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05:《紅家での生活・3》



翌日の朝


「ンゥ・・・ふぁ〜」
庭で寝てから起きるとそこは自分の部屋だった
しかも、次の日の朝になっており自分はよく寝たなぁと思いながら、昨日なにがあったのか考える夕喜
絳攸と池のそばで話をしていたことは覚えているが何を話したか、その後どうなったかは何も覚えていなかった


「昨日、兄様とお話してたのは覚えてるけど何の話をしたんだっけ?」

と考える夕喜
でも、次第にめんどくさくなったのか
「ま、いいや」

と、さっさと寝台を降りて着替えて部屋を出ていった




〜廊下〜
夕喜がいつも絳攸、百合姫、黎深とご飯を食べている部屋に向かって歩いていると
家人の一人で夕喜の世話をする杞絽(きろ)が向こう側から歩いてきた
そして、笑った顔で
「あ、夕喜お嬢様、今から起こしにいこうと思っていたところだったんですよ」
言った

杞絽の歳は15歳。夕喜は優しい杞絽が大好きで気に入っている。
「あのね、目が覚めちゃったから
 それで、とうさまやかあさまとにいさまの所へいこうとおもったの」

「そうですか
 では参りましょう」
といいながら夕喜と手をつなぎ夕喜と歩む速さを同じにして黎深達のいる所まで連れていった




程なくすると黎深達がいる部屋へと着いた

コン、コン
「旦那様、お嬢様をお連れ致しました」

「入れ」

「失礼致します」
杞絽は一礼して中に入っていった
夕喜も杞絽の後を追って中に入って行った


「とうさま、かあさま、にいさま
 おはようございます!」

夕喜の元気のいい挨拶を聞いて、黎深、百合、絳攸はもちろんだがその場にいた家人達も笑顔になった


そして、席について朝ご飯を食べる

楽しく食事をしていたら
「夕喜、昨日はごめん」
といきなり絳攸が謝ってきた
さすがの百合もそれにもビックリしたがすぐに微笑みその二人の様子を見ていた

「ん?なんのこと?」

「覚えてないのか?
 その・・ボクが聞いたこと」

「うん!おぼえてないよ」

夕喜は明るい笑顔でそう言った
そして、絳攸もつられて笑った


そんな二人を見ながら百合は『二人とも可愛いわね〜』など思っていた


「そういえば、黎深 きみそろそろ出仕する時刻じゃない?」
百合がそういうやいなや黎深は出ていった






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あきゅろす。
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