もし、最後の戦いで神威が生きていたら

私はアニメを見ていないので最後の戦いの後、どうなったか知りません
ですが、最後の戦いで神威が消滅する事は知っています
なので、もし神威が消滅しなかったら…という想像で封真と神威の会話。
落ちないです。
苦情は受け付けないよ\(^p^)/






「神威っ!!神威っ!!!」


封真の涙でぐちゃぐちゃな顔が見える

必死な顔すぎてむしろ笑えてくる


「ふ……ま…すご……かお…」

「かむ……神威っ…!」


ここは……

つんと消毒液の匂いが鼻につく

病院か……



「良かった…!神威が死んだら……っ俺…!!!」



ぎゅうっとほとんどケガをしていない手を握られる

もう完全に元の封真だ



「ふう……ま…だい…じょ…ぶ…だか…ら…」

「神威…あまり喋らない方がいい…っ」



まだ大粒の涙を流しながら、それでも笑顔で言ってくる

確かに体全体が焼けるように痛い



「っ…神威、神威……かむい…」



壊れたラジカセのように繰り返し自分の名前を呼ぶ封真にふと疑問が浮かんだ



「ふ…ま……おま…記憶…あ…るの…か…?」



「っ……!」



さらに歪んだ顔を確認する間もなく、折れるかと思うほど手を強く握られ額を押し付けられる


封真が


僅かに首を縦に揺らした



その瞬間、自分の喉がヒュッと鳴った


震える唇で細く息を吐き

封真に握られていない手で顔を覆う

じっとりと湿っていた




「覚えてる……小鳥を殺した事も、たくさんの人を殺した事も……全て…覚えてる…」


すう…と血の気が引けた頭に冷静になったのか、他人事のような考えが浮かぶ

ああ、封真はこんなに喋る人だったか…

それだけショックだったのか……



「ふ……うま…」


「……お前が生きていてくれて良かった」



目が覚めた時よりもっとぐちゃぐちゃの顔で微笑む



「……っ」


それを見て自分の頬を生暖かい涙が伝っていく


「かむい…っ今度こそ、俺がお前を守る…絶対に…っ」


守るなんて言わないで、一緒に生きて…


それが……





-fin-








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