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僕と彼女の短い時間(短編)
はちぺーじ
 今俺は25歳だ。
 ファーストキスをしてから十年経つ。
 あの次の日、雪は転校してしまった。後から聞いた話だが養子にもらってくれる人が見つかったからだそうだ。
 紙袋にはTシャツと自分の引っ越し先の住所、電話番号、携帯のアドレスが書いてあった。
 でも雪とは連絡を一切取らなかったし、歳を重ねていくに連れ雪の影は薄れた。
 でも今日、ふと雪のことを思い出した。
 仕事も休みだったので雪に会いに行っている。
 あれから雪がどんな大人になっているか見てみたかった。
 書いてある住所に着くと俺はインターホンを鳴らす、すると出てきたのは雪ではなくおばさんだった。
 「あの〜砂川一輝と申しますが雪さんはいらっしゃいますか?」
 おばさんは驚いたように口にてをあてた。
 「あなたが一輝さんですか?雪は……三年前に白血病で死にました」
 ………嘘だろ
 おばさんの目は涙ぐんでいる。
 「死ぬ直前にもし砂川一輝って人が尋ねてきたら渡してって言われた手紙があります」
 そういうとおばさんは家の奥から一枚の封筒を持ってきた。
 もちろん誰もみていないようだ。


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あきゅろす。
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