お正月


ぽかぽかと暖かい日差しを受けながら封真と肩を並べながら

昼ご飯の買い物を終えての帰宅途中


「神威」

「な、な、なに……」

「………お前、最近おかしくないか」

「…そんなこと……ない…」

「…ここ一週間ぐらい目も合わせないし、言葉数も少ない」


うぐっ、と変な音をたてて空気を飲み込んで、不自然に目を泳がせてしまう

こちらを斜め上から凝視している封真には、動揺しているのが確実にバレているだろう


「神威…」


促すような声にチラ…と封真を見て、口を開く


「こ、今夜…!一緒に、寺へ…お参り行きたい……」


封真の顔を見ながら言うと、堪えきれないという風にくつくつと喉奥で笑われる

…この男は初めから俺が言いたい事を知っていたのか

この反応は、そういう反応だ

なんか…悔しい


「……(プイッ)」


羞恥から顔を赤くしてそっぽを向くと、今度は声に出して笑われた

そっぽを向いてしばらく放っておいたら、機嫌が良さそうに―でも眉を多少下げながら頭を撫でてくる


「分かった…行こう」

「っ…当たり前だ!」


微笑みながら言われると、恥ずかしさに耐え切れず、頭の手をそのままに封真の腰にパンチをする

…まったく効かなかった






「なんてお願いするんだ?」

「……封真が浮気をしないで夜遊びもしなくなりますように」

「…浮気はしてない」




fin.





あきゅろす。
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