。弱いにも程があるって」

フェイト「そんなことないよ。ヤスフミ・・・すごく強いよ? だから私も・・・その・・・」





(閃光の女神、顔をまた真っ赤にする。なんというか、忙しい人だ)





古鉄≪あ、それでですね・・・それ関連でもう一つ名シーン・・・というか、作者的に出したいシーンがありました≫

恭文「え、これ最後じゃないのっ!?」

古鉄≪まぁ、一応締めはしっかりしておかないといけませんから。・・・まぁ、このシーンのような感じで気持ちが決まりましたが、先はどうするべきか・・・というのが、皆さん気になるところだと思います。なので・・・一端、ここでCMに入ります≫

恭文「CM入るのっ!? 小説なのにっ!!」

古鉄≪まぁ、こういうのは雰囲気ですから。とにかく、CM空け早速パンチかましますっ!!≫






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