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challenge
ラクタン
私は何がしたいんだろう。


自分がとった行動に困惑と動揺を感じながら、重いため息を吐いた。


いつもの私なら、絶対にあんな事はしなかった。女子に総じてシカト、イジメを受けている、テニス部のお姫様に声をかけるなんて事は。


最近は感情のコントロールが上手くいかなかったり、行動の制御ができなかったり。困惑する事が多い。


…彼の、音無あかりへの告白を聞いてからは、特に。


あの場面や、音無あかりの事を考えると胸が締め付けられる。


この訳の分からない感情が何なのか、わたしは何となく察しがついていたけれど、完全に気づいたらいけないような気がして、頭を振って考えをとばした。


「…は、…だろ?あかりも何だか、調子が良いみたいだし。」

「そうだな。では先方の監督と相談して…」


あかりという名に反応して声の方に視線を向ければ、そこにはテニス部のレギュラーがいた。


部長である幸村精市と、参謀とか呼ばれている、柳蓮二が話し込んでいた。


2人共、騒がれるに値する美しい容姿をしている。


周りの女子生徒もみな、彼等に釘付けになっている。


私も単純に、綺麗だな…とぼんやり2人を見つめた。


特に幸村は、長い睫毛が影をつくり、とても綺麗な顔をしている。まるで女の子だ。


2人の横を通り過ぎる時、幸村と目があったような気がしたけど、そんな訳がないと、直ぐに忘れた。



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