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16:《大切な存在》




あれから黎深はすぐさま邸へと帰った
黎深の腕の中で眠る夕喜
この時の黎深の顔は優しさに溢れていて
絶対に普段の黎深を知っている者ならありえない・・・と思うだろう



それから幾らか経った時紅家別邸に帰り着いた
黎深が軒から降りると影から聞いていたのだろう百合が門前で待っていた

「お帰りなさい、黎深」
「…あぁ」
百合は黎深が抱いている夕喜に目を向け
手を伸ばし頭を優しく撫でる
百合の撫でる手にも気づかずに黎深の腕の中で眠る夕喜


「ねぇ、黎深。一体何があったの?」


「………分からん


いきなり兄上に夕喜を連れて帰るように言われた」


「・・・・・・そう、邵可様が」


二人は邸の中に入り夕喜の部屋に向かい
ベットに寝かせた

百合はベットで眠る夕喜の頭を撫でながら

「ごめんね。まだ、小さいのに辛い思いをさせて・・・

       本当にごめんなさい」


そして、黎深と百合は出て行った

***

絳攸は家人に夕喜が帰って来たと聞き夕喜の部屋へと向かっている

・・・けれど・・・行けど行けど目的地には着かない


こっちの方向で正しいと彼は思っている

だが、それは、夕喜の部屋とは真逆の方向だった………


「くそ、なんで着かないんだ。1刻は歩いてるのに」

どんどんと目的地から離れて行っている


周りを見回せど生憎人っ子一人もイナイ


「(俺は迷ってない、迷ってなんかいない)」




そろそろ影は見かねて絳攸を密かに夕喜の部屋に誘導した




***

絳攸は夕喜の部屋に入り
夕喜が寝ているベットに近づいた

「zzz」

夕喜の寝顔を見て何故か安心した絳攸

「(ホ  良かった)」


「夕喜

お前は今どんな夢を見ているんだろうな?」



そう言いながら寝ている夕喜の頭を撫でる


「・・・ん」
すると突然目を覚ます

それに驚きさっと手を退ける


「夕喜、夕喜」


「ぅん、、にぃ、さま?」

「あ、あぁ」

「兄様ーーーぁ」

いきなり起きて絳攸に抱きついて泣きはじめる夕喜



絳攸は夕喜を抱き留めて優しく頭を撫でる


「にいさま、にいさま、にいさま、にいさま・・・・・・・・・・・・・・」

何度も絳攸を夕喜

「大丈夫、俺はちゃんとココに居るから」

絳攸は何度もその言葉を繰り返した


その内に夕喜は泣き疲れて寝た


夕喜を布団に戻し



「夕喜、お前は俺の大切な義妹なんだ

なにがあったかは分からないけど絶対俺が守るから

これからもずっと」





そう密かに誓う絳攸であった





小さき者が密かに誰にも聞かれずに誓った【言葉】


彼はまだ分かっていない


守ることがどんなに大変かを


だが、彼なら成し遂げるであろう


その先の遙かなる未来〈サキ〉で










〜〜後書き〜〜
はい、ようやく出来ました、お待たせしました
遅くなってすみません

本当は最初の方は1ヶ月以上も前に出来ていたのですがいかんせ終わりというかなんというか
絳攸部分は元からあぁしたいと思っていたので出来て良かったですが、本音を言えば黎深の親バカぶりをいれたかった;;
でも、できなった
ショック


えっと、アンケート中に『秀麗はでないんですか?』と言うコメントがあったのですがはっきり言います
出ますが、今時点の所では出ません!てか、出せません
なぜなら、管理人にも考えがあるからです!
と、いうわけで秀麗はお待ちを、、、、、、

感想がある方又は誤字脱字を発見された方は
お気軽に掲示板もしくはメールにてお知らせください
では、ここまで読んで頂きありがとうございました!


08.9.6(日)

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