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ロックオン
中間テスト前。あまりにも残念なオレの脳ミソのせいで、見兼ねた担任にこのままじゃ留年だと通告されたオレ。えーまだ二年なったとこじゃないすかー

英語以外は悲惨な点数が並ぶテスト結果。残念無念。英語は好きなんだー。

皆に言うとテストを乗り切る山勘を伝授すると、半ば強引によーくんの家に拉致られた。勉強とか無理だよ

「たなっち、こんだけはとりあえず覚えて」

一番頭のよろしいはるがオレのカテキョです。

「今覚えたらテストまでに忘れるわーあはは」

よーくんとりょーはアホなはずなのに要領がいい。二人に言わせれば、南高のテストは小学生レベルらしいので、フィーリング解答でも余裕らしい。えーオレもフィーリングだってー。

「ああオレ字書くの久しぶりだわー」

「ええっ!たなっちノートはとってないの?」

「はるとってんの?オレ授業内容まとめて絵に書いてっからー」

「は?絵?なに?よーくんどういう事か分かる?」

またはるを混乱させてしまったらしく、はるはよーくんにヘルプを求める。

「分かるわけねーじゃん。たなっちの脳はある意味脳じゃないから!」

ははっと笑ったよーくんはりょーと服の雑誌を見ている。オレも見てーなー。つか脳ミソじゃないってひでーな。

オレの発熱事件から、よーくんはちょっぴりりょーにやさしくなった。おおいに同情しているらしい。なにを同情してんのかは教えてくれない。

「あつお、オレらと三年になりたきゃ頑張れ」

りょーが横に座って、オレのノートを見てくる。

「おい、待て待てコレは何だよ。お前授業まとめて絵に書いてるっつったよな」
「そーですよー」

「各科目担当のオヤジどもの顔書いてどうすんだよ!あ?テストに出んのかこいつらの顔が!」

りょー、なにを必死に。なになに、ノートコピりたいわけ?面白かった?だって授業中暇なんだよねー

「ぶっ!たなっち最高!見してそれっ!」

よーくんまでが覗いてくる。はいはい、ちゃんと見せたげるから。ふふん。なかなかオレもやるもんだなとはるを見ると

「はああー。二人とも邪魔しちゃダメだよ、ほらたなっちがなんか得意気な顔してるじゃん!」

「なにはるも見たい?」

「はああー」

前の日に覚える事!と書かれた数枚の紙をはるからいただき、勉強会は終了ー。


「ねえ、夜も更けてきた事だし、あの紙のゲームしてみねえ?」

よーくんはニヤリと笑う。あの紙とは、学校で流行っているフェチ質問ゲーム。合コンの時にすると盛り上がるらしい。

バカ高の男子なんてだいたい頭ん中そればっかみたいだ。つか、男ばっかでやんのかよー、微妙じゃん。女の子ともしたくねーけど。

「え、恥ずかしいわ」

はるは照れまくる。ピュアだね、かわいーね。つか、反応それだけ?


「はる照れんなよ!という事でやりますよ皆の衆!」

よーくんはただ単にはるのフェチを知りたいだけじゃなかろーか。


「何それ」


りょーは知らないみたいでオレに聞いてくる。


「なんか合コンゲームみたいでさ、質問が手フェチな人!罰ゲームが手を握る!だと、該当者が手をあげんの。でジャンケンして負けた人は、一番好みの手をした人の手を握りるってゆーゲームよ」


「そうそう!で、コンパでは目当ての子に触りたいからフェチじゃないのに手を挙げるみたいな!」

よーくんがウキウキしながら答える。やはりよーくんは、はるにしたいのか!


「へえ。やるわ」


「やっぱそうだよなお前はさ!あーウザ森最近おもしれーわ!」

なぜかよーくんは爆笑。はるも、森田の為にやろうと参加決定。りょーはなーにをそんな乗り気になっている?オレだけまた波に乗り遅れてるし。


「はい。第一問!」

素面じゃ照れるというはるのお願いにより、軽く酒を飲みながらのゲーム開始。

『質問、髪の毛フェチ。罰ゲーム、撫でる』


ううん、オレ髪の毛は別にポイントじゃねーわ。
そう思って三人を見ると、りょー、はるが手を挙げている


「え、はるなに、髪の毛フェチなの?え、オレは?オレの髪どうよ」


よーくんがはるに聞く。はるは、やっぱりこれ恥ずかしいわーと言いながらも、髪似合ってるよね、とちゃんと返事している。


りょーも髪の毛フェチか。ふーん。そういえばオレの髪触ってるもんなー。いやあれはただ引っ張ったりして遊んでるっぽいな。


ジャンケンの結果、はるが負けた。はるはよーくんに触っていい?と、遠慮がちに聞く。


「なっにー、はるオレの髪の毛好きなの!そー!うんうん触っていいよ!」


すごく遠慮しながら、少しだけよーくんの髪を撫でるはる。

「うわっ、オレこのゲーム無理!恥ずかしいって!意味が分からない!」


はるは頭を抱えているが、よーくんは満面の笑み。そーかそーか、よかったねーよーくん。
はる、意味はオレも分からんよ、なぜ男四人でこんなことをしてんだよ。


『質問、胸板。罰ゲーム、飛び込む』


あ、これは女の子向けだなー。胸板か。胸板、胸板。
「はいよ」

オレ、りょーの体すき。ハグされたらしにそーになんもん。細いのに細くない。どっちだよ的な体が羨ましくてしょーがない。


「はいオレも!」


よーくん、もしや全部手を挙げるつもりかね?
負けてあげたいが、そんな悪知恵働かないのでジャンケン。あ、よかった!


「はるー!ハグ!ハグ!」

よーくんが座っているはるの元へ近付き、首に手を回す。満面の笑みのよーくんに思わずつられて笑ってしまう。まじですきなんだなーはるのこと


「まじ、で」


はるはやっぱり戸惑いまくっている。体は完全に硬直。嫌ではなさそうだけど、目線が泳いでるよ。

ねえ、この雰囲気やっぱおかしくね?なにか間違えている気がするが、よーくんの為に我慢しよう。

はるがそっとよーくんから体を離して苦笑いする。


「はい、終わり」


よーくんはその瞬間すげーさみしそうな顔をしたが、すぐ笑顔になって次!次!と紙を見る。はいはい、次やりましょか。

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