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challenge
2

彼は平部員で、テニスが上手い訳でもなくて、顔も普通。


でも私には、誰より輝いて見えていた。


「私、また考えてる…」


まだ未練があるのかと、自分の重さに吐き気がする。私は早足で廊下を歩いた。


「好きだ、あかりちゃん。」


聞こえてきた声に、勝手に体が止まる。


目的地のトイレを通り過ぎて、廊下の死角から階段の踊場をそっと伺った。


「俺、転校してきた時から、ずっとあかりちゃんの事ばかり考えて…釣り合わないのは分かってる。でも好きなんだ…。」


本当に好きなんだと、真摯に伝えているその男は、私の元彼だった。


部活のジャージ姿で、相手の女の子も同じジャージを着ていた。


「ごめんなさい、わたし…誰かと付き合うとか、考えられない。」


そう言って彼の告白を断った少女を、私は知っていた。


私は息を殺して2人の会話を聞いていたけど、いつしか会話は耳に入らなくなった。


私はただ、私の元彼に告白されていた…音無あかりを目に映していた。



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