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06:《紅家での生活・4》




朝ご飯が済んで夕喜は百合姫に琵琶を弾いてもらっていた

『彩雲国の国語りを聞かせよう。
 遙かな昔、国中に魑魅魍魎が跋扈していたその時代、いつ終わるともしれぬ混沌のなかで、1人の若者が旅に出る。
跳梁する妖を追い払い、民の安念を胸に秘め、いつ果てるともしれぬ旅を彼はつづけた。

やがてその思いに胸打たれた八人の仙がつどいくる。
藍仙、紅仙、碧仙、黄仙、白仙、黒仙、茶仙、紫仙――色の名をもつ彼らはいつしか彩八仙と呼ばれ、不思議な力を駆使して若者を助けた。
 かの若者の名は蒼玄。八仙の智恵を借り、国の礎を築き、人の世に夜明けを拓いた、彩雲国初代王。

 蒼玄の死後、彩八仙はいずこかへ姿を消した。だが、彼が仙のために建てた風雅の宮は、仙人の住処―仙洞宮と呼ばれ、今もなお王城の一角にあるという。』
 
 はいお終い」


パチ パチ

「すごーい」

百合が琵琶で弾き語りをし夕喜がそれを聞いていた
ちなみに絳攸は勉強中
百合はそんな夕喜の頭を優しく撫でる

「ねぇ、母様。彩八仙っていまどこにいるの?」


「う〜んどこだろうね。案外私たちと一緒に暮らしているかも」

「ほんとう!!」

「えぇ(ニッコリ)」


「母様」
といきなり紗稀は真剣な顔になり百合を呼んだ
そして

「私に、琵琶を教えてください」
まだ、4歳の子供とは思えない顔、声、そして雰囲気で言った
流石の百合もコレには驚きを隠せずにいた
教えるかは迷ったが、この雰囲気に対抗できず
「分かったわ、教えるわ」
と言うと
「ほんと、やったー」
紗稀はいつもの紗稀に戻っていた

そんな紗稀を見ながら百合は
『黎深にこのこと伝えなきゃ』と思っていた


それから紗稀少しずつ百合から琵琶を習い
同時に、礼儀作法も習うこととなった





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