1 世界が、私に絶望を突きつけた。 海水が喉の奥に入り込む。 波に、身体を裂かれるのではないかと思った。 海面に沈む前に、船が海に呑まれていく姿が見えた気がした。 そしてそのまま、私の意識は薄れてしまう。 気が付くと、目の前に広がるのは絶望。 座礁し、最早原型すら無い船の残骸。 見慣れた仲間が、あちこちに倒れている。 「ムチゴロウ!!ケロ爺!!」 すぐに駆け寄り仲間の身体に触れた。 「・・・そんな・・・・・・嘘だ!!そんな訳が無い!」 夢だ。 そう思った。 そう思いたかった。 息を していない。 [次へ#] [戻る] |