My Gift to you 「…綺麗」 溜め息をもらしながら、イーディスが呟く。 その視線の先にあるのは…通りに飾られた、大きなツリー。 色とりどりの電球が、スノーマンやロザリオ、ステッキといった様々なオーナメントを照らしだす。 辺りの薄暗い様子にも良く映えていて、幻想的な光景を作り出していた。 本当に綺麗だった。 でも、本当に綺麗なのは…。 ―――うっとりとツリーを眺めるイーディス。 その顔は、光り輝いていて、その美しさに俺は…息が止まるかと思った。 綺麗だ。 ただそれだけ。 正直…あのツリーよりも何倍も、何十倍も。 「…イーディス」 「何?ロイ」 「綺麗だよ、あのツリーよりも」 正直に、言ってみた。 なんて返されるのかは、頭の悪い俺でもわかってた。 「…馬鹿」 それでも敢えて言ってみたかったのは、その照れた顔が見たかったから。 流石にこれは口には出せないけど。 俺はそんなことを考えながら、街中の恋人達の聖なる夜を祝福するであろうツリーを見上げた。 (いつまでもいつまでも 側にいてあげよう それが君への僕の贈り物) |