challenge
3
「ねえ、音無あかりって、知ってる?」
帰ってきて早々の、その私の問いに、友人達は揃って目を丸く見開く。
「音無って、…あの音無あかり?」
「テニス部のレギュラー専属マネージャーで、‘お姫様’の?」
私はコクリと頷く。友人達は、次には顔を不快そうに歪ませて、口々に音無あかりについて悪態を吐き始める。
「アイツを知らない奴なんていないでしょ!」
「いい子ぶりっこのお姫様」
「うざすぎ」
「レギュラー専属、とか馬鹿?居る意味有んのかって話!」
「男のことしか考えてないよねぇ」
「「言えてる!!」」
ぎゃいぎゃいと悪口に花を咲かす友人達をよそに、私はぼうっと音無あかりの評判を聞いていた。
どうやら彼女は、女子には嫌われているようだ。
「ふぅん…」
窓の外を見れば、太陽が零れ落ちそうな程橙色に輝いていた。
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