そんなの無意味 封筒が届いた 送り主の名前もなければ宛先も書いていない白い封筒が病院の郵便受けに投函されていた …もしや 脅迫状か? 以前の大病院に居た頃は日常茶飯事だったがこんな小さな町にもこんな下らないことをする輩がいるとは、正直気分が悪くなるな 「何だそれ?」 ぬぅっと背後から手が伸びてきたのに驚いている隙に手の中にあった封筒をひょい、と取り上げられた 「郵便受けに入っていた、宛名も送り主も書いていないぞ」 「ふぅん?」 ああ、だから早くゴミ箱に捨てた方が…と俺が言うより先に目の前の男は何の疑いも躊躇いもなく封筒を開けてしまった …馬鹿かこいつは!中に何が入っているのかも知れんものをどうしてそう警戒もなしに開けるんだ!剃刀でも入っていたらどうする、貴様が指を傷付けでもして苦労するのは誰だと思っているんだ! 湧き上がる激情を抑えながら封筒を奪い取ろうとしたがそれはヤツがあげた笑い声で中断された 「見ろよ海馬ぁー」 「…なんだ」 「この前風邪引いてうちに来た佐藤さんとこの嬢ちゃんからの手紙」 「…は?」 「お前の名前もあんぜー、見ろよ!」 ぴらっと渡された用紙の中央に大きな字で『かつやせんせい、せとせんせいありがとう』と書いてあった 「これがあるからやめらんねぇよなぁー」 へへ、とずれ落ちた黒縁眼鏡を直しながらにたにたと眉を下げて笑う男の顔を見ながら、がっくりと力が抜けるのを感じた __________ 話を聞いて萌えに萌えた医者のうちと看護師瀬人 小さな町の開業医城之内と都会の大病院からやってきた看護師瀬人^^ 医者と眼鏡はいいぞ… 日記のサルベージ [*前へ][次へ#] |