[携帯モード] [URL送信]

challenge
ヘイオン
とてもとても好きだった彼氏と別れてもう一週間もたった。


特に何も変わらずに、相変わらず普通の日々で。


「他に好きな人が出来たんだ、とか、酷いよねぇ!」

「ホント最低!元気出して、千鶴。」

「千鶴ならすぐ新しい彼氏出来るよぉ」


私を慰めてくれる友達。
そっとしておいて欲しい気分たが、心配してくれてる友達にそんな事を言うわけにはいかなくて。


「ありがと、早く新しい彼氏作らないとねっ!今度はもっと格好いい人がいいな。」


そうふざけてみせた私に、みんな安心したように顔を綻ばせる。


私も笑ってみせれば、段々と違う話題になっていって、私はほっと息をついた。


「あ、ごめん。私ちょっとトイレ」

「ついてこうかぁ?」

「やだ、ひとりで平気だって!」


そう笑って教室を出た。

放課後なので人は居ない。運動部の活動する声を聞きながら、ああ、彼も部活してるのかな…ってぼんやり考えた。


彼は、テニス部だった。平部員だったけど。
私の通う立海大附属中学で、そのテニス部のレギュラー達は絶対的なまでの影響力を持ち、実績を持つ。


そしてレギュラー達はテニスの腕前は勿論、顔まで謀ったように美しい。


全校の人間が騒ぎ立てるのも無理がなかった。


多くの人は、綺麗なものが好きだ。



2/14ページ

[戻る]


あきゅろす。
無料HPエムペ!