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#元気を出して(芥川・宍戸・跡部/TNMTネタ)

部活が終わった部室内。




『んー・・・俺はレオが好きだなー♪』

「俺はね〜マイキーが好きかな〜wお菓子たくさん食べてるしね〜♪」

「・・・権兵衛が言ってるのが青色でいいんだよな?」


外はオレンジ色に染まりかける中、
いつもは寝てばかりいるジローもこの話しに参加しているようで権兵衛と目を輝かせながら昨日あったアニメの話をしていた。




『ちょっと!宍戸!!まだ覚えてないの?!』

「宍戸しっかりしてよね〜!ちゃんと毎週見てる?」

『見てないとか言わないよね!?俺とジローがあんなに一生懸命薦めたのに!!』


まくし立てるように問いただす二人に対し、責められる宍戸は困惑の表情になる。



「・・・;見てるけどよ;ハチマキの色違うだけで顔一緒じゃねぇかよ、」


と一言。


亀の四兄弟が人間のように歩いたり闘ったりするアニメ。


確かに亀なのだから顔はこれと言って特徴はないであろう。




「そんなことないC〜!!!顔もちょっと違うんだよ!」

『そうだよ!何より声も性格も色だって違うじゃん。まだまだだね〜宍戸はー(溜息)』


「なっ!」



『やっぱジローが一番わかってくれるな♪』


「あったり前だCー♪やっぱタート○ズは権兵衛とじゃなきゃ語れないよね〜!・・・(ニヤッ)」




まるで
「俺と権兵衛の仲には入れないよ♪」
というように勝ち誇ったように宍戸を見やるジロー。




「くっ・・・激ダサ・・・」




宍戸もジローの言いたいことが解ったのか、
権兵衛に自分の名前が出されなかったことが悔しかったのか、
自分自身に向かってのお決まり文句。






思い起こせば権兵衛が




『宍戸にも見て欲しいアニメがあるんだっ!』



と満面の笑みを浮かべて寄ってきたときは絶対に毎週見て権兵衛との会話に華を咲かせるんだ!


と意気込んでいた。



それをジローが先に見ているとはしらずに・・・。



いざ見てみるとストーリー自体はたまにギャグ風味もあり面白いのだが、
最近見始めたばかりでキャラクターの名前を覚えることができないで居た宍戸。
権兵衛のためだと思いながらも確実に覚えるのはやっぱり無理で、うろ覚えと言う言葉が今の宍戸にはピッタリであった。




『でもさ!グッズとかなかなか売ってないよね!外国のアニメだから仕方ないんだろうケドさー。
レオとドニーのストラップとか欲しいなー』


「え〜、権兵衛がレオとドニーなら俺はマイキーとラファエロかなー!そしたら全員揃うC〜♪」



もう宍戸は会話にさえいれてもらえない空気。



諦めたのか宍戸自身は溜息をついてもう直ぐ現れるであろう人物の名前を口にする。




「外国のなら跡部とか知ってんじゃねーのか?その、グッズ売ってる店とかよ?」



その宍戸の言葉に権兵衛とジローの二人は顔を見合わせ、「「あ」」と同時に声に出した。






氷帝学園内で一番と言われるほどのお坊ちゃま。




あの跡部なら外国のアニメグッズなんて直ぐに手に入るであろう。




その事に気付かなかった二人は目を輝かせた。




『そっか!!跡部がいんじゃん!!何で今まで気付かなかったかな〜俺ってば、さっすが宍戸!!』


「ホントだC〜♪跡部なら外国のお店とか詳C−って!」


二人の喜び様(権兵衛限定)に宍戸は
「ぉう///」と、照れ隠しに扉の方を向いた。



噂をすれば何とやら・・・







ガチャリ。





と開く部室の扉。






扉の方を向いていた宍戸に加え気配がしたのだろうか、ジローと権兵衛も扉の方に目をやっていた。




扉が開き入ってきた人物に権兵衛とジローはまたも目を輝かせる事になる。










「アーン?何だお前ら、まだ残ってやがったか?」





その言葉に「残ってちゃワリーのかよ。」と宍戸が小言のように言う。




そんな中、跡部は異様なほどまでにキラキラとした目線に気付いた。









「・・・・・・・・・なんだ?」








それはとても不機嫌そうな目でキラキラの元凶を見る。



ジローが起きているのが珍しい。


権兵衛がいて、ジローが起きていて、

この目線・・・。


権兵衛に見られるのはそこまで悪い気はしない。

だが二人揃ってあそこまでオーラを出していると何かをねだる子供のようにしか見えない。




問いただしても尚、キラキラした目線で見続ける二人。





跡部は奇妙な二人と一緒に部室に居た宍戸に会話を振った。





「おい、宍戸。どうなってんだ?;」

「あー、なんか亀のアニメのグッズが欲しいんだとさ。」





あまり会話が成立して内容にも思えるが宍戸の答えた言葉に疑問を持つ跡部。





「カメだぁ??」




いきなり話しだした二人に少々驚きつつも眉間に皺を寄せたまま話を聞く。






何だコイツ等。






という表情を宍戸に送れば、お手上げだ。

という表情を返してくる。






『ねっ!跡部聞いてんのかよッ!!タートル○のグッズあるお店とか知ってる!?』




ウキウキとした表情で聞いてくる権兵衛。



に対し表情変わらず跡部は、




「しらねぇな。そのカメが戦うとか・・・大体俺様と関係ねぇだろ。」




その跡部の言葉にさっきまでのキラキラオーラは何処へやら・・・



どよ〜ん、とした空気に一変した。



期待していた分、ショックさが増したのだろう。




『「あ〜あ・・・」』





とまるで跡部が悪いようにショックを口に出す。






『俺さ・・・跡部に期待してたんだよね・・・。
けど、まさかのまさかで○ートルズの事さえも知らないなんて・・・・』

「権兵衛・・・大丈夫だC−!俺がいるじゃん!!俺とこれからも語ろうね〜♪」

「・・・おい、ジロー。権兵衛から離れろ。」

「嫌だC〜!権兵衛を慰められるのは俺しかいないC−!!」




権兵衛を慰めると言って権兵衛に抱き付き頭を撫でるジロー。




そんなジローに嫉妬したのか怒気を含めて離しにかかる跡部。



権兵衛は落ち込んだまま話をきいていない。



そんな光景を見守る樺地。



宍戸はこの光景をみて今日も部活が終わると思った。




毎日繰り広げられる氷帝男子テニス部の日常。


レギュラー陣は見飽きているだろう。


ジローはどこか腹黒で跡部のキレるところを知っている。


長年の付き合いもあるだろうが、
権兵衛をはさんでの二人のバトルは毎日開かれる。

気付いてないのは権兵衛だけ。



-終れ-

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