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うっかり間違い
いつものように週末集まる約束をし、もーすぐよーくんの家に到着予定。今日はあきも参加なので楽しみだ

「おじゃまいたしますよー皆来てんのかなー」


玄関には靴が何足か。無意識にすぐりょーの靴を探すオレ。なんだかなー。あ靴あった!もう来てるー。


リビングに入ると、なぜか微妙な空気。え、なに、オレ遅刻した?とりあえずりょーの元へ向かう。リビングに居るのはりょーとよーくんと、あき。あれ、はるは?

「どもども。どしたんこの微妙な空気は?オレが遅かったからですかね」


りょーはオレを見て、よーくんを指差した。なに、よーくん、って、え?


「よーくん、どしたー」

よーくんは膝を丸めて縮こまって座っている。わざとらしいが、あえてなにも言わない。
なになに、どしたのよー。よーくんはおずおずと顔をあげると弱々しく呟いた。

「はるが最近上の空で変なんだわ。聞いても理由教えてくんねえの」


「ええと、はるがうわの空の証拠はホント?」


変な文法になってっから。珍しく小さな声でぼそぼそ話すよーくんに焦ってしまったよ。

たなっち日本語変。ああ、いつもかそれは。と、どっか遠いところを見つめて呟く。そして悲しそうに続けた。


「マジなんだよ。悲しいぜちくしょーめ。しゅーいちも慰めて!」


あきは何も言わずそっと横に来て、よーくんの頭を撫でる。かしこい子。

突然あきはよーくんに、疑問を投げ掛ける。


「はるさんに、惚れてんすか」


りょーはタバコ片手によーくんを見てる。ほれるとは惚れるですか?ラブとは愛しているですよね。


「は?ちげーよっ!なあに言ってんのよ!オレは女がいいの!んな訳あるか!じゃあしゅーいちはたなっち可愛い可愛い言ってるけどー惚れてんの?違うっしょ?」


そう返事をするよーくんにあきは。こくりと頷く。


「あつおさん、犬みたいだから。好きなのは違う人っす」


おおーっと!オレなにか勘違ってたー。あきが犬ではなく、オレが犬なのかー。そうかそうか、逆か。そしてあきはすきな人が居る。うっわ、まじ?まじ?


オレが情報過多の波にもまれていると、りょーが素っ頓狂な声を出した。


「はっ?え、何お前あつおが好きなんじゃねえの?」

あきはジトリとりょーを見つめている。


「大切な先輩っす、あつおさんは」


なんか照れんじゃーん。あきが犬だと思ってたよごめんあきー。主従関係逆だったのかよー


「っああー!このアホの後輩だっつー事忘れてたわ、類は友を呼ぶかよ、っんだよ、まぎらわしーんだよっっ!うっぜえ!」


りょーは、最近やはり疲れている。いきなりなに?類は友を呼ぶ?あきの事?しかもさ、あきがオレをすきとかあり得ねーって。


「ウザ森なに、もしかしてリアルに信じてたの?」


りょーの不幸は密の味なよーくん、ちょっと復活。ニヤリと笑い続ける。


「見ればわかんでしょー。しゅーいち明らかピュアな目でたなっちを見てんじゃん。あー、もうしばらくウザ森が気付くまで楽しめると思ったのによ。思わず自分でバラしちまった」

チッと舌打ちをしてよーくんが悔しがる。


りょーはなぜかよーくんに反論せず、どかっとソファーに座り込んで大きなため息。


「おい、この駄犬もーちょい賢く育てろよ」


オレを指差しながら、あきに言う。駄犬とはオレですか?そうですか。あきはあきで


「アホなあつおさんが可愛いんすよ」


と真面目な顔で言う。おいおい。ひでーな二人とも。なんだか分からんが駄犬イコール、オレ、でなぜかりょーとあきが和解したと。なんだそれ、全然意味分かんねーから



「ねえ!オレの話は!」


いきなりバンッとテーブルをたたくよーくん。
自分も脱線してたじゃん。でも、そうだよー。はるのうわの空の理由とはなんだろ?


「よーくんはるの様子とか詳しく話してみてよ。今度こそ起承転結でねー」



そうしてやっとこさ語られるはるの最近の生態。


話している間中、よーくんの眉間にはずっとシワ。よーくん、はるがなんでも全部言わないのがそんなにさみしーのかな。

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あきゅろす。
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