彼の世界
世界は本当に素敵だ。
俺は世界が大好きだ。
素晴らしさで満ちている世界が。
そりゃ、たまに、ごくたまに嫌なこともあるかもしれない。
でもその嫌なことも、全て俺をこれから待ち受ける幸せに繋がってるって思えば悪くないし、寧ろ歓迎すべきものに思えるだろ?
だから俺は世界を信じてる。
いつか俺はこの世界で、今よりもっと素晴らしいことに出会えるって。
(そう言って世界を信じられる貴方がとても羨ましいの)
(でもね、私はまだ恐い。私の世界は、貴方のものほど輝いてはいないから)
大丈夫だよ、シャーネ。
シャーネがシャーネの世界を信じられないなら、代わりに俺の世界を信じて。
(え…?)
この世界は、素敵で満ちている。
そう信じる俺の世界を、シャーネが信じればいい。
これなら、問題ないだろ?
(貴方の世界を…)
ああ。
俺をそのまま信じて。
なあ、シャーネ…。
―――ちゅっ。
(……、…!!)
ほらな。
ちゃんと感覚…あっただろ?
これが…『俺の世界』さ。
(…、わかってるよ。そんなのくらい)
(この、顔が熱くなる感覚も、言葉に出来ない想いも)
(全部、『貴方の世界』)
(信じてるよ)
(ずっと、ずっと)
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